「写真家のクリエイションを先導する」Surface Book 3 写真家・テラウチマサトが考える「新しい写真」を撮る方法
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photo:Masato Terauchi
長年にわたるキャリアのなかで、さまざまな機材を使い、写真作品を発表してきたテラウチマサトさん。ここ数年、テラウチさんは富士山をテーマに写真を撮り、作品を発表している。
2012年に河口湖にアトリエを設けて以降、東京との2拠点生活を行いながら、日本全国を飛び回る多忙な仕事の合間を縫って、富士山や河口湖の撮影に打ち込む日々が続いている。
photo:Masato Terauchi
そんな写真活動をサポートし、今や、作品制作になくてはならないツールとなっているのが、MicrosoftのSurface Book 3だ。
テラウチさんがSurface Book 3を愛用する3つの理由と用途について紹介した第1回、風景写真の撮影から編集といった活用のプロセスを追った第2回に続き、今回は、ゴッホをオマージュした静物写真撮影の現場に密着。
なぜ、敬愛する画家の絵画を写真で作品化することを思いたったのか? そこには、テラウチさんが考える「新しい写真」を撮るためのアプローチが垣間見えた。
タブレット最大級の高精細モニターで制作前のリサーチ
アトリエのソファーに座り、画集を眺めるテラウチさん。撮影の構想を練る、作家にとって大切な時間だ。
Surface Book 3を手にとって、インターネットでリサーチ。
写真はビジュアルアートであり、テキストベースの表現ではない。しかし、撮影前に調査した情報の積み重ねは撮影に反映され、作品化されたイメージからおのずとにじみ出す。
タブレットとして考えた場合、Surface Book 3の15インチモニターは、現行製品のなかでも最大級だ。 3240×2160(260PPI)の高精細なディスプレイは、写真や絵画のようなビジュアルイメージの表示はもちろん、情報収集の際の効率もアップしてくれる。
モニターが大きいぶん、小型のタブレットやスマートフォンと比べて、目にかかる負担も少ない。
ゴッホへのオマージュを写真で表現する
今回テラウチさんが撮影するのは、ゴッホの『ひまわり』をオマージュしたスティルライフ。静物写真だ。
「それいいね。何本あるの?全部買えるかな?」
『ひまわり』が載った画集のページを参照しながら、フラワーショップに買い出しに出かけたアシスタントに、オンラインで指示を出す。
「ひまわりは完璧。あとは撮影だな。ちょっとやってみないとわからないところもあるけど。全力でやります。」
仕上がりをイメージしながら、カメラとレンズをチョイス。ライティング機材を組み立て、撮影の準備をする。あらかじめ用意しておいた花瓶に、届いたひまわりを活ける。
「いいね。すごくいいなあ。」
口元が思わずゆるむ。
両手で四角形を作って構図をチェック。この時、テラウチさんのマインドセットは、半分、ゴッホのそれになっているようにも見える。
「コントローラブルな感覚」と「予期せぬ驚き」が両立する
前回は河口湖、前々回は富士山と、テラウチさんが愛して止まない自然の風景を撮影した。今回は、セットアップされたひまわりの花が被写体だ。ランドスケープ(風景撮影)とスティルライフ(静物撮影)では、それぞれ撮影時のマインド、被写体への向き合いかたに違いはあるのだろうか?
「ときどき訊かれるんですけれど、ランドスケープは光の明るさ、角度、天候具合を待つ。だから、自然の中で撮らせていただく。スティルライフの場合は、今日はLED使って撮っていましたけれど、自分で光をコントロールして、自分の制圧下で撮る。この違いがあるんじゃないかなと思うんですね。」
それぞれの「撮影時の感覚とSurface Book 3を使う時の感覚は似ている」と、テラウチさんはいう。
「Surfaceを使っていると、自分でコントロールできる、自分の制圧下に入る時がある。その感覚が、スティルライフ撮影に似ているんです。」
「もう1つ、風景を撮っている時はあっちに行ったりこっちに行ったり、『どんな風景に出会うのかな?』ってさまようんですけれど、Surfaceを使っている時にも『これをいじったらどうなるのかな?』ってやってみると、風景を撮っていて思わぬ素晴らしい絶景に出会う時と同じような感覚になる。」
「自分でコントロールしつつも、いろんな道に入っていって発見を楽しめる。そこが、Surfaceとランドスケープ、あるいは、スティルライフ撮影の類似点だと思います。」
テラウチ流「見たことがない写真」を撮るためのアプローチ
撮影終了後、休む間もなくSurface Book 3で編集とレタッチ。サーフェスペンを使って、撮りたての写真の細かな部分を追い込んでいく。画面に向かって一心に取り組むその姿は、野に咲くひまわりを前に、絵筆を自在に操るあの画家をほうふつさせる。テラウチさんにとってのSurface Book 3はさながら、画家にとってのキャンバスにも見える。
先人の作品のオマージュすることは、その先人の思考に作家自身の思考をシンクロさせることに近い。そしてその作業は、写真家自身がその作品を撮る理由をも浮かび上がらせる。
「なんでゴッホは『ひまわり』を描いたかですよね。太陽の光に向かって咲くひまわりに “希望” を感じていたんじゃないかと思うんですけれど、それよりも、さらに言えばね、なぜ僕が今日、ゴッホの『ひまわり』をオマージュして撮ったかだと思うんです。
写真の審査をしていて、審査員がみんな同じように言う言葉があるんですよ。『今日どんな写真を選びたいですか?』って聞くと、『今まで見たことがない写真を選びたい』って。じゃあ、『今まで見たことがない写真』を撮るにはどうしたらいいのか?
