誌面連動!ポートレイト撮影に強い大口径50mmレンズを使った撮影会レポート


3月某日、オリジナリティのあるポートレイトを撮りたい! と集まった参加者に向けて、ポートレイト撮影でも個性を引き出すレンズ「SIGMA 50mm F1.4 DG HSM|Art」を使った撮影会を敢行。講師である写真家・テラウチマサトさんにふだんのポートレイト撮影の経験談&撮影術を訊きながら、参加者のみなさんが撮影に臨みました!

「たとえばモデルに“笑って! いいね、その笑顔!”と声かけをしながら撮影した写真は、誰でも撮れますよね。自分の前でしか見せない表情が撮れたとき、それは個性となる。僕にとって最適なポートレイトレンズは50mmなんですが、その面白さのひとつはコミュニケーションがとれるということ」と話しながら、レクチャーがスタート。自分とモデルとの撮影距離によって、どんな印象を与えるのかを実際にテラウチさんが参加者の方を撮影する場面も!

「それじゃあ実際に撮ってみましょう!」というテラウチさんの掛け声とともにモデルさんが登場。今回は教室内に掲示してあった写真雑誌「PHaT PHOTO」の大きな表紙ポスターをバックに、モデルさんをどう撮るか?というお題が与えられ、撮影スタート。各自持ち時間が限られているなか、みなさんモデルさんへの声かけも挑戦していました。

撮影会では屋内でモデルに走ってもらう場面もあり、参加者のみなさんはスカートの動きや髪がなびく一瞬をとらえていました。開放F値が小さいこのレンズは、多くの光を取り込むことができるため、より速いシャッタースピードで撮影が可能。そのため、暗い場所での撮影でも手ブレを抑えた1枚に仕上げることができました。

撮りたい! と思ったときの光の環境によって、シャッタースピードが制限されてしまうのはもったいないですよね。明るいレンズで、暗い場所でもきれいに切りとりましょう。

お勧め!大口径50mmレンズ
SIGMA 50㎜ F1.4 DG HSM|Art


最高の光学性能と豊かな表現力に集中して開発した、大口径標準レンズ。各収差を徹底的に補正し、解像度の高い描写性能を実現しながら、自然なボケ味を追求。高水準の芸術表現を叶える1本。sigma-global.com

▼参加者の使用感想▼

・ボケ感が違う。
・重いですが、その重さが使いこなしてみたい気持ちをそそりますネ!
・ボケの部分がすごく不思議な感じできれいだと思いました。
・普段35mmを使っているので、50mmもほしくなりました。
 ボケの美しさをもっと出せるように腕を上げたい!
・ゆっくりじっくり使ってみたいと思いました。
・F1.8ぐらいがとても好みでした。
・単焦点が楽しいのは昔から知っていたが、
 ズームと比較して深みのある写真になり、やはり良いことを認識した。

▼参加者の作品とテラウチさんからの講評▼

A.Hさん撮影
テラウチさん講評
「どう切りとるかを考え、工夫したことが伝わる作品です。開放値の明るいレンズの特性から、被写界深度の浅さを活かし、空気感も上手に表現しています。うしろの窓から射し込んだ光だけで撮っているので露出設定には賛否あるかもしれませんが、僕は見えすぎないという点を評価したいですね。」
T.Sさん撮影
テラウチさん講評
「単焦点50mmレンズの個性がしっかり活かされた作品ですね。ピントの合い方やボケ具合から感じられる独特の空気感も映し出されていると思います。ただ手の位置と仕草が少し中途半端になってしまい、もったいないなと感じました。切りとり方も意識してみましょう。」

N.Hさん撮影
テラウチさん講評
「顔を左半分に寄せ、右に空間を置いた構図は新鮮だと感じました。ホワイトバランスで見た目と写真の色味を変え、画面全体に青味を入れることで、異空間のような雰囲気をうまく表現できていますね。ただ、アップにした表情だけでどんな異空間なのかをイメージしなければいけないため、逆に弱味にもなってしまったかなと思います。」

T.Hさん撮影
テラウチさん講評
「今回の撮影会では、HDR撮影で残像を写すという特殊な撮影技法をレクチャーしましたが、その技法修練として撮影された作品でしょうか。新技法にチャレンジされた点や、広がったスカートの形の面白さなどが良いですよ。ただモデルの上半身のポーズや、主役を引き立てる役割である背景の見え方などが気になってしまいました。」

