ステップアップのヒントに! フォトコンPPC vol.115 「もうちょっとで入選!」審査員の講評
「空白」澤田修平(富山県)
鮮やかな洋服が並ぶ露店、その中で売れて服をとられた白いマネキンが目に留まったとのこと。色が白くてツヤツヤしていて、なまめかしいマネキンですね。面白い発見をされたとは思うのですが、売られている洋服の柄や形が割とスタンダードなものなので、少しインパクトが弱かったかもしれません。
「ふりこ」岩田徳彦(広島県)
ブランコを楽しむ息子がふとした瞬間、ただのふりこに思えて、それをそのまま写したとのこと。面白いなと思ったのは、岩田さんが今まで息子さんの写真をたくさん応募してくださっていたのが、だんだん岩田さん自身の感情が写真に投影されてきているところ。これから息子さんを通して岩田さんの感情を伝えていくのもよいかもしれませんね。
「wall」倉谷さち子(富山県)
絵画のような美しい写真です。壁の上のほうの茶色の錆が、手前の木の紅葉した葉っぱのようにも見えて、一体感があるところが面白かったです。こういった面白い壁を発見できるのは、カメラをいつも持っていらっしゃるからこそですね。絵画のように見える写真を集めてシリーズ化しても、面白いかもしれません。
「都会の孤独」舟川十四朗(富山県)
上ってくる大勢の人と、降りていく若者を対比させて孤独を表現したとのこと。対比はうまく表現できていますが、孤独感は感じませんでした。むしろリュックを背負った背中ときれいな首筋、右手で携帯カメラを操っているようなしぐさから、周りを気にせず、我が道を行く若者という印象も。写真の印象と言葉の印象がもっとマッチするといいですね。
「仰」根岸豊(東京都)
ダムを下から見上げて撮影。RAW現像で色々試した結果、模様のようになったとのこと。面白い模様ではありますが、いつもかなり驚きのある作品をお送りいただくので、今回は少し、「ダムの模様」というそのままの印象がありました。「これは何だろう?」と思わせてくれるような、意外性があると、もっとよかったと思います。