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ポートレート好きにお勧めの名作写真集②ジャンルー・シーフ

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ポートレイト撮影は、楽しいけれど難しい。それは撮影技術だけでなく、撮影者のアイディアや人間性が、仕上がりに大きな影響を与えるから。先人たちの有名な撮影エピソードを改めて知れば、「自分はどうする?」そんなワクワクする気づきに出合えるはず!
※PHaT PHOTOvol.92「ポートレイトマイスターに学べ!」号 p.25より抜粋

広角レンズでここまで美しく人物を撮れる。“徹底的”ともいえる美意識

 

ジャンルー・シーフJeanloup Sieff(1933 ~ 2000)
「Jeanloup Sieff :40 Years of Photography」TACHEN 2010 年

1933年、パリに生まれ、1954年にフリージャーナリストとして写真活動を開始したジャンルー・シーフ。1958年までマグナムフォトにも参加し、さらに1959年には世界的にも有名なニエプス賞を受賞した写真家だ。

2次元の写真の中で、光と構図を巧みに操り立体的な印象を与えるポートレイトを数多く生み出してきたシーフ。21㎜の広角レンズを使い、大胆な構図で収めるのが特徴。下着の生地や被写体の肌を覆う産毛などの質感まで細やかに写し撮り、自然な美しさとエロティシズムを感じさせる女性の写真は、1970年〜80年代に絶大な人気を誇った。

つくりこまれた完璧な構図や表現。徹底的に仕上げられたプリントも見ごたえあり

常に反骨の精神を掲げていたシーフは、当時隆盛を誇っていた〝決定的瞬間〞の考えにも完全に共感できなかったという。あえて超広角のレンズを使い、その中で完璧な構図や表現をつくりこみ、プリントも腕の確かなプリンターと共に徹底的に仕上げる。そんなシーフの厳格さが、彼の1点1点の写真から滲み出ている。

text:飯沢耕太郎

ここがすごい!Master’s Episode
21㎜の超広角レンズ、LEICAのSUPER ANGULONを使っていたことで知られるシーフ。ふつうは画面が歪み、構図が不安定になりがちだが、シーフの作品はその歪曲が画面に臨場感を生む。計算しつくされた被写体との距離、構図、ライティングらつくられた写真は、一度見たら見たら忘れられないインパクトと優美さを持ち合わせている。

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