【速報!】関西御苗場2019 受賞者作品&選出理由を発表!
9/13(金)~9/15(日)まで大阪・海岸通りCASOで開催された「関西御苗場2019」。 100名以上の写真好きによる個性豊かな展示のなかから選ばれた、受賞作品と選出理由を発表します!
関西御苗場2019の賞はこちら!
・藤岡亜弥
・姫野希美
・digmeout (谷口純弘・古谷高治)
・山口晴久
・テラウチマサト
■Wonder Foto Day賞
・房彥文 Fang Yen Wen
■スポンサー賞
・エプソン賞
■来場者が選ぶ作品賞
■グループ賞
レビュアー賞
藤岡 亜弥(写真家)選出
T13 岩高伸宏
何枚かの写真を切り重ねることで、1枚のフェイクな都市風景をつくられていますが、それがフェイクにみえず、人間の目の既視感を問うような作品でした。視点が面白い上につくりこんでいて、技術的にもしっかりしています。デジタルの時代において手作業でこの試みを行うことで、写真が重なる手触りを感じながら、まるで写真を読むような面白さがありました。
姫野希美(赤々舎代表)選出
W30 Yusuke Sakai
ブックが素晴らしいなと思いました。身近な人を時間をかけて撮影したシリーズですが、単に彼女を見る、撮るだけでない、互いに向き合っている時間を感じます。写らなかった時間の、その余白を想わせる写真の連なり。人と向き合うことが、自らと向き合うことでもあった、ある厳しさ、寂しさを感じさせる時間が印象的でした。
digmeout (谷口純弘・古谷高治) 選出
T16 山口晋平
山口さんは相当作品制作に悩まれていました。写真家として認められたい、というフラストレーションが溜まっている様子で、今回の展示では写真をぐしゃぐしゃにしたものを並べていました。けれど、自分でそれを伸ばしているんですね。そういう展示をしていたんですが、決して自分を低く見積もることはない素晴らしい写真だと思いました。
Wonder Foto Day賞で選出した房彥文さんも言うように、ブックの構成がとてもいい。編集のセンスがすごくよかったです。何度も繰り返したり、間に内側から差し入れたりするセンスは光っていました。自信を持って作品制作を続けていってほしいです。
山口晴久(写真家)選出
TS01 眞岡 綺音
眞岡さんは、昨年度の年度最優秀賞を受賞されました。その次の作品というのは、大変しんどいものです。グランプリなので非常に期待していて、どんな作品がくるのかと思っていたら、連作をもってきた。前の作品は死生観、いわゆる生き死に。おじさまがお亡くなりになったことと、それから牛が生まれること。輪廻を見事に捉えた作品でした。
今度はどうだろうかと思っていたんですが、全く違うテイストだと感じました。撮られているのは同じ被写体ですが、同じ被写体でも今度は彼女が撮影している「藤井家」が、未来に向かっていくのがひしひしと感じられました。これしかなかったと思い選びました。
それから展示方法もよかったです。壁ではなくテーブルで、なおかつA2の紙を見せるというやり方は斬新でした。大きな写真を捲りながら見せるというのは、あまり触れたことがなかった。実際にA2を捲りながら見ていると非常に面白く、そういった理由で選出させていただきました。
テラウチマサト(写真家/御苗場総合プロデューサー)選出
W45 Tsai Tsu Yun
会場を見ていて、他のレビュアーのみなさんが言われたようにいい作品がいっぱいあり、どれにしようかとても迷いました。ちょうどブース前に彼女がいたので、「この写真を撮った目的はなに?」と聞いたら、「ピンクという色が私は嫌いなんだ」と言われて。「ほとんどの女の子はピンクが好きなのにね」と返したら、何故ピンクが嫌いなのかということをずっと話してくれました。
その話を聞いていくうちに、僕がなんの説明も受けずに作品を見た時に感じていたことと同じだなと気づいて。傷とピンクだったり、スキンとスカイだったり、対象物を意外なものに組み合わせながら伝えようとしていた気持ちがこの写真にすごく表現されていました。いい作品はたくさんあったんですが、今年のレビュアー賞は、彼女にしようと決めました。
Wonder Foto Day賞
房彥文 Fang Yen Wen 選出
T16 山口晋平
山口さんの作品は、テーブルブースでのプレゼンテーションや、また写真集「STAND」の完成度が高く、実験的な試みが面白かったです。また、宇家さんの作品も、テーブルブースでのプレゼンテーションが面白く、特に携帯のカメラで撮影したスナップ写真がよかったです。
2人ともインスタレーションが素晴らしく、ぜひWonder Foto Dayで展示していただきたいと思い、選出しました。
T17 宇家譲二
スポンサー賞
エプソン賞 (エプソン販売株式会社)
T17 宇家譲二
御苗場に参加させていただいて今年で10回目以上。現在カメラの性能も良くなり、全体的なレベルは上がったような印象を受けました。ただ惜しいなと思うところもあります。撮るのはすごく上手なんですが、アウトプットのところで少し興味がなくなっている方が多いかなと。最後まで丁寧に考えられた作品がもっとあると、より優れた作品が出るように感じました。
今回、宇家さんの作品を見て心を掴まれたのは、レイヤー・重なりの面白さ。山の写真で、山の自然風景としての美しさがある中で、重なり合ったところから別のテーマも見えてきました。
なおかつ、作家としての宇家さんもずっと明確なテーマを持っておられて、周りにあるブックにもそれが表れていました。軸となるコンセプトがあり、そしてそれをうまく展開していく写真がしっかりと生み出せている。今回の山だけではなく、次の作品の広がりにも期待が持てるということで選出させていただきました。引き続き素晴らしい作品をつくっていただけるように楽しみにしてます。
来場者が選ぶ作品賞
W41 ちゃんポン
グループ賞
W24 Photo Circle SKIP
受賞されたみなさま、おめでとうございます! 受賞者のみなさんのインタビューも掲載予定ですので、お楽しみに!