日常に隠れている美の発見 写真家・佐藤倫子インタビュー


TALK&PHOTO:佐藤倫子(さとうみちこ)

東京都出身。東京工芸大学短期大学部 写真技術科卒業。株式会社資生堂 宣伝部入社。退社後フリーランスに。写真家として都内中心に個展・グループ展を開催し、講座、セミナーなどへも活動。主に化粧品などの広告写真を撮り続けてきたことが基本となり、作品にも「美」のある写真をつくり続けている。また内面からの美しさも追求しており、太極拳のインストラクターの資格も取得。公益社団法人 日本広告写真家協会(APA)正会員。www.rin-photo.com

TEXT:吉羽さおり

今回は、「日常に隠れている美の発見」というタイトルでお話したいと思います。わたしのキャリアは資生堂の宣伝部という、美を追求する王道のような場所からはじまりました。そこで2年間アシスタントをしながら写真の技術を学び、その後1年間フォトグラファーとして会社に残ったんです。3年しかいなかったので、いままでそれほど自分のなかで意識もせずにきたんですが。ここにきて改めて、美というものが自分の原点にあると感じて作品をつくっています。

ずっと広告の仕事をしていたので、この頃の写真は4×5のカメラでフィルムで撮っていました。いまのようにレタッチをしたり、デジタル的なものを利用せずアナログの世界でスタートしたので、作品もその形でやるようになっていました。上の作品は、いまではインテリア等で使われる多肉植物です。はじめて見たとき、民家の軒下であまり大切にされてない感じであって。名前も知らない植物でしたが、太陽に向かって花や茎がにょきにょき成長していく、その生命力の力強さに感動して、撮り続けてきた作品です。若い頃の作品なので、技術的な面でアナログの楽しみ方をしたくて、何回もシャッターを切ったりしました。1回目はノーマルに切って、2回目は全体を青に調整して撮って、3回目はちがうライトを入れて撮ったりとか。4×5のカメラは、前板と後ろ板の調節でいろんなふうにピントを動かせるので、オーソドックスに1回のシャッターだけで撮るより、何度もそういうことを重ねながら撮ることでひとつの作品ができるのを楽しんだり、写真の構図を学んだ時期だった気がします。どういうふうに見せたら面白いか。ピントの合わせ方やボケの位置を、どういうふうに見せるとひとつの作品になるのかをつねに考えながら撮っていた時期でした。