編集部員がお勧め! コレ行くべき!
週末写真展&イベント情報 


《招待》1955年 高知県立美術館所蔵 ©Okanoue Toshiko

週末、プライベートで出かける写真展の情報探しにいそしむ編集部の面々が、
おススメの写真展やイベント情報、写真集情報をご紹介します!

編集B
3、2、9、3、2、9…
編集C
何、その暗号?
編集B
次のお正月休みまであと329日! ファイっと―!
編集D
いくら何でも先過ぎやしません? とりあえず目先の楽しい予定を立てましょうよ…。
編集E
広川泰士さん、広川智基さんの初の親子写真展「―水についての幾つかのことー」が渋谷で2月4日(日)まで開催中ですよ!行って来たら?
編集A
広告写真、TVコマーシャルで活躍する一方、作品が世界中の美術館に収蔵されている広川泰士さんと、ポートレイトやファッション、テレビ番組のスチール撮影などさまざまな仕事のほか、先日、写真集『密雨』を発表するなど作品制作も精力的に行う智基さん。

surface of the pacific#2 © Hirokawa Taishi


阿仁#1 © Hirokawa Tomoki

編集D
ふだん、テーマも被写体も違う2人が、「水」という共通のキーワードで作品を選び、展示しているんですよね。水といっても海や雨、雪などいろんな形があるし、親子の作風の違いや共通点についても、つい考えちゃうな。
編集C
同じ親子でもいろんな関係があります。次の写真展はあざみ野フォト・アニュアル「金川晋吾 長い間」。横浜市民ギャラリーあざみ野で開催中です。

father/2008年 © Kanagawa Shingo

編集D
2016年に青幻舎から出版した写真集『father』が話題になりましたよね。失踪を繰り返す実の父親を2008年から撮影したもの。
編集A
金川さんにとって失踪する父親が「不在」の時間も多いのだろうけど、写真で我々はお父さんと会えている。なんだかとても不思議な気持ち。
編集E
今回は、本作と同時並行で2010年から撮影していた、20数年失踪していた伯母(実父の姉)を撮影し続けた写真シリーズも一緒に展示されるようです。

Kanagawa Shizue/2015年 © Kanagawa Shingo

編集C
目の前からいなくなってしまう人といなくなられた人。双方の人生や日々の生活に思いを巡らせながら、見てしまいそうですね。
編集A
私からもおすすめをひとつ。銀座ニコンサロンで開催中だった奥山淳志さんの写真展『庭とエスキース』が、大阪ニコンサロンに巡回します。約20年間、撮影し続けてきた、北海道で自給自足の生活を営む知人の弁造さんが亡くなって、彼の庭とエスキース(スケッチ、下絵の意)の写真を組みにして展示されている写真です。

© Okuyama Atsushi

編集A
弁造さんが写ってなくても、美しい佇まいの庭が弁造さんという人間を物語っているよう。もとは見知らぬ他人と、写真を通してこんなに長く、深く、心を通わせ続けることができるってすごいなと思う。この作品がなければ弁造さんのことを我々が知ることはなかった。人生の大切な場所を覗かせてもらったような気がしましたよ。
編集C
あっと! 忘れちゃいけない、「雑草」を追いかけて世界を旅した写真家がいますよ。
編集D
資生堂ギャラリーで開催されている渡邊耕一さんの『Moving Plants』展ですね。「イタドリ」と呼ばれる雑草の茂みを、世界各地に赴き撮影した作品。

「Moving Plants#406」ライデン大学付属植物園、オランダ © Watanabe Koichi

編集E
「イタドリ」は、約200年前にシーボルトが園芸用として日本からヨーロッパに持ち出し、その強い生命力で瞬く間に世界中に繁殖し、生態系を変えるほどで問題になっている雑草でもありますよね。
編集A
銀座中央通りを新橋方面にまっすぐ行くと資生堂ギャラリーがあるんだけど、本当に華やかな目抜き通りで。数々のデパートやブランドショップ、最近でいえば、巨大な宝石箱のようなGINZA SIXが話題。
編集A
観光客でにぎわう資生堂ビルの1階からギャラリーがある地下への階段を降りると、急にどこか別の場所へワープしてしまったような感じになる。自分もどこか茂みの中に分け入っているような気持ちになったのが面白かった。
編集D
最初は園芸用として持ち出された「イタドリ」の美しさと、生態系を変えてしまうほどの生命力で世界中に広がってしまった恐ろしさを感じました。渡邊さんがイタドリを見つけたほんの偶然が、最終的にはこんなに壮大な旅に発展した写真家の執念を感じます。

