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フォトまち便り「Hello Local」vol.20 下田写真部~下田の美しい朝日、まちの広報担当だった僕の話。


新年明けましておめでとうございます!紀南、富山、郡山、下田の4つの地域写真部が綴っていく連載企画「Hello Local」。今回は下田写真部の西川さんによるフォトエッセイ。西川さんは下田市の広報担当としてまちの風景を写真で撮り続けてきました。その中でも特に下田の「朝日」が美しいと語る西川さん。記事を読み進めると、さまざまな朝日の美しい写真に息をのまれます。新年1本目、朝日の写真を見ながら良い年が過ごせますように。


あけましておめでとうございます。下田写真部、早くも2回目登場の西川力です。先日の紀南フィルム、花井さんのコラムを楽しく読ませていただきました。魚は下田も負けていませんが、生マグロと牡丹鍋を十分堪能するとなると、2泊はしなくてはなりませんね。笑

フォトまち便り「Hello Local」vol.17 紀南フィルム 【宣戦布告】下田人に告ぐ!金目鯛だけがうまいんじゃない。那智勝浦をくらいやがれ❤

実は僕、和歌山とのつながりがあるんです。母方の先祖は紀州の出身だったと聞いていて、姓が土橋。雑賀衆の一党で戦国時代末期に浜松に移り住み、江戸時代末期に下田までやってきたそうです。少しだけ調べてみましたら紀南の方々とは敵同士?であったような。とはいえ、「僕の遠い御先祖様は同じ和歌山で暮らしていたのかもしれないな」と思いを馳せるだけで僕は紀南フィルムの方々をより身近に感じています。

那智勝浦町の地図をさらりと眺めていると、海側(東)から太陽が昇る地形です。きっと僕の大好きな朝日が綺麗なんだろうなぁと思いました。なんとなく港の風情も下田と似ているような気がします。

こちら那智勝浦町

そしてこちらが下田市

どちらも朝日に向いてる地形のような気がする!!笑

ただ、似ているだけに自慢ポイントがかぶりそうな気もしますが。ふと、わかたけさんの住所をよく見たら那智勝浦町の朝日という地名なんですね。いつか朝日(地名)のまちをぶらぶら歩きながら、朝日を撮ってみたいです。

というわけで、2022年最初の記事はお正月を記念して、わかたけでマグロを食べる日をいつか夢見ながら、下田で見られる朝日を中心に紹介させていただきます!

田牛の朝日


多々戸浜の朝日

 

僕と写真との出会い

僕が下田写真部に入部した理由は、ちょうど発足時に市役所の広報担当をしており、同級生に折よく誘われたのがきっかけです。

Nikonは太平洋戦争前に祖父が務めていた会社で、中学の頃に祖父の一眼レフを譲ってもらっていました。その頃から写真とはまったく無縁ではなかったのですが、当時の僕はどちらかというと絵を描くことの方が好きで、美術部で油絵を描いていました。

社会人になってから、下田市の広報担当を務めることとなりました。市内のイベント風景を撮り、広報紙に掲載したりして、市民の皆様からの感想をいただいているうちに、写真を撮ることの方が好きになりました。デジタルですと油絵のように描き直すことが可能です。簡単にトリミングしたり、色味を変えたりできることが、フィルムよりも僕自身にはフィットしたのかもしれません。

僕と朝日とのつながり

広報しもだの1月号は朝日の写真を表紙にするのが当時の定番で、そのときの作品(入田浜での朝日)が静岡県の広報コンクールで優秀賞をいただいたことが僕をもっと写真好きにさせました(最優秀賞ではありませんでしたが)。前回のこのコラムを書かせていただいたように、このときから「朝日を撮るのが好き」になりました。

当時の広報に使用した入田浜の朝日

朝日を撮るのは何となくの感覚ですが、冬が良いです。日の出の時間が遅いですし、空気の澄んだ、すがすがしい感じが好きです。ただ晴れているだけではダメで、多少雲があった方が絵になります。晴れの予報を狙い、なるべく仕事に響かない休日を選んだりしていると、意外とシャッターチャンスは少ないことに気付きます。

