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日常に隠れている美の発見 写真家・佐藤倫子インタビュー


いままでお見せしたのが、自分でライティングをして光をつくり上げて、自分の好きな空間をつくった作品ですが、外での作品をつくることになって。作品撮りをしていたあるとき、美しいグラデーションの景色を見たんです。広告の写真を撮りはじめてからずっと、どうして光がうまくつくれないのかと格闘していた自分が、まったく敵わない自然の光を見たとき、フリーズをしてしまったんです。こんなに美しい自然の光があるんだと。それなら、外に行けば自分の好きな光やライティングをしている場所がいっぱいあるんじゃないの?って感覚にもなってきて。その延長で、街に出てみようとなった。2013年の6月には外で撮った作品をまとめ、「HOPSCOTCHINGS」シリーズとして個展をやりました。

お見せした作品は、何も特別なものを撮ってるわけでも、特別につくって撮っているわけでもありません。美というのは、日常の小さなことで発見できるんじゃないかなと思います。写真を撮られている方は、今後そういうことを意識しながら目線を向けることで、昨日とちがう写真が撮れたり、昨日とちがう光や影を感じたりができるんじゃないかなと思います。撮るより見ることが好きな方も、ちがった目線で、日常のなかでこれがきれいだなとか、季節の変わり目とか、光の加減、匂いを感じて美を探していくのも素敵なことだと思います。


STORY TELLER / 写真家達の物語 vol.37

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