M.Sさん撮影
テラウチさん講評
「アップでモデルに寄ったことから、モデルの目に緊張感を伴う力が宿りました。半分顔を覆った手のポーズも魅力的ですね。後ろからの光で暗くなったことも気になりますが、問題は寝そべったモデルの頭上部の空き。この部分を大胆にカットできれば、とてもいい写真に仕上がったと思います。」
H.Kさん撮影
テラウチさん講評
「斬新でオリジナリティのある切りとり方になっていると感じました。指先や手にピントを合わせ、その仕草で何かを伝えようと表現したことも見事。惜しいのは、その指先や手の仕草の印象が弱かったこと。画面左側に占める左手ボケも広過ぎたかもしれません。」


K.Iさん撮影
テラウチさん講評
「背景を意識して撮影しよう! とアドバイスしたときに撮影したという写真。モデルの目をカットし、ポスターの大きな目を片目だけ入れています。そのことが観る者に「あれ?」という違和感を生み、写真展であれば足を停めて見入る作品になったでしょう。ただ向かって右の背景の処理が雑に感じてしまいました。」

C.Mさん撮影
テラウチさん講評
「モデルを寝かせ、床の位置から撮るスタイルはよくあるけれど、頭から手の入れ方を含めた切りとり方は上手だと思いますし、好感が持てます。指先を中心にした画面構図も収まりがいいですね。この状態でシャッターを切り続けていけば、モデル自身も気持ちが入ってゆき、より質の高い作品に仕上がったのではないかなと思います。」

T.Oさん撮影
テラウチさん講評
「寝ているモデルのさらに低い位置から撮影しているため、なにか不思議な雰囲気のある写真ですね。その雰囲気や作品の力を高めるために、右端の黒い壁の部分は切り落とした方がよかったと思います。背景のブラインドが印象的なので、活かしきれていないのが残念だと感じました。」

Y.Nさん撮影
テラウチさん講評
「ローアングルで撮影し、手前を広く取り入れた1枚に仕上げられています。工夫が見られますが、今回は少し広く取り過ぎたかもしれません。またモデルが棒立ちに見えてしまったのが残念。ポーズのチェック部分は、手、足、顔(見える場合は表情)、そして身体のライン。この4つがバランスよく整ったときを意識して撮影しましょう。」

M.Oさん撮影
テラウチさん講評
「振り向き様のモデルの目力、ジグザグになった背景の外階段、ビニール傘をさして通った黒い鞄の男、登り坂を上がっていくモデルをとらえた撮影者の位置。そんなタイミングがどれもぴたりと決まった作品です。モデルがやや黒くつぶれてしまったことと、左側のボックスの入り方が惜しかったですね。」
Y.Mさん撮影
テラウチさん講評
「今回の撮影会の中では数少ない、モデルの目線が来ている写真。上位置からの撮影でモデルが上目使いになり、瞳が大きく見える効果的なポーズです。このポーズを得意にしている有名セレブもいますね。レンズのボケ味がとても美しく、瞳の強さを引き立たせています。」

E.Sさん撮影
テラウチさん講評
「撮影会では、場所を移動しながら4か所で撮影を行いました。しかしみなさんからの提出作品で集中したのは、この窓辺で寝ているシーン。そんななか、この作品は距離感、切りとり方、撮る位置においてオリジナリティがあると感じました。誰もが思いつかない位置を探し出せたとき、それは個性となります。ぜひ個性を伸ばしていってください。」
H.Sさん撮影
テラウチさん講評
「独自の表現にチャレンジしていてとても好感が持てますね。惜しいのはそれが活かされていないことでしょうか。惜しいと感じたポイントは、被写界深度が浅すぎること、画面の切りとりから目を外したことです。この点に気づいてもらえたら、チャレンジに対する収穫は大きいと思いますよ。」

テラウチマサト
写真家。1954年富山県生まれ。出版社を経て1991年に独立し、これまで6000人以上のポートレイトを撮影。ライフワークとして屋久島やタヒチ、ハワイなど南の島の撮影をする一方で、近年は独自の撮影による映像表現と企業や商品、および地方自治体の魅力を伝えるブランドプロデューサーとしても活動中。主な写真集に、写真をとらえた『F 見上げればいつも』(T.I.P BOOKS)がある。www.terauchi.com

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