【写真集】小野啓『暗闇から手をのばせ』
BELLRING少女ハートの軌跡と終焉



日本全国の高校生のポートレイトを撮り続け、2013年に10年間の集大成となる写真集『NEW TEXT』を発表した小野啓。

新作『暗闇から手をのばせ』は、2014年に雑誌の撮影がきっかけで出会ったBELLRING少女ハートのライブに通い続け、2016年の解散まで追い続けたドキュメンタリーだ。

1対1で対峙しながら撮影した『NEW TEXT』は、高校生たちの強いまなざしを中判カメラで静かに写しとったポートレイトだったが、
『暗闇から手をのばせ』は、35㎜フィルムでライブハウスの熱気やこぼれ落ちる汗に反応するように撮影している。

少女たちの全力のパフォーマンスと、止まらない衝動を爆発させるファン。バックステージで見せる年ごろのふるまいや、ライブ後の疲弊しきった素顔。

ページをめくるたびに押し寄せてくるのは、さまざまな人間の感情がごちゃ混ぜになった、得体のしれない大きなエネルギーだ。

過ぎ去ってしまった熱狂と刹那の輝きがどこかにあったことを、本書はつぶさに物語っている。

著者:小野啓
タイトル:『暗闇から手をのばせ』
出版社:silverbooks
解説:沖本尚志(編集者)
装填:森大志郎
価格:4,860円(税込)
仕様:並製本/A5変形/512ページ
URL:http://silverbooks.net/info.html

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