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フォトまち便り「Hello Local」vol.23 下田写真部 ~カメラを持って再発見、地元伊豆白浜の魅力~


紀南、富山、郡山、下田の4つの地域写真部が綴っていく連載企画「Hello Local」。今回は下田写真部、土屋さんによるフォトエッセイです。皆さんは自分の生まれ育ったまちの魅力に気付く瞬間ってどんな時でしょうか?さまざまなきっかけがある中、「離れた土地から戻ってきて気づかされた」ってことが多いかもしれません。土屋さんもまた下田にUターン後、魅力に気付かされたひとり。おじいさま、おばあさまから続く民宿を構えながらカメラ片手に再発見した地元伊豆白浜の魅力を紹介していただきます。


「同じような人がいるもんだ。笑」

Hello Localの記事でこんな素敵な記事を見つけました。

フォトまち便り「Hello Local」vol.17 紀南フィルム 【宣戦布告】下田人に告ぐ!金目鯛だけがうまいんじゃない。那智勝浦をくらいやがれ❤

下田写真部vol.20、西川さんの回で和歌山を身近に感じられているように、実は私も親近感が湧いています。

私も民宿を営んでいるため、同世代の同業者を偶然見つけ勝手に盛り上がってました。笑

和歌山紀南フィルムの民宿わかたけ花井さん。(vol.17)民宿って時代遅れでダサい気がすると言いながらも、民宿を新しい文化として繋ぎ、そして「当たり前」の宿になれるように努力されている。すばらしい!!

ちなみに私の一番好きな魚は金目鯛ではなくマグロです。和歌山のマグロを食べに家族で押しかけたい…!

また紀南フィルムではひらみさんも宿泊施設で働かれていると。(vol.21)写真部同業者は意外に多いのか?下田写真部も13人中4人が宿泊関連同業者。

フォトまち便り「Hello Local」vol.21 紀南フィルム ~この町で紡いだ思い出、経過してわかった大事なこと~

さて、前置きが長くなりました。初めまして、伊豆白浜で温泉民宿 勝五郎を営む土屋尊司と申します。

温泉民宿 勝五郎の外観

下田市白浜生まれ。一度は下田を離れましたが20年の時を経て地元にUターン移住し、祖父母の民宿を継いだ3代目になります。自分を育ててくれた民宿を無くしたくない!そして何か新しいことができるのではと、2018年に再開業しました。幼少期には常連のお客さんにたくさん遊んでもらい、「民宿に育てられた」と言っても過言ではないほど。思い出たっぷりの民宿を自分たちらしくリニューアルし営業しています。

温泉民宿勝五郎:http://www.katsugoro.com

広間での交流 photo by chihiro

 私が下田写真部に入部したのは2020年の3月。まさに新型コロナウイルスが猛威を振るい始めたあの頃です。入部した理由の1つが「生まれ育ったふるさとの魅力再発見のため」。もともと写真を撮るのは好きでしたが、スナップや記録写真的な撮り方ばかり。大きなレンズを構えてなんてもってのほか。

入部のお誘いもあり、ファインダー越しに新たな魅力を感じられるのではと新境地へ。カメラを持って出歩くようになると、それまで見えてなかった地域の魅力が違ったカタチで見えてきました。子供の頃の「当たり前の景色」が、写真として切り取られた「魅力的な景色」に変わっていきました。

下田写真部メンバー

 そんな贅沢すぎた当たり前の景色、再発見した魅力的な景色を少しだけご紹介します。

徒歩3分の距離に素晴らしい海

さて、私が生まれ育った伊豆白浜は、関東方面では知らない人はいないのではないか?というくらい有名な海があります。それは「白浜海岸」。白い砂浜が南北約1.5kmに渡って広がっています。白浜大浜(770M)と白浜中央(720M)の2つの海岸です。それはそれは綺麗な海ですので、夏にはたくさんの人が海水浴に訪れます。海水浴シーズンの約2ヶ月間だけは滞在人口が異常なくらい増え、違う国に来たかのような変化を見せるのも地域の特徴です。

白浜大浜のオフシーズン。サーファーや浜辺を散歩する人。

シーズン真っ只中の白浜大浜海水浴場に溢れる海水浴客。

とはいえ観光パンフレットのように、海が毎日綺麗なわけではありません。季節によって様々な表情を見せてくれます。

台風が来たら海は大荒れ、その後の砂浜は流木まみれ。

2019年10月の台風の後、流木まみれの白浜海岸。

ならいの風(海の方向からの風)が強い日には砂嵐。海沿いの道路が砂まみれになります。雪かきならぬ砂かきをする土木業者さんの姿が頻繁にみられます。

強風で砂まみれの道 国道135号線

逆に山側からの風(西風)が強い日には、風待ちの船が停泊する光景をよく見かけます。

秋冬の風物詩。沖の風待ち船(白浜中央)

その他にも小さなフォトスポットがたくさんあります。

伊豆最古の宮、白浜神社

伊豆白浜にはとても歴史のある白浜神社があります。大きな神社ではないのですが、とても威厳のある立派な神社です。祖父が関わった遷宮のような改修行事の回数から年数を逆算すると2000年以上も前からあることになる・・・(?)

とても歴史の古い神社です。

大明神岩の赤い鳥居

白浜神社の脇道から海につながる場所にはフォトスポットとなっている「大明神岩の赤い鳥居」があります。赤い鳥居と青い海のコントラストはとても写真映えします。

そんなフォトスポットの近くの潮溜まりはちょっと贅沢な子供の遊び場にもなります。


大明神岩は西川さんの記事でも取り上げられていた朝日のスポットでもあります。(Vol.20)

フォトまち便り「Hello Local」vol.20 下田写真部~下田の美しい朝日、まちの広報担当だった僕の話。

青さが際立つ海

見晴らしが広く、天気が良く、風のない日にはブルーグリーンの美しい海を見ることができます。左上に小さく見える白い砂浜が白浜大浜と白浜中央の2つの海岸です。

板見港

今は漁港になってしまっている板見港。昔は漁港ではあったものの、海水浴や磯遊びもできるプライベートスポットでした。改めて写真に納めてみると水の透明度に驚きます。

海水浴が観光の中心になりがちな伊豆白浜ですが、おすすめは春と秋です。冷房も暖房もいらない季節、吹き抜ける海風をとても気持ちよく感じられる時期が一番過ごしやすいと感じます。

そんな季節ごとの魅力も感じられるような写真を撮れるように日々精進いたします。

皆さまのお越しをお待ちしております!

温泉民宿 勝五郎からの朝日

下田の入り口、尾ヶ崎ウイングからの白浜

Text:TUTi

Photo:TUTi 、chihiro


TUTi  /  土屋 尊司 (つちや たかし) ※下田写真部ではTUTiで活動中。

1984年 伊豆下田生まれ。元空間デザイナー。2017年に地元下田市にUターン移住。祖父母が営んでいた温泉民宿 勝五郎をリノベーションし2018年に再開業。現在は本業の宿泊業に加え、こっそりイラストレーターとしても活動中。「人を笑顔にするデザイン」をモットーに日々楽しいことを模索中。


温泉民宿 勝五郎

〒415-0012 静岡県下田市白浜2189-1

TEL:0558-22-1937

HP:http://www.katsugoro.com

下岡蓮杖の生誕地、伊豆下田で、写真好きな仲間が日々の暮らしを発信したり、高校生とのフォトツアーなどを開催しながら「写真のまち」を目指して活動中。現在、部員13名。
下田写真部公式Facebook https://www.facebook.com/shimoda.photo
下田写真部公式Instagram https://www.instagram.com/shimoda_photoclub


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