PROFILE
小島康敬 Yasutaka Kojima
1977年東京生まれ。国学院大学文学部卒業、2006年に渡米。International Center of Photography, General Studies Program卒業。在学中、ICP Director’s Scholarship Award受賞。文化庁・新進芸術家海外研修制度、2011年度研修員。2012年、Photo Espana “Descubrimiento photoespaña“ 選出アーティスト。2015年、ベルリンのクンストラーハウス・ベタニエン・レジデンシー・プログラムに参加。近年の個展に『Unconscious | Berlin』(Place M、2020年)、『Berlin』(銀座ニコンサロン、2017年)、『Tokyo』(銀座ニコンサロン、2016年)、『Tokyo | Berlin』(クンストラーハウス・ベタニエン、ベルリン、2016年)、グループ展に『東京好奇心2020』(Bunkamura ザ・ミュージアム、2020年)、『写真の時間』(東京都写真美術館、2019年)など。現在、ベルリン在住。
INTERVIEW
中今|Berlin
最先端の量子理論によると、時間は存在しないという。
過去、現在、未来は同時に存在し、時間は過去から未来に流れるのではなく今しかない。そして、この世は3次元でなく11次元の多次元構造体だそうだ。
古神道には「中今」という言葉がある。中今とは、時間的な「今」の意味に加え、空間的中心の要素も持ち合わせる。時間は、時の流れの循環で一つの円であり、終始が同時存在し、無限に円環をする「永遠なる今」なのだという。
どうも私たちが知る時間の流れは一直線ではないようだ。仮に、時間が一瞬で過ぎ去るものでないとすると写真家はこの世界の何を写しているのか?過去や未来への執着から解放された意識は、より立体的な今へと向かい、古くならない過去を記録し、来たるべき未来に懐かしさを覚えるだろうか。