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フォトまち便り「Hello Local」vol.24 紀南フィルム ~愛されて古座川~

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紀南、富山、郡山、下田の4つの地域写真部による持ち回り連載「Hello Local」。その地域に住むからこそ知るまちの魅力を、写真と言葉で綴るフォトエッセー。どこよりもディープで、誰よりも愛に溢れた、生の声を写真とともにお届けします。24回目は紀南フィルムからジョーヤンさんによる「古座川愛」溢れる写真と文章をどうぞ。


どうも、ジョーヤンです!
はじめまして、こんにちは。和歌山県の古座川町にある国指定天然記念物「一枚岩」の前で道の駅を経営しております田堀穣也と申します。皆さんには「ジョーヤン」と呼ばれているため、今度どこかで会ったらジョーヤンって呼んでやってください。よろしくお願いします。

私が生まれ育ったのはこの愛すべき古座川町。保育園、小、中、高とず~っと地元で過ごしてきたいわゆる「古座川エリートコース」を歩んできた根っからの古座川エリートです。※そんなコースありません。

高校卒業後は大阪の大学へ進学。教員採用試験に合格し卒業後は紀南で小学校の先生として5年間働きました。が、自分の足りない部分を追い求め、そこから消防士へと転職するというちょっと変わった人間です。

消防士として過ごす毎日は充実していたのですが、その6年間が私に色々な出会いを生み、この古座川町を本気で未来へ残すためには人生を賭けてぶち当たっていかなければならないと確信。消防士を辞め起業する決意を固めたという、いよいよ変わった人間です。現在は道の駅一枚岩モノリスという飲食・物産・キャンプ場のサービスを提供するお店のオーナとして日々奮闘しております。

理屈や言葉じゃないんだよ

「え、どうしてそこまで古座川町が好きなんですか?ジョーヤンの思う古座川町の魅力って何?」
この質問がなかなか多くて、なかなか困る(笑)。もちろん「自然が豊か」とか「人の心が~」とか言語化できないことはないんですが、本当に伝えたいところはそういうところにはなくて、もっと体感的で主観的なところにあるので言語化すればするほど安っぽくなっちゃう。

あえて文字に表してみると・・・

例えば、夏の誰もいない川の底に潜って水中から水面を見上げた光の景色とか、稲穂が実りだす頃、正午のチャイムがなる真昼間に1人田んぼの真ん中で風と稲穂の音を聞いた時とか心がグッとなるんです。

みたいな・・・。こんな事書き出すと止まりませんが、こういったまとめようのない感動がこの町には溢れかえっているんです。でもそれは伝えようとしても伝えられない。だから私はいつも「来たらわかるんです。いや、来ないとわかんないんですよ、この町の良さは。」って最後にいつも付け加えます。


「来ないとわかんない」の代名詞

「この町の魅力は来ないとわからない」ということは写真でも伝わりきらないと言ってるようなもの。紀南フィルムという素晴らしいコミュニティの仲間に入れていただいて大変嬉しく誇らしいことだと思いながら、写真だけじゃどうしても伝わりきらないことがあるんだな~といつも写真を撮りながら頭を悩ませています。その代表が古座川町のシンボル「一枚岩」なんです。

幅500m高さ100mの巨大な岩なので、来た人を圧倒させる力があるのですが、写真に収めようとすると、近すぎると全体が映らない。全体を映すとどんだけ大きいのか伝わらない。広角か?魚眼か?と試すもののそうなるともう一枚岩感がなくなっちゃう・・・。そんなジレンマたっぷりな場所がこの町にはたくさんあって、なんとか伝えたいとは思うものの70%伝えられたらいい方だといつも思っています。


魅了されただけでなく、感謝すらしている

そんな表現しきれない魅力溢れる古座川町ですが、それだけが私の古座川愛を湧き立たせる原点かというとそうではないんです。私はこの町に感謝をしているんです。

この町の景色は人の生活と結びつき、今も世代の違う人々を包み込んでいます。「自然が豊か」「心が豊か」という言葉にしてしまえばそれだけなのかもしれないけれど、そこにはたくさんのエネルギーと美しさが詰まっている。

自然に近い場所で生活を営む、その文化や暮らし。風の音や川のせせらぎ、緑の山々や獣たちの命の営み。最近では、SDGsという言葉が広がりつつありますが、あるいはそんな環境と出会うことが、自然や人を大切にする気持ちや、人の心を育てる大切なスイッチになっているんじゃないかと私は思います。

心が迷い戸惑う時。大切な決断をする時。この町でできた思い出や目の前の景色が、その人にとって、世の中にとって、良い方向へと導いてくれる価値観や感性を与えてくれる。
そう思わせてくれるような大切なものを私にくれたこの町だからこそ、大好きで感謝すらしているんです。この町で本当によかった、そう思うんです。

あまりにも退屈でつまらないこと

今まで私の思うこの町の魅力をつらつらと語ってきたわけですが、こういった田舎の町がどれだけ魅力があったとしても、このまま放置されていればいずれは無くなってしまいます。

全国的にみてもそれは珍しいことではなく、大きな流れの中ではむしろ当たり前と捉える方も多いかもしれません。でも、私にとってそれはあまりにも退屈でつまりないことなんです。この古座川町という町がなくなってしまうことが本当につまらない。こんなに素敵な場所なのにただ無くなるのを見ているだけなんて私には到底できない。

面倒だし、大変だし、上手くいかない事だらけですが、今にも無くなりそうな魅力ある宝石を自分達の力でまた磨き輝かせる方がずっと楽しいし面白いことだと思うんです。宮崎駿さんも言うてた。「世の中の大事なことってたいていめんどくさい」って。ええこと言う。ホンマそれ。

私はこれからも紀南フィルムの一員として紀南の魅力を発信していきたいと思っているわけですが、こんな感じのことを考えながらいつもシャッターを切っています。今ある素敵な場所を未来に届けるために、めんどくさくて、面白くて、大切な日々をバシバシ紹介していきますのでこれからも紀南フィルムをどうぞよろしくお願いいたします!

そんで紀南に興味もっていただけたら是非足を運んでみてください!きっと素敵な景色に出会えるはずですよ! おしまい。

田堀穣也(ジョーヤン)
古座川で生まれ育ち県外の大学を卒業後、教師として働く。その後消防士へ転職し、現在は古座川町の道の駅「一枚岩」のオーナーとして起業する。
古座川町に住んでいる方々の力を一つにして一枚岩になろうという願いをこめてお店の名前は(一枚岩)と名付けた。起業してから現在2年目


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