パーパン・シリマ(インデペンデントキュレーター)) 選出理由
60以上の応募作品から選んだトップ3の写真家の中で、私が1位に選んだのは、「OHO KANAKO」さんです。私にとっての彼女のモノクロの作品「passed away」は、とてもパーソナルな詩のような作品で、それは不安、痛み、恐怖、悲しみといった様々な感情を美しく表現していて、それでいて母の愛にあふれた作品でした。
家族というのは、よく選ばれる被写体ではありますが、モノクロの作風はこの作品のテーマによく合っていたと思いますし、それらがうまく重なりあって鑑賞者の心を動かす作品に仕上がっていたと思います。彼女の作品は、私が運営するウェブサイト- www.arctribemag.comにて紹介させていただきます。
エリック フローンス(写真雑誌「GUP」総合編集長)) 選出理由
一目見た瞬間に興味をそそられ、その後ゆっくりと問題に吸い込まれていく、ある種の謎に共鳴していくような作品を見ることが私は好きです。親密さというテーマを扱う際にこの事はとても重要で、現実世界でそうするように穏やかなアプローチが必要になります。
ステートメントを読むと、この作品にはある種の重さがあるわけですが、にもかかわらず、鑑賞者が招かれていないだとか、あるいは不快に感じることなく、子供たちと近い距離を感じられる作品である点が素晴らしいと思っています。なぜなら、それは私たちがこの作品の写真家とであるOHO KANAKOさんと同一化し、その視点からこの家族の生活を見ることが許されているからです。さらに、比喩的な要素を加えることで、メランコリーな雰囲気が強調されている点も素敵だと思います。まさに嘘が無い作品のように感じました。おめでとうございます。
続いて、OHO KANAKOさんのインタビューです。撮影のきっかけやコンセプトについてお伺いしました。
OHO KANAKO 『Past away 』