白浜大浜の朝日を浴びる女子二人

冬の日の出は6時半過ぎになります。現場に着いて暗闇の中、落ち着いて撮影ポイントを探すとなると、早めに起きなくてはなりません。事前に下見には行きますが、日の出の位置などはどうしても勘頼りになってしまいます。この島とあの岬の間に太陽が出てこればベストだな、と思っていても現実はそんなに甘くはなくて、太陽が出始めた瞬間に大移動を始めたこともありました。雲が多すぎてどうしようもない日もありました。はじめは何日もかけて撮影をしたこともありました。

太陽は拝めなくても、こんな風景に出会うこともあります(大浦海岸の朝日)

曇りでも、それなりに味のある須崎漁港の朝日

でも不思議なことに最近は、寝る直前「明日はいい朝日になる!」と直感で思う瞬間があります。その時はアラームをかけなくても4時くらいに自然に目を覚まし、現場に向かいます。綺麗な雲筋の間に日差しが輝く瞬間を捉えることができるんですよね。

年に数回あるかないかの感覚なのですが、やはり経験というものはとてつもなく大きな力になるということを実感しました。

白浜大浜の鳥居と朝日

 

僕と写真と下田の日常

朝日の撮影のほか、僕はスナップ写真も好きです。子供の頃は写生大会が大好きで、ペリーロードや港の風景、小学校の体育館などをスケッチしてきました。あの光景は今でも脳裏に焼き付いており、お弁当の味や海の匂い、友達との会話を思い出します。日常のシーンを切り取る感覚が、今でもその世界にいざなわれることを良しとするのかもしれません。

須崎、小白浜の漁船風景


同じく小白浜の海老網を取り繕う様子

とはいえ2012年から5年間、広報担当として様々な経験をし、一番大切に感じることは人との出会いです。地元のお祭り取材をしているとき、メインイベントの取材だけではなくて、準備風景など裏の情景を垣間見ることがありました。

舞の前、化粧の瞬間


白浜三番叟の舞

写真を撮る瞬間、その人の内面を少しだけ垣間見るような打ち解けられた瞬間がとても貴重で、僕自身の人生を豊かにしてくれます。写真という機会のおかげで僕はとても幸せです。

田牛の獅子舞


祭のあと

広報の現場から離れた今でも、街の人に声をかけていただいたり、写真を快く撮らせていただいたりしています。

入田浜ビーチクリーンのあとで集合写真を撮らせてもらいました

僕と写真とのこれから

今は人事係で採用担当をしていますが、自分で撮った写真をホームページに掲載できたりしますので、その点自分自身で便利かな、と思ったりしています。

採用ページ用に職員をモデルに土藤商店の前で

これからも下田市の職員として、そして一人の人間として、写真と触れ合い、それを生かして様々な人たちと触れ合っていきたいと思います。

そんな我々下田写真部の写真展が、下田市内のホテルウラガにて開催しております。

期間は4月15日までと長めに設定されておりますので、皆様ぜひお越しください。

そして、できたら一緒に写真を撮りましょう!!

下田写真部 マチナカ写真展
“十二人、YEAH!!(じゅうにひとえ)”
期日 2021年12月18日→2022年4月15日
場所 ホテルウラガ フロント前(下田市三丁目3-10)
料金 入場無料


西川力(にしかわ つとむ)

1979年静岡県下田市生まれ。下田写真部結成当初からのメンバー。2003年下田市役所に入庁し、現在は人事担当。広報担当のとき、写真が生み出す人とのつながりに魅力を感じ、現在もまち歩きをしながら写真を撮り続ける。

 

下岡蓮杖の生誕地、伊豆下田で、写真好きな仲間が日々の暮らしを発信したり、高校生とのフォトツアーなどを開催しながら「写真のまち」を目指して活動中。現在、部員13名。
下田写真部公式Facebook https://www.facebook.com/shimoda.photo
下田写真部公式Instagram https://www.instagram.com/shimoda_photoclub


STORY TELLER / 写真家達の物語 vol.37

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