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「御苗場」夢の先プロジェクト グループ審査展レポート①

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御苗場でレビュアー賞を受賞したメンバーだけが参加できる「夢の先プロジェクト」。
特別講座の受講後、ニコンのカメラを使って半年間で作品を5点撮り下ろし、
グループ審査展を経てグランプリが決定します。
今回は、「御苗場 vol.19 関西」のレビュアー賞に選ばれた
メンバーたちが、先日のグループ審査展で発表した、撮りおろし作品をご紹介します。
接戦のうちに幕を閉じた、「夢の先プロジェクト」メンバーたちの作品をご覧ください。

 

ほりともみ title「食」

 

「前回の御苗場で展示した作品の続きにしたくて、日常と非日常を重点置いて考えました。5枚全体で1つの作品として見てもらおうと考えました。

左から順に見ていくと、少しずつ絵に関連性があるようにしています。最初は部屋の中での撮影も考えましたが、世界が狭すぎると感じたので、外で撮影することにしました。

この地面は、前回の写真で食べ物を吊るしていた場所の真下なんです。写真を撮るうえで大切にしていることは、

1.人を選ばない面白さ、2.色のインパクト、3.予想外。人の裏をかく「してやったり」感が面白いと感じています」(ほりともみ)

大田綾花 title「ロスト・バージン」

 

「この5枚の作品で〝美〟を最大限に表現しました。被写体の彼女への美、私の中にある美を表しました。彼女は自分のことをレイラと呼び、私が大学生だった2年前に出会いました。彼女は人に賛同される生き方はしていないし、彼女のすべてをわかることはできません。

でも〝自分自身を愛している〟とはっきり言いきる、彼女の生きざまに、私は彼女の美を感じました。そして今の私を彼女に重ね、真摯に真正面に向き合い、この作品を撮りました。

いちばん念頭に置いているのは、彼女をわかって、伝えたいということ。私は彼女の環境を変えることはできない。ただ、見る人に何かを与えられたらと思っています」(大田綾花)

清水貴子 title「ふすまの松」

 

「日本にはいたるところに松の木があります。なぜだろうと思いを巡らせていたところ、ふと祖父母の家のふすまに松が描かれていたことを思い出しました。それから幼少の頃の記憶が次々と蘇ってきて、作品にしてみようと思いこのような形になりました。

祖父母が亡くなって10年以上たち、現在は空き家になっている赤い屋根の家は天竜川を見下ろす森林が豊かな高台にあります。幼少の頃は、お正月や夏休みなど何かと従姉妹たちが大集合して、そこで過ごした思い出がたくさん詰まった場所です。そこに泊まるときはいつも、松が描かれたふすまのある部屋で寝ていました。

朝になるとニワトリの鳴き声が聞こえ、しんとして冷えた空気に湿った土やスギやヒノキの匂いがしました。目が覚めるとまず、ふすまの松が目に入り、蝉の声と何かの鳥の鳴き声が聞こえます。今思えばハトか何かだったと思いますが、当時はどんな鳥の鳴き声だろう、きっと見たことのないようなすごい鳥がいるに違いない!といつも思っていました。そして、ついにすごい鳥を目にすることはありませんでしたが、そこにいたであろう鳥たちをその世界に入り込んで写真に収めてみました」(清水貴子)

箱入り息子 title「箱入り息子~箱入り娘といっしょ編~」

 

「箱入り息子を始めたきっかけは、5年くらい前に写真の専門学校に通っていて、授業で「箱と私」というテーマの課題が出たことです。当時すごく大好きだった女性に対しての愛のメッセージとして、箱に「拾ってください、18歳、雄」と書いて、捨て犬みたいな感じに自分を見立て、雨の中に捨てられているのを自撮りしたのが始まりです。

その時、僕は写真の中で自分らしさを探していた時期だったので、合成したりフィルムをやったり、いろんなことをしていたのですが、「箱と私」の写真の評価が高かったので、これが自分らしい表現なのかと思い、それから箱入り息子になっていきました。

もともと僕は人見知りで高校までの生活の中であまりうまく自分の言葉で話すことができなかったのですが、「箱と私」という課題で、自分のことをしっかりと別の人に伝えられたような気がしました。写真を使ったら伝えられるんだと思い、それが自分の写真らしさなのかなと思って、伝えたい気持ちを箱に入って伝えています」(箱入り息子/佐々木健人)

Minako Endo title「私たちの間にある旋律は」」

 

「2009年に母が亡くなり、その喪失感をどう乗り越えていったらいいかを模索して撮っています。写真に写っている弟は、母の死から少し時間がたった2014年の夏くらいから撮り始めました。

弟とは、母を亡くすという同じ経験をしているけど、撮れば撮るほど、私と弟は別の人間で、全く違う思いを抱えている個人なんだということを痛感することが多くありました。

そして、母を亡くしたという出来事が何か特別な意味があるのではないかとずっと考えていて、それを探したいと思っていましたが、それも撮っていくうちに、母の死というのは私にとっては大事件でしたが、一個人の死というのは、世の中にとてもありふれたことであって、世の中的に特別なことはないという経験もしました。

以前は弟が大きく写っている写真が比較的多かったのですが、だんだん今生きている土地や風景に感情を乗せて撮るということが多くなってきました。

私という存在は、母の死や弟との関係、生まれ育った土地などの大きなことだけではなく、日々の本当にささいな出来事や関係性の積み重なりでできていて、日々影響を受けて変わっている。自分の中のその変化を肯定的に受け入れていきたいと思い始めてきました。

そうすれば、母の死というすごく悲しくてどうしていいかわからなかった出来事も、整理がつく。いまは、その時々で自分に影響を与えてくれるものを、作品に撮っています」(Minako Endo)

 

このメンバーの中から「御苗場」の夢の先プロジェクト
第11弾グランプリ・ニコン賞に選ばれたのは…

 

御苗場2018開催!

御苗場2018
日程:2018年3月1日(木)~4日(日)
会場:大さん橋ホール(CP+ PHOTO HARBOUR内)

■先行募集開始:2017年11月15日(水)正午 ※
■一般募集開始:2017年11月25日(土)正午
※先行募集は、これまで御苗場に3回以上出展された経験のある方がお申込みいただけます。
お申込み受付は、WEBサイトにて行います。


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