関西御苗場2018 山口晴久選出 受賞者インタビュー<山本優花>
2018年9月14日(金)~9月16日(日)までの3日間、大阪・海岸通りCASOにて開催された日本最大級の写真展イベント「御苗場」。100名以上の写真好きによる個性豊かな展示のなかから選ばれた、作品を紹介します。
本記事で紹介するのは、山口晴久さんが選出した、山本優花さんの作品です。
山本優花 『愁苦辛勤』
山口晴久(写真家) 選出理由
とても悩んだのですが、展示のクオリティとポートフォリオの両方を見て最終的には山本さんを選びました。
「愁苦辛勤(しゅうくしんきん)」というテーマで作品を撮られたとのこと。難しい言葉で、17歳の高校生にしては重いコンセプトだと思ったのですが、実はこの言葉は3000年も前に白居易(はくきょい)という方が、17歳の時につくられたものだそうです。
高校生は子どもだと勘違いしがちですが、昔も今も、大人が思うよりずっと、彼・彼女は思い悩んだり苦しんだりしながら物事に向きあっている。その10代後半の悩みが写真という形できちんと表現できているところを評価して、賞を与えました。
山本優花さんインタビュー
作品のテーマ、コンセプトを教えてください
わからない。
どうして僕は愛されないのか。
色素の失った血液が静かに頬を伝って零れ落ちた。
止まらなかった。
このまま枯れて死んじゃうんじゃないか。
僕はこのまま誰にも必要とされず、愛されることもなく消えてしまうんじゃないか。
僕の気持ちなんて大人にはわからないだろう。
十八をまだ子供だという大人には。
この作品で一番伝えたいことはなんですか?
普通にかっこよく花を撮ったのじゃなくて、心象風景ということ
この作品を撮影することになったきっかけを教えてください
いつもみている花じゃなく、みたことないものが撮りたいと思った。
作品をつくる上で苦労したことはありますか?
水槽を運んだり、絵の具を入れたり、花を持ったり、全てをひとりですることができないこと。
作品に対する熱い思いを語ってください!
花の写真は1人でできた作品じゃなくて、いろんな人に手伝ってもらってできた作品で、周りにいる人がどれだけ必要なことかがわかったこと。
自分のコンセプトで誰か1人でも共感してくれたりしたらいいなと思っています。
今後目指していることなどあれば教えてください。
ファッション雑誌やCDのジャケットの写真を撮れる有名な写真家になること。
山本優花
2000年生まれ、大阪府出身。大阪府立成城高等学校3年生。高校1年生のときに、部活紹介の動画をみてかっこいいと思ったことがきっかけでカメラをはじめる。世紀のダ・ヴィンチを探せ 銅賞、ニッコールフォトコンテスト ニッコール大賞受賞。写真展に「成城選抜写真展やってみたかっ展」「成城選抜写真展 Ambition」など。
作家応援プロジェクトについて
関西御苗場2018・レビュアー賞受賞者には「作家応援プロジェクト」参加権利が与えられます。
2018年3月に横浜で開催された御苗場2018と、関西御苗場2018でのレビュアー賞受賞者の中から、選ばれた「年間最優秀者」1名に、100万円を上限として希望するカメラ、レンズの提供をさせていただきます。
他の受賞者インタビューを読む
>>Wonder Foto Day賞 Chika Usui『わたし かかし をかし』