TOKYOGRAPHIE オープニングプログラムにて、林道子写真展『Hodophylax ~道を護るもの~』を開催!


狼の恩返し, 2017, ⒸMichiko Hayashi / Hodophylax – The Guardian of the Path

今年も京都のまちを写真で彩った、KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭。見逃した!という方にぜひお勧めしたいのが、京都国際写真祭の特別展TOKYOGRAPHIEだ。2018年10月26日(金)~12月25日(火)まで、KYOTOGRAPHIEで展示されていた作品が都内各所で見ることができる。

また、10月26日(金)から11月8日(木)までのオープニングプログラムとして、深瀬昌久写真展『総天然色的遊戯』、林道子写真展『Hodophylax ~道を護るもの~』、関健作写真展『GOKAB ~HIPHOPに魅了されたブータンの若者たち~』、KYOTOGRAPHIEこども写真コンクール2018優秀作品の4写真展を、FUJIFILM SQUARE(六本木)にて開催。

本記事では、インターナショナル・ポートフォリオレビュー2018 FUJIFILM AWARD大賞を受賞した林道子さんの『Hodophylax ~道を護るもの~』を紹介したい。

三峯神領民家, 2017, ⒸMichiko Hayashi / Hodophylax – The Guardian of the Path

『Hodophylax ~道を護るもの~』は、ニホンオオカミと狼信仰をテーマに、獣としての狼の存在と痕跡を奥秩父から奥多摩の山域に探りつつ、山に暮らす人々の間に伝わってきた狼にまつわる民話や伝承を視覚化するように試みた作品。

100年以上前に絶滅したといわれているニホンオオカミに興味を持ったのは、2012年に放映されたNHKのTV番組を見たことがきっかけだった。

「初めて日本の山の中にオオカミが棲んでいたことを知り、日本の自然の猛々しい側面を突きつけられたような気がして衝撃を受けました。日本の山里にはオオカミを山の神のお遣いと捉えて崇めるオオカミ信仰が根付いていて、今でも目撃情報や体験談が各地であるとのこと。さらに、ニホンオオカミを探し続けて40~50年という大変情熱的な男性が今も秩父に通いつづけていることを知って、とても驚き興味を持ったのが始まりです」(林道子、以下同)

その後、2014年にReminders Photography Stronghold(以下、RPS)で開催された「プロジェクトの発展」というワークショップに参加。そこで、日本人の自然とのつながりと断絶を大きなテーマに、日本で絶滅してしまった動物のことを取り上げようと考えた。
狼の眼の話, 2017, ⒸMichiko Hayashi / Hodophylax – The Guardian of the Path

現在はいない動物を視覚的に伝えるために、動物園で写した狼の写真と江戸~明治時代のニホンオオカミが生きていた頃の絵を組み合わせてキービジュアルにするアイディアを思いついたところから、このプロジェクトが始まった。

そして2016年に参加したRPSの手製本写真集制作ワークショップ「Photobook as object」にて制作した作品が、KYOTOGRAPHIEインターナショナル・ポートフォリオレビュー2018 FUJIFILM AWARD大賞を受賞。木箱入りの2冊組の写真集で、2冊それぞれの内容に合わせて製本と紙質も変えている。

「姿の見えない獣を表すプロジェクトだからこそ、木の質感や紙の手触りなど、リアリティを感じる素材感を大事にしています。また、かつて確かに日本にいた獣ということを伝えるために、私自身が撮影した写真だけでなく、江戸~明治時代の絵画や古い写真、資料なども、使用許諾をきちんととって使用しています」

本展覧会では、写真集で表した姿の見えない獣の存在を、展示空間に置き換えようと試みている。ニホンオオカミのものと伝わっている毛皮や頭骨など、オオカミの遺品と言えるものは、ほぼ原寸大のサイズで展示される。
ニホンオオカミの頭蓋骨(個人蔵), 2017, ⒸMichiko Hayashi / Hodophylax – The Guardian of the Path

ニホンオオカミの上顎骨(個人蔵), 2017, ⒸMichiko Hayashi / Hodophylax – The Guardian of the Path

「実際はどんな姿だったのか…想像力を膨らませていただけたら幸いです」。

展示壁面にはキャプションはなく、会場配付用に作品目録を兼ねたリーフレットが設置されているとのこと。リーフレットを手に取り、それぞれの作品の背後にある狼の物語の世界へいざなわれよう。

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 SPECIAL EDITION
TOKYOGRAPHIE オープニングプログラム

1.深瀬 昌久 写真展「総天然色的遊戯」
2.林 道子 写真展「Hodophylax ~道を護るもの~」
(インターナショナル・ポートフォリオレビュー2018 FUJIFILM AWARD大賞受賞作品)
3.関 健作 写真展「GOKAB ~HIPHOPに魅了されたブータンの若者たち~」
(インターナショナル・ポートフォリオレビュー2018 FUJIFILM AWARD特別賞受賞作品)
4.「UPはどこ? Which way is Up?」
(KYOTOGRAPHIE こども写真コンクール2018 大賞作品展)

日程:2018年10月26日(金)~11月8日(木)
開館時間:10:00~19:00(最終日14:00まで・入場は閉館10分前まで)
会期中無休
FUJIFILM SQUARE

TOKYOGRAPHIE メインプログラム

1.小野規 
11月21日(水)~12月21日(金)
アンスティチュ・フランセ東京

2.ギデオン・メンデル 
11月23日(金・祝)~12月14日(金)
FUJIFILM SQUARE GALLERY X

3.リウ・ボーリン
11月23日(金・祝)~12月9日(日)
BLOCK HOUSE

4.顧剣亨(こ・けんりょう)
11月24日(土)~12月22日(土)
GALLERY WATER

5.ジャン=ポール・グード
11月28日(水)~12月25日(火)
シャネル・ネクサス・ホール

6.宮崎いず美
12月1日(土)~12月25日(火)
BMW GROUP TERRACE – DEAN & DELUCA CAFE –

詳細はWebサイトにて

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