「Moving Plants#811」アールスメール花市場、オランダ © Watanabe Koichi

編集D
私も旅したい! 有給休暇ください、有給休暇!
編集C
ずるい! 高知に行く気でしょ!?
編集D
ばれました? 高知県立美術館の『岡上淑子コラージュ展 ―はるかな旅』は見逃せないよね。1928年高知市生まれ、東京の世田谷で育った岡上さんは、1950年に文化学院デザイン科に入学したころから、雑誌「LIFE」や「VOGUE」などの洋雑誌を切り抜いてコラージュを始めた方です。

《はるかな旅》1953年 紙・コラージュ 高知県立美術館所蔵 © Okanoue Toshiko

編集E
美術史家の瀧口修造さんに認められ、さまざまな展覧会も開催して注目されていましたが、1957年に結婚を機に引退。2000年に44 年ぶりの個展『岡上淑子 フォト・コラージュ―夢のしずく―』(第一生命南ギャラリー)が開催されたことで、再発見された写真家ですね。
編集C
海外のライフスタイルが描かれていた雑誌には、20代の女性の夢や憧れがたくさん詰まっていて。ワクワクしながら洋雑誌のページをめくり、切りとってコラージュしていた気持ちが伝わってくる。

《陽気なリズム》1952年 高知県立美術館所蔵 © Okanoue Toshiko

編集E
素敵なコラージュにうっとり。見るとワルツを踊りたくなっちゃいますね~
編集C
お願いだから美術館で踊って注意されたとき、編集部の名前は出さないでね。
編集A
まあまあ、有給休暇もいいけど、3月1日(木)~4日(日)はダメだよ。横浜・大さん橋ホールで「御苗場2018」が開催されるから。その御苗場に、過去出展してくれた写真家の展示が開催中ですよ。
編集C
ひとりは、塩原真澄写真展『果物を育てて』。新宿のエプサイトで2月2日(金)~2月15日(木)まで開催されます。

© Shiohara Masumi

編集A
塩原さんは長野で果樹園を開かれていて、モモ、ナシ、ブドウなど自ら収穫した果物をボタニカルアートのように撮影しています。作品のすばらしさもさることながら、被写体の果物からつくっていることを考えると、クリエイティブすぎる!!
編集E
そして、もうひとりは、ミラージュ・ギャラリーで開催中の石井陽子写真展『LIFE』。2015年に写真集『しかしか』を出版された「しか写真家」です。
編集C
『しかしか』は、街中を闊歩している鹿の様子が、意外性があり面白い写真集でしたが、今回は奈良の自然の鹿をとらえていて、光がとても美しい写真です。神の使いという言葉がぴったりというか。

© Ishii Yoko

編集E
いやー、今年も観たい写真展多くて困るなあ…
編集B
心配ないっス! まだ329日あるんで!

広川泰士・広川智基 写真展『―水についての幾つかのことー』

名古屋、京都、宇部を巡回し、東京でラストとなる親子2人展。「循環の輪は、遠い過去から未来まで、無数の(今)という瞬間で繋がっている。命もまた、水のように姿を変えながら、その輪の内を、ずっと巡って行くのだと思う」(展覧会案内文より)

surface of the pacific#2 © Hirokawa Taishi


阿仁#1 © Hirokawa Tomoki

広川泰士・広川智基 写真展『―水についての幾つかのことー』
tokyoarts gallery
会期:開催中~2月4日(日)まで
時間:12~20時(最終日~18時まで)※月休み
住所:東京都渋谷区東2-23-8
https://www.tokyoartsgallery.com/

<同時開催>
MARUNOUCHI WINDOW GALLERY
会期:開催中~2月13日(火)まで
時間:11~21時(日・祭日~20時まで)
住所:東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内 Bld.1F

