
フォトまち便り「Hello Local」vol.67 萩・見島~鳥居を巡る旅 本村編~
地域の魅力を写真で発信する企画「フォトまち便り Hello local」。
今回は、萩・見島~鳥居を巡る旅 本村編です。
見島(みしま)は、山口県萩市の沖合に浮かぶ周囲18kmの小さな離島で、独自の文化や自然が色濃く残る場所です。
古来より大陸との交易の中継地として防人が置かれ、独特の伝統文化が残っています。
春や秋になると多数の渡り鳥が訪れることから、バードウォッチングの聖地として知られ、対馬暖流の影響により魚介類が豊富で釣りやダイビングのスポットとしても人気があります。
そんな見島の風景の中で特に印象的なのが、点在する鳥居の存在です。
港にむかって佇むものや、大草原の中にポツンと佇むもの、切り立った崖の上にそびえたつものもあり、その独特な風景はまさにフォトジェニック!
見島・本村地区のおすすめスポットを紹介します。
本村港
萩商港から高速船「ゆりや」に揺られること70分。
見島ひとつめの港、本村港にやってきました。


「時を忘れた島」と表現されることの多い見島。
まるで映画のセットのような、どこか懐かしい風景が島のあちこちに広がっています。


~港で人々を守り続ける鳥居~
「ここも! ここも!」と歩みを進めること5分ほど。
早速、1つ目の鳥居を発見!

この鳥居は、斜面に階段状に並ぶ特徴的な佇まいをしており、この先どんな光景が待っているのか、期待が膨らみます。
金毘羅宮の向かいには、住吉神社や稲荷社といった神社も点在しています。


港周辺の鳥居の中でも、ひときわ大きく、港に向かって堂々と佇むのが「見島神社」の一の鳥居です。
一の鳥居が港に面して建てられている様子からも、この島の信仰が海と深い関わりを持っていることが伝わってきます。


境内は、一の鳥居から約300m離れた高台にあり、
そこから望む本村の町並みは、まるで映画のワンシーンのような美しい景色でした。
港周辺を徒歩10分ほど歩くだけでも、いくつもの神社や鳥居に出会える本村地区。
それは、この島の人々が古くから漁業や航海の安全を願い、祈りを捧げてきた証ともいえるでしょう。
~港の様子~
見島では、今も引き網漁や素潜り漁が盛んに行われています。
特に漁獲量の多い「よこわまぐろ」は、
漁獲の翌日には萩市場に上場されるほど、新鮮な状態で流通しています。
海沿いを歩いていると、海女さんが素潜り漁をしている姿に出会うことも。
この海では、サザエやアワビ、ナマコ、黒ウニなどが獲れるそうです。
野鳥が集う場所
見島の豊かな自然を象徴する場所の一つとして、多くの野鳥が飛来する「見島ダム」があります。
もともと見島は降水量が不安定で、水不足が深刻な問題となっていました。
特に、かつて島で盛んだった稲作には大きな影響を及ぼしていたといいます。
そのため、安定した水の供給を実現するためにダムが建設されました。
現在では、特に渡り鳥のシーズンになると、バードウォッチャーたちが集い、
貴重な瞬間をカメラに収めています。
ダムの向こうには、千年以上続くといわれる広大な水田「八町八反(はっちょうはったん)」が広がっています。
田園風景の先に見える青い海は、見島ならではの絶景です。
見島・本村港のおすすめフォトスポットいかがでしたでしょうか。
住民の生活を支える漁業と、人々の安全を願って大切にしてきた神社や鳥居。
安定的な農業を営むために建設された見島ダムと、そこに集う野鳥たち。
人々の営みが景観をつくりあげ、今もなお大切に守り続けられている島、見島。
光景一つ一つが写真に収めたくないような瞬間ばかりの島です。
気になった方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
次回は、宇津地区を紹介します。