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HOW TO / 作品制作のヒント

PHaT PHOTO CONTEST(PPC) Vol.100座談会講評


5位「Street life」畠山雄一郎(宮城県・35歳)

山岸2位/計6pt/自由部門/プリント応募

―続いて5位は、自由応募で畠山 雄一郎さんの「Street life」。山岸さんが2位に選ばれました。

山岸 この作品に対してはダークなものやポップなものであることを基準に選びました。朝なのか、夜なのか。このような写真って撮れそうで撮れない。偶然にも人が自転車で通り抜けていくことで臨場感が出ています。有料駐車場の文字が横文字だったらもっと違う印象の写真になっていたかもしれない。

テラウチ 僕は逆に色が気になりました。たとえば、モノクロだったらどうだったのかなと。自転車のブレている感じがあっていいなと思ったのですが、通りがかるシャッターチャンスを待っていたために、バイクに貼られたシールが溶け込んでいないように感じました。

山岸 その乱暴さがいいと思いますよ。これを整理して撮っていくとこの画は成立しないですね。なんてこのとない街がカラー写真であることで、ダーティに見えたりするのではないですか。

テラウチ 確かに、日本じゃない印象は受けますね。ひとつアドバイスとしては、左側のバイクに気をとられてしまい印象が強すぎるのと、右側の躍動感に対して静止しているので、左右の被写体と背景のバランス、つまりカメランアングルを変えていけばより良くなったと思います。

佐藤 はじめに見たときの印象としては散漫な感じがしました。印象としてあまり入ってこなかったです。でも私は、写真を見た人それぞれがストーリーをつくれるということが、いい写真の条件のひとつなのだと思っていて、そういう意味ではこの写真はいいなと思いました。

 

5位「Dangerous flight」竹嶋亮太郎(福岡県・49歳)

テラウチ2位/計6pt/テーマ部門/オンライン応募

―同列の5位は、テーマ応募による竹嶋亮太郎さんの「Dangerous flight」。テラウチさんが2位に選ばれました。

テラウチ よく見つけてきたなと思いました。有刺鉄線だけをうまく切りとることで爆撃機に見えてくるような気がして。本当は平和な風景なんだけれど。背景にボケている飛行機がまるで、戦争反対と言うかのようなイメージも受けました。飛行場で飛行機を撮る人が多い中で、自分のものとして仕上げて撮ったところが面白いなと思いました。色味も青っぽくなっていて、有刺鉄線のとげをどこに入れるか、飛行機との位置やボケ具合もいいと思います。

佐藤 私は、なんだかよくわからない抽象的なかたちにしてしまったら、逆に面白いのではと思いました。少しつくりすぎてしまったような感じがします。

山岸 飛行機を撮り飽きてしまって、違う撮り方を探して撮ってみたのではないですか。よく見ると単純な被写体なんですが、見ればみるほど不思議です。

 

7位「冬の桜」田中裕之(京都府・54歳)

テラウチ3位/計4pt/自由部門/ポジフィルム応募

―続いて7位は、自由応募で田中裕之さんの「冬の桜」。テラウチさんが3位に選ばれました。

テラウチ 桜が満開のときにはみんなも同じようにシャッターを切りますが、枝ぶりから桜の満開をイメージして撮るということはあまりない。なるほど、桜は満開のときにだけ撮らなくてもいいんじゃないかと思わせられましたね。

山岸 フィルムカメラで撮影されたようですが、いまデジタルカメラで撮ったらこのような写真にはならないですよね。ここまで大きく引きで撮れるのであれば、枝を揺らしてみるとか、ズームレンズで寄ってみるとかいろいろな表現方法を試してみても良かったと思います。

佐藤 見たことのあるような写真に見えましたが、月の位置が面白かったり、きれいだなと思いました。実際もとてもきれいだったと思います。美しい風景ですが、一歩先に一緒に感動できるものが伝わってくるとより良かったですね。

 

7位「travel emotion」奥田晃介(京都府・37歳)

山岸3位/計4pt/自由部門/オンライン応募

―同列の7位は、自由応募で奥田晃介さんの「travel emotion」です。山岸さんが3位に選ばれました。

山岸 バスの中ではなかなか後姿しか撮れないと思いますが、まるで映画のワンシーンのような切りとり方と光の加減がとても良くて、私は好きな写真です。色のインパクトがあって不思議な印象を持ちました。

佐藤 スーパーリアリズムの絵画のような写真ですね。

テラウチ なんでこのような色にしたのか気になります。写真の色味で写っているのが老夫婦とわからないですね。

佐藤 一見、老夫婦とわからない、だけど生きてきた哀愁が漂っていると思います。色のインパクトが生きていますね。

山岸 いい味が出ていますよね。

 

9位「鯉跳ねる」崎田憲一(東京都・66歳)

テラウチ特別賞/計3pt/自由部門/プリント応募

―続いて、9位の作品です。崎田憲一さんの「鯉跳ねる」。テラウチさんが特別賞に選ばれました。

テラウチ 映り込んだ鯉を撮ったとありますが、もしそうだとしたら大胆で素敵な切りとり方だと思いました。よくこんな場面を見つけたなと。黒い車の映り込みは見たことがあるけれど、白い車でもここまで映り込むのですね。とてもきれいです。

佐藤 映り込んでいるものは面白いけれど、最初はなんだろうとわからなかった。そこの弱さがあるのかもしれません。

山岸 日本的でいいと思いました。写真なのか絵なのかわかりませんね。


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