関西御苗場2019 山口晴久さんが選出した理由とは? 受賞&ノミネート作品公開


2019年9月13日(金)~15日(日)までの3日間、大阪・海岸通りギャラリーCASOにて開催された日本最大級の写真展イベント「御苗場2019」。140名以上の写真好きによる個性豊かな展示のなかからレビュアー賞、スポンサー賞などを受賞した作品をご紹介しています。

本記事では、レビュアー・山口晴久さんが選出した作品をご紹介。レビュアー賞受賞作品だけでなく、ノミネート作品も一挙ご紹介します。どんな視点で作品を選出しているのか?コメントをいただきましたので、作品と一緒にぜひご覧ください。

 

ノミネート作品

W34 石戸 俊夫

山口晴久さん コメント
迫力あるモノクロの写真に圧倒させられました。渋谷という場所をどのように見るのか、なぜ渋谷なのか、なぜこの作風なのか、もう一度自分に問いかけていただければ、もっと素晴らしい作品になると思います。

W34 石戸 俊夫 ブース写真
 

W37 速水土岐文

山口晴久さん コメント
人目をひく展示で見せるということのうまさを感じました。しかし、コンセプトが消化しきれていないので、まだ実験的な作品ではないかなと思います。これを続けられるのか、また次の作品に移られるのか、毎回斬新な作品を作られる速水さんの作品、楽しみにしています。

W37 速水土岐文 ブース写真
 

W39 国末 和美

山口晴久さん コメント
作品に空間処理のセンスが感じられました。ボンネットに止まった蝶の写真、うっすらとした蝶の影、見せる写真という意味で評価させていただきました。

>W39 国末 和美 ブース写真
 

T05 藤元 麻未

山口晴久さん コメント
テーブルに隙間なく並べられたアクリルの作品、隙間から見ることで、全体が作品になる。テーブル展示を最大に生かした展示、1枚1枚もしっかりしているが、展示としての見せ方に魅せられました。そして、ブックの写真も螺旋階段のシリーズに魅せられました。

藤元 麻未 ブース写真
 

T16 山口 晋平

山口晴久さん コメント
展示で人目を引き、ブックで見せる。見事なパフォーマンスだと思いました。写真をクシャクシャにしてブックにする理由、なぜなのかが分かりにくかった気がします。でも、それにより作品を魅力的にしていたことは事実です。また、ブックの構成も素晴らしい作品でした。

T16 山口晋平 ブース写真
 

S07 山本優花

山口晴久さん コメント
顔の見えない風景、人は外見で判断する。そんなコンセプトと写真に惹かれました。展示写真は素晴らしいクオリティーです。ブックのボリュームとプリントをもう一度考えれば素晴らしい作品になると思います。もっとこのシリーズ続けていただければと思います。

S07 山本優花 ブース写真
 

S09 岡田あかり

山口晴久さん コメント
淡々とした風景写真とスナップ、その中に撮影者のセンスが光る。フレーミング、シャッターチャンス、光の感じ方、作者の非凡さが伺える作品でした。そして、懐かしいスナップ写真です。これから、どのような作品を作っていかれるのか、楽しみです。

岡田あかり ブース写真
 

S13 平阪瑠菜

山口晴久さん コメント
不思議な写真、高校時代の写真、家族を撮影しているにも関わらず、自分自身の内面を撮影しているような不思議な思いにとらわれました。スナップ写真であるはずなのに、セルフポートレイトを見ているようです。この感じで写真を撮り続けてください。

S13 平阪瑠菜 ブース写真
 

S14 西脇 亜美

山口晴久さん コメント
自身の祖母祖父を中心とした写真群、お亡くなりになった祖母への眼差しと、祖父の感情の描写、じっくりと見応えのあるブックでした。中盤以降のクライマックスへの構成は素晴らしい作品です。展示をもう少し考えた方が良かったのではないでしょうか。

S14 西脇 亜美 ブース写真

 

受賞作品

TS01 眞岡 綺音

眞岡 綺音 ブース写真

山口晴久さん コメント

眞岡さんは、昨年度の年度最優秀賞を受賞されました。その次の作品というのは苦しいと思います。昨年のグランプリ受賞者ということで非常に期待していて、どんな作品がくるのかと思っていたら、連作を持ってきた。

昨年の作品は死生観、いわゆる生き死に。おじいさまが、お亡くなりになったことと、それから牛が生まれること。輪廻を見事に捉えた作品でした。
今度はどうだろうかと思っていたんですが、全く違うテイストだと感じました。撮られているのは同じ被写体ですが、同じ被写体でも今度は彼女が撮影している「藤井家」が、未来に向かっていくのがひしひしと感じられました。

それから展示方法もよかったです。壁ではなくテーブルで、なおかつA2の用紙で見せるというやり方は斬新でした。大きな写真を捲りながら見せるというのは、あまり触れたことがなかった。実際にA2を捲りながら見ていると非常に面白く、そういった理由で選出させていただきました。


いかがでしたか?
ノミネートされたみなさま、おめでとうございます!
ほかにも、関西御苗場2019のノミネート作品とその理由を紹介しているので、ぜひご覧ください。