これまでの写真を勉強して撮るのもいいかもしれないけれど、できれば、他ジャンルから学ぶ。他ジャンルから学ぶことによって、それまで見たことのない写真が撮れるんじゃないかと思うんですね。それで今日、ゴッホのひまわりの絵をオマージュして撮ってみました。」
「創造的な行為とは?」という問いに対して、イギリスの作家、アーサー・ケストラーはこう述べている。
「創造的な行為とは、すでに存在する事実、考え、技能、技術を新たに発見し、選び、並べ直し、組み合わせ、統合することである」
テラウチさんが語る「今まで見たことがない写真」を撮るためのアプローチは、ケストラーが考える「創造的な行為」と通じている。新しい写真は、写真以外の領域を学ぶことによって切り拓かれるのかもしれない。アントワープで手に入れた浮世絵版画が、その後のゴッホの絵画観を決定づけたように。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「グラスに入れた花咲くアーモンドの枝」より
photo:Masato Terauchi
制作のための学びのフェーズから、作業を通して思考するフェーズ、そして、その成果物としての作品の完成まで、Surface Book 3は作家をサポートし、並走するのに十分なポテンシャルを持っている。
僕に撮ってのSurface Book 3は、写真のための機材
ゴッホの絵画の特徴は、魂からあふれ出した情熱を厚く塗り重ねたような独特のタッチと、色彩にある。Surface Book 3を使い、リスペクトする画家の絵をもとに、写真で作品化することを通して気付いたことが、テラウチさんにはある。
「テザー撮影をしながら、ゴッホの『ひまわり』をオマージュしながら撮ったんですけれど、背景に黄緑の紙、テーブルに黄色の紙を敷いて、その色がどれだけ綺麗に出ているか? Surfaceのモニターの色の確かさに非常に安心しました。さらに言えば、現場でレタッチできるSurfaceのスピード感、利便性、難しいことを考えなくてもすぐにできる簡易性。これは大きな魅力だと思います。」
撮影という身体行為を「目で触る」と例えることがある。目で触って把握した世界を、Surface Book 3のタッチパネルに触れることで、「新しい写真」という別次元のイメージへと再構築していく。
数学者にとっての黒板っていう言葉があります。公式を解くのに黒板にチョークで書いていくような。
写真家にとってもそんな道具があって、例えばテザー撮影をするとき、レタッチをするとき、あるいはアシスタントにライティングの指示をするとき、編集者と打ち合わせをするとき、クライアントとのやりとり…。
Surfaceはいつもそばにおいて置きたい、写真家にとっての(数学者の)黒板みたいなものですね。ノートPCですけれど、僕の中では、写真関連機材と呼んでもいいんじゃないかと思います。」
テラウチさんにとってのSurface Book 3は、「新しい写真」をものにするためのキャンバスであり、未知なるイメージを探求するためのユニバーサル・パスのようなものなのかもしれない。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「ひまわり 1888年」より
photo:Masato Terauchi
Surface Book 3
持ち運びできるノートPCであり、タブレットであり、ポータブルスタジオでもある、最もパワフルな Surface のノートPC『Surface Book 3』。サーフェス ダイヤルとサーフェス ペンを一緒に使用すれば、ショートカット、コントロール、描画ツールに簡単にアクセスできクリエイティビティを発揮できます。
「写真家のクリエイションを先導する」Surface Book 3 写真家・テラウチマサトが考える「新しい写真」を撮る方法 を動画でもチェック!
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