PROFILE
高杉記子 Noriko Takasugi
アイデンティティ、土地などをテーマに、ポートレートを中心とした作品を制作。東日本大震災後、福島に通い続け、地元の人々と交流しながら作品創りをしてきた。「Fukushima Samurai」で、Photoquai ビエンナーレ 2015 招待作家(国立ケ・ブランリー美術館/パリ)、Insight: Asian Women Photography Exhibition 2018の招待作家(Xie Zilong Photography Museum/中国・⻑沙)、草間彌生を撮影したポートレートでTaylor Wessing Photographic Portrait Prize 2015(ナショナル・ポートレートギャラリー/ロンドン)展示作家など、これまでの作品は国内外9カ国で展示、 New York Times, Independent、Le Monde、TIME、朝日新聞、Harper’s BAZAAR、Wired.com 等掲載多数。ロンドン芸術大学MA Photojournalism & Documentary Photography at London College of Communication 、早稲田大学人間科学部(臨床心理学専攻)卒業。
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INTERVIEW
むすひ musuhi
あの震災と原発事故の直後、なぜ、人々はたくさんの命と大切なものを失った中、避難先から集まり、馬に乗って歩み、神事を行ったのだろうか。歴史を遡ってみて、天保5年に疫病が蔓延していた年、明治維新で国内が混乱していた年にも、規模を縮小して野馬追の神事を執り行っていたことを知った。史上最小規模で神事のみを行った、昨年のコロナ禍の野馬追も記録した。命は、生まれ、生きて、いつかは消えるが、何かを残しつながっていく。
多くの神を生む「むすひ」の神は、命の連続性も表している。
薄れていく、大地の記憶。姿を変えていく風景の中、1000年もの間、どんな状況でも、人々は祈りをつないできた。今年も、祭りと共に私たちはこの地の安寧を願うのだろう。