あざみ野フォト・アニュアル「金川晋吾 長い間」

東京藝術大学在学中より写真に取り組み、2010年に三木淳賞を受賞。本展では、理由なく失踪を繰り返す父親を2008年から撮影した写真と、20数年失踪していた伯母(実父の姉)を2010年から撮影した両シリーズを中心に未発表も含め展示されている。

father/2009年 ©Kanagawa Shingo

あざみ野フォト・アニュアル「金川晋吾 長い間」
横浜市民ギャラリーあざみ野
会期:開催中~2月25日(日)
時間:10:00~18:00
住所:神奈川県横浜市青葉区あざみ野南1-17-3
会期中無休
http://artazamino.jp/

奥山淳志写真展『庭とエスキース』

北海道で自給自足をしながら生活していた井上弁造さんと20年前、25歳の時に出会い、撮影を続けていた作者。弁造さんが6年前に92歳で亡くなってからも、その美しい庭と遺品のエスキース(下絵)を写しながら、「生きること」について考えた作品。

©Okuyama Atsushi

奥山淳志写真展『庭とエスキース』
大阪ニコンサロン
会期:2月22日(木)~2月28日(水) 日曜休館
時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
住所:大阪府大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
http://www.nikon-image.com/activity/exhibition/salon/

渡邊耕一写真展『Moving Plants』

北海道の風景を撮影する中で偶然出会った「イタドリ」。この雑草の生態をリサーチし、イギリス、オランダ、ポーランド、アメリカなどを旅しながら撮影した作品。大判カメラによる迫力の作品に、ドキュメントフィルムや、貴重な資料も展示されている。

「Moving Plants#503」シアトル、アメリカ © Watanabe Koichi

渡邊耕一写真展『Moving Plants』
資生堂ギャラリー
会期:開催中~3月25日(日)
時間:平日11~18時 日・祝 11~18時
毎週月曜休(月曜日が祝日にあたる場合も休館)
入場無料
住所:東京都中央区銀座8-8-3東京銀座資生堂ビル地下1階
http://www.shiseidogroup.jp/gallery/index.html

『岡上淑子コラージュ展―はるかな旅』

「幻のコラージュ作家」として話題を集める作家の回顧展。1923年高知市生まれの岡上が主に1950~1956年のわずか7年間に、進駐軍が残した洋雑誌を切り抜き、貼り合わせた約140点のコラージュ作品を制作。国内に所蔵されている約110点が展示されている。

《招待》1955年 高知県立美術館所蔵 ©Okanoue Toshiko

『岡上淑子コラージュ展―はるかな旅』
高知県立美術館
会期:開催中~3月25日(日)
時間:9~17時(入場は16時30分まで)
会期中無休
住所:高知県高知市高須353-2
https://moak.jp/

塩原真澄写真展『果物を育てて』

長野県塩尻市で果樹園を営み、一流レストランや青果店、洋菓子店から高い評価を受けている作者。自ら育てた果物を、古典的な植物細密画(ボタニカルアート)をヒントに、キャンバスシートや羊皮紙などプリントにもこだわって制作した作品。

© Shiohara Masumi

塩原真澄写真展『果物を育てて』
エプソンイメージングギャラリー エプサイト
会期:2月2日(金)~2月15日(木)
時間:10時30分~18時(最終日は14時まで)
休館:日曜
住所:東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビル1階
http://www.epson.jp/katsuyou/photo/taiken/epsite/

石井陽子写真展『LIFE』

4年前の夏、東大寺大仏殿近くの公園で撮影していたときに遭遇したゲリラ豪雨。雨脚が強くなってきた中、一頭の雌鹿が現れ、豪雨で勢いを増した川にためらうことなく飛び込んでいった。小さな自然の中で暮らす鹿たちを愛しく見つめた作品。

© Ishii Yoko

石井陽子写真展『LIFE』
Mirage Gallery (ミラージュ・ギャラリー)
会期:開催中〜2月4日(日)、一部作品を入れ替えた『しかしかLife』を2月7日(水)~2月18日(日)に開催
時間:12~18時
住所:兵庫県神戸市中央区北長通3丁目9-10 青柳ビル303号室
休廊:月、火、祝
※2/3(土)18時~アーティストトーク
http://miragegallery.jp/wp/