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ポートレート好きにお勧めの名作写真集⑥土門拳

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ポートレイト撮影は、楽しいけれど難しい。それは撮影技術だけでなく、撮影者のアイディアや人間性が、仕上がりに大きな影響を与えるから。先人たちの有名な撮影エピソードを改めて知れば、「自分はどうする?」そんなワクワクする気づきに出合えるはず!
※PHaT PHOTOvol.92「ポートレイトマイスターに学べ!」号 p.31より抜粋

文学者、画家、学者、俳優…。日本の歴史や文化をつくってきた著名人たちの『風貌』

志賀潔

 

土門 拳(1909 ~ 1990)
『風貌』アルス 1952 年

土門拳は1935年に名取洋之助が主宰する日本工房に入社し、本格的に写真家としての活動を始めるとすぐに、ライフワークのひとつとして肖像写真を撮影するようになった。

土門の家の襖には、撮りたい人の名前が筆で書き連ねてあったという。その長年にわたる取り組みがようやく実るのは戦後になってからで、1936年に撮影された作家・武田麟太郎をはじめとして、58人の文学者、画家、学者、俳優、音楽家などの肖像写真をおさめた『風貌』が刊行された。

写真でその人の内面に迫り、緊張感が伝わる写真たち

川端康成

小型カメラによるスナップ的な写真もあるが、大部分は大判カメラを顔の前に据えて、その「風貌」の細部をぎりぎりのシャープネスで描写しようとしたものだ。モデルの外形だけではなく、彼らの内面に肉薄しようとする緊張感が伝わる、迫力のある写真が多い。

土門はこの写真集を「第一集」として、文化人だけでなく政・財界の人たちを含む「第二集、第三集」を出すつもりだったが、残念ながらそれは果たせなかった。

text:飯沢耕太郎

被写体に怒鳴られても「あと1枚」と迫ったという土門拳

梅原龍三郎

ここがすごい!Master’s Episode
『風貌』の巻末に収録された「梅原龍三郎を怒らせた話」はとても面白い。土門のあまりにしつこい撮影ぶりに、画家の梅原が怒り心頭に発し、座っていた籐椅子を撮影後に両手で持ち上げ、気合いもろとも床に叩きつけた。その凄まじい音に助手は縮上がったが、土門は平気で、顔のクローズアップを「もう1枚お願いします」と頼んだのだという。

ポートレート好きにお勧めの名作写真集①リチャード・アヴェドン

 

ポートレート好きにお勧めの名作写真集②ジャンルー・シーフ

ポートレート好きにお勧めの名作写真集④アウグスト・ザンダー


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