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「御苗場」夢の先プロジェクト グランプリインタビュー「世の中の“らしさ”は本当ではない」ライブ感あるHALKAのポートレイト② with Nikon D750


御苗場 夢の先プロジェクト Supported by Nikon
第10弾 グランプリ
HALKA

大阪府立成城高等学校の写真藝術部入部をきっかけに写真を始める。現在東京を拠点にフォトグラファーとして活躍中。2015年写真新世紀優秀賞を受賞。2016年大阪成城高校写真藝術部卒業生 写真新世紀受賞者4人展『それぞれの時』に参加。

御苗場のレビュアー賞受賞者だけが参加できる「夢の先プロジェクト」では、
特別ワークショップを経たメンバーが最終的に
グループ審査展を行い、グランプリ1名が決定されるプロジェクト。
本記事は、御苗場vol.19関西の受賞者による「夢の先プロジェクト」にて
グランプリに輝いたHALKAさんをご紹介します。
前編では、被写体親子との関係や、どのように向き合って撮影していたのか、
作品制作のテーマとなるところを話してもらいました。
後編では、D750で撮影した時の様子について語ってもらいます。

D750/40㎜/f22/SS1.0秒/ISO3200/露出補正 自動/AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

「被写体とは常に、真向ストレート勝負です」

――今回の作品では、光の線が印象的な作品も多いですね。どうしてこのように撮られたんですか?
HALKA まず、女の子遊びのように、一緒に遊ぶような感じで彼女にメイクをしました。そこに彼女がマスクを持ってきたので、これで撮ろうと思いました。
室内を暗くしてストロボをたいて撮りました。
シャッタースピードを遅くしてフラッシュたいて撮る。迷ったら撮るスタイルですね。
フラッシュを使って、絞りを絞って、シャッタスピードを遅くして撮ると、フラッシュで対象物が止まり、シャッタスピードを遅くしているからまわりがぶれます。
そしてカメラを動かしているので、背景の車のライトや街頭の光が動きます。尾を引いたような光の線を自分でイメージしながら、カメラを動かしています。

D750/24mm/f22/SS1.3秒/ISO12800/露出補正 自動/AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR


D750/24mm/f22/SS1.3秒/ISO12800/露出補正 自動/AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

――日常を写した写真なのに、被写体と撮り方で不思議な世界観が出来上がっていますね。
HALKA 私はなるべくカメラに頼りすぎないスタイルで撮ろうと思っているので、ファインダーを覗かないで撮っています。あとで見返してみると、もっときれいに撮れたのにと思う瞬間がいっぱいありますが、人間の気持ちは常に移り変わっているから、同じ表情や同じ空気感は二度と出せなくて、その瞬間瞬間を観察しながら切りとれるものは全て切り撮っていこうという気持ちで撮影しています。
D750は今まで使っていたカメラより上位の機種なのですが、フルサイズの割には重さを感じませんでしたし、解像度の良さにはびっくりしました。また、今回は、自分のイメージに近づけるために、色温度を変えて撮ってみました。

D750/24mm/f22/SS1.0秒/ISO3200/露出補正 自動/AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 

――ノーファインダーだと、予測外の写真もたくさん撮れそうですね。
HALKA 何枚か撮影した後、少し確認して、微妙に調整しながら欲しいカットが撮れるまで撮っているので、実はイメージしたものが撮れていないということはあまりないんです。でも私の目は被写体を見ていて、カメラは私の目じゃないところから撮っているので、データを見返すと面白いことが多々あります。予測していなかったものが撮れていることが面白いですね。奇跡を撮ることに近いと思います。
自分自身のイメージしている絵を意識しすぎてしまうと、あとで見返したときに、自分のイメージしたものは撮れてはいるものの、作品としてのメッセージ性はなくなってしまうような気がします。

D750/24mm/f4.0/SS1/80秒/ISO5000/露出補正 自動/AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 

――撮影のスタイルは、何かに影響を受けたんでしょうか。
HALKA やっていくうちにそういう撮影スタイルになりました。動いている被写体を撮るのが好きです。ブライダルのアルバイトをやっていたときに、結婚式の入場や各卓にキャンドルをつけに行くシーンで、動いている被写体を撮るのは得意だねと言われたことがありました。
人間の本能で、動いているものをぼーっと追いかけて見てしまうように、相手の行動を意識せず追いかけて見続けてしまう傾向があります。
だから、私はきちんと決めたポートレイトを撮るよりも、「カメラを使って遊びませんか?」というように、一緒に被写体と楽しんでいる中で、予測していないものが撮れるという方が好きです。

D750/52mm/f22/SS1.0秒/ISO3200/露出補正 自動/AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 

――室内や、夜の写真が多かったですが、極端に暗いシーンでもスムーズに、かつ確実にピント合わせができるD750は、ストレスなく撮影できたのではないですか?
HALKA そうですね。ISO感度をISO6400まで上げても画質が劣らず、すごいなと思いました。ノイズも気にならなかったです。楽しいから、写真もたくさん撮れました。
写真をやり始めた時に、恩師は「デジタルはたくさん撮れるから、質より量で、まずたくさん撮ることが上達する早道だよ」と教えてもらったことがあります。

D750/24mm/f22/SS1.0秒/ISO3200/露出補正 自動/AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 

――まさに、D750のカメラの性能と、HALKAさんの個性がぶつかり合って生まれた作品ですね。
HALKA 私の撮影している彼女は、美人で誰が撮ってもきれいに撮れるし、カメラも性能の良いもので撮っているので、誰でもきれいに撮れてしまう。でもそれだけでは面白くないと思います。
「私にしか撮れないものは何だろう」って考えた時に、人懐っこさや、すぐに仲良くなれ
るような距離の詰め方が得意なので、それを生かそうと思いました。
私の作品は、ライブ感のあるドキュメンタリーでもあって、どこかポートレイトでもあるような撮影なのかもしれません。
ひたすら観察し、シャッターチャンス、カットを逃さない。
被写体とは常に、真向ストレート勝負です。

D750/26mm/f4.0/SS1/125秒/ISO800/露出補正 自動/AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 

◎HALKAさんが使用したカメラ
Nikon D750
・小型・軽量で画期的に薄型のボディー
・室内や夜など、暗い場所にも強い
・51点のフォーカスポイントが撮影画面中央部を広く高密度にカバーし、
高い被写体捕捉性能を発揮
・可動式液晶モニター
・スマートフォンやタブレット端末などワイヤレス通信ができるWi-Fi機能

インタビュー前半はこちら


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