御苗場2019 来場者が選ぶ作品賞 受賞者インタビュー<にほ>
2019年2月28日(木)~3月3日(日)までの4日間、横浜・大さん橋ホールにて開催された日本最大級の写真展イベント「御苗場2019」。270以上の写真好きによる個性豊かな展示のなかから選ばれた作品を紹介します。
本記事で紹介するのは、来場者が選ぶ作品賞を受賞した、にほさんの作品です。
にほ 『へそ天』
にほさんインタビュー
この作品で一番伝えたいことはなんですか?
東京の野良猫たちの生きる環境はとても過酷です。野良猫が安心して暮らせる場所は徐々に少なくなってきています。そんな中で、地域猫ボランティアさんたちの頑張りもあり、猫たちはたくましく生きています。
普段は警戒心の強い彼らも、安心できる人には心を開き、喉をゴロゴロ鳴らして幸せそうな姿を見せてくれます。そんな存在を知ってほしくて作品にまとめました。
作品をつくる上で苦労したことはありますか?
好きなことなので、あまり苦労とは思っていませんが、2015年にこの場所で撮り始めてから、今でもほぼ毎日通っています。猫好きの常連の方々と親しくし、ボランティア活動にも協力し、猫にも了解してもらって撮影しています。
この場所に行っても必ず会えるわけではないですし、会えば一緒に遊んでいるうちに時間が過ぎて、何も撮らずに帰る日もよくあります。そんなことも含めると、この作品には相当な時間がかかっています。猫写真を撮る方は多かれ少なかれ誰でも同じような経験をしていると思います。
作品に対する熱い思いを語ってください!
幅広く様々な作品がある中で、自分の作品は一目でわかりやすい点が功を奏したのではないかと思います。興味がない人はすぐに通り過ぎるし、好きな人は一瞬で笑顔になる、そんな感じで来場者の反応が大きく分かれていた気がします。来場者が笑顔になればこちらも笑顔になります。
「へそ天」とプリントしたTシャツを着たのも、来場者に気持ちよく見てもらうための工夫です。写真自体はまだ未熟ですが、総合的な見せ方で多くの来場者にご支持いただけたものと思います。
今後目指していることなどあれば教えてください。
大きな賞をいただいたので次が大変かもしれませんが、自分の感覚を信じて好きなことを貫いていきます。今回から始まったテーブル展示にも興味があります。
にほ
神奈川県出身、東京都在住。2008年、LUMIX DMC-G1購入をきっかけに生まれた時から好きだった動物を意識的に撮り始める。写真の基礎を学ぶために、2012年1月にPHaT PHOTO写真教室に入校、2014年12月ハイパークラス卒業。2015年からテーマを身近な猫に絞って撮影を続けている。