ステップアップのヒントに！ フォトコンPPC vol.115 「もうちょっとで入選！」審査員の講評
「湖国の夏」田中裕之（京都府）
花火大会を対岸の公園で楽しんでいる様子が出るよう、子どもたちや木々の枝などのフレーミングに注意して撮影されたとのこと。様々な色・形の花火がきれいに上がっていて、まるで自分も実際の花火を見ているような気持ちになりました。右側に黒の余白が多くできているのが少し気になりましたが、少し離れた目線で見た花火の写真もリアルでいいですね。
「秘境」北郷太郎（北海道）
写真仲間との撮影会での１コマとのこと。雄大な大地に女性がヌードで横たわっている、ダイナミックな写真ですね。立ち込める黒い雲も、何か起こりそうな予感を感じさせてくれます。女性の体のラインと、岩肌の模様がリンクして、大地に溶け込んでいるようです。自然風景と一体化する女性ヌード、面白いですね。
「祭りの日」福井悟（奈良県）
吉野の山の中にある修験者の宿坊のある洞川の夏祭りでの撮影とのこと。浴衣もお面も現代風でおしゃれな女性を見つけられましたね。ただ、どうしても右の男性の顔が見えているので、そちらに気を取られてしまいます。女性にお面をかぶってもらって撮影するなど、女性が主役になった写真も見てみたかったなと思います。
「アゲハ蝶」shikalovin（山梨県）
深夜に突然、家の居間のテレビの後ろにいるアゲハ蝶を発見したとのこと。子どもたちが夏、羽化するまで虫かごで育てていた1匹が逃げ出し、力強く、何とか生きていたのではないかと予想されています。日々のささやかな、面白いエピソードを伝えるのに写真はとてもいいツールですね。アゲハ蝶をそっと優しく撮影されていて、作者のやさしさも伝わる1枚でした。
「不安」岡本和宏（富山県）
背景をアンダーにして、パンダの親子の不安な様子を表現したとのこと。ピンクの遊具とパンダの親子という、言葉にすると楽し気な被写体を、「不安」というキーワードで写真にまとめたのは人と違う視点で面白いと思います。ただ、なぜそうしたのかという意図があまりわかりませんでした。作者と鑑賞者の間にある壁がもっと近づくとよいですね。
