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HOW TO / 作品制作のヒント

自分の”好き”をアウトプットするためにモニターはとても大きな存在。BenQ SW271Cの使い心地をかくたみほさんがレビュー


やわらかなトーンと繊細な色使い。空気感までも写し込むような作風が魅力の写真家・かくたみほさん。作品ではフィルムを使い、仕事ではデジタルが基本というかくたさんに、発売されて間もないカラーマネージメントモニターBenQ SW271Cを使用した感想を伺いました。

やわらかい光を求めて旅に
とにかく、撮ることが好き

−自然光を扱う写真が多いイメージのかくたさんですが、日頃はどんな写真を撮っているんですか?

かくた 撮影自体はいろいろですが、紙媒体の仕事が多いです。ライフスタイル系と呼ばれるものを中心に、音楽系のお仕事もよくご依頼をいただきます。その場の光源を生かして撮るような、自然光ベースの撮影スタイルが多いです。

−旅の写真も印象的です。とくにフィンランドにはよく足を運ばれていますね

かくた フィンランドはここ15年で20回ほど(笑)。今は旅に出ること自体が難しい時期ですが、これまではほぼ毎年プライベートでも、仕事でもよく足を運んでいます。フィンランドの魅力は、手付かずの自然がとても身近な距離に残されていることです。手の届かない圧倒的な大自然というよりも、わたしのような普通の女性でも身近に感じられる大自然の営みがあるんですよね。例えば、湖、海辺などに岩がたくさんあるんですけど、その岩が全部ツルツルのひらべったい岩だったりして。この上に寝転がるとすごく気持ちいいんですよ(笑)。

わたしはやわらかい光が好きなんですが、フィンランドはそのやわらかい光の時間帯が長いんです。だから、写真も好きな光の下でたくさん撮れます。これもわたしがフィンランドを頻繁に訪れる大きな理由になっています。

▼かくたさんの作品

表紙を含めて仕事している「Have a nice PHOTO!」。ライフスタイル系のファッション誌での撮影も多い。
かくたさんの写真集「光の粒子」(求龍堂)。フィンランドの美しい光を写した一冊。これまでZINEを含めて6冊の写真集を刊行。

−写真集も数多くつくられています。日頃のお仕事の撮影とこうした作品づくりはご自身の中でどのようなバランスなんですか?

かくた とくに分けて考えてはいないです。北欧の写真も自分の好きな世界観で撮っていると、それを見たクライアントさんからこのテイストで撮ってほしいとリクエストをいただくこともあって、結局つながっています。北欧雑貨の撮影をいただくこともあります。

わたしはとにかく、撮るのが好きなんですよね(笑)。旅自体は、趣味の一貫でもあります。新しいまだ見たことのない世界に触れられて、きれいなものにたくさん出合える。撮ることは好きですが、旅先では自分の琴線に触れるものだけを撮ります。きれいだなと思ったものに目を向けて撮る。無理にはシャッターを切りません。自然体で向き合うことが大事だと思っています。

−かくたさんはポスターやポストカードなどもよくつくられていますね。

かくた 写真展などでは写真をプリントして販売もするのですが、気軽に手に取ってもらえるようなアイテムも用意します。やっぱり写真は見てもらわないとなにもはじまらないと思うんです。オリジナルプリントでは敷居が高くても、ポスターとかなら家にも飾りやすいですよね。わたしとしては、自分の写真でいい気持ちになってもらえるのがうれしいし、楽しいです。

−フィンランドの写真はフィルムで撮ったものも多いと聞きましたが、仕事もフィルムで撮ることが?

かくた フィンランドに限らず、旅の写真は自分の写真展で展示することが多いのですが、このような写真はネガフィルムで撮って自分でカラープリントしています。一方、仕事はほぼ100%デジタル。ですので、暗室作業を行うようにモニターを使ってデジタル画像をレタッチしていきます。そういった意味でも、今回このお仕事をいただいて、モニターを使わせていただくのが楽しみでした。

当時難しいと思っていた色合わせもこんな簡単に

BenQ SW271Cは正確な色再現を可能にするAQ COLOR技術を搭載。USB Type-C端子なので、ノートパソコンへの接続も簡単。60Wでの充電も可能で、いざというときにも頼もしい存在だ。

−今回、BenQ SW271Cを使ってみて第一印象はいかがでしたか?

かくた それが当然であるかのように、色の再現が正確であることにまず安心感がありました。ノングレアで反射を気にすることもなく、光源ムラもない。つぶれそうな暗い部分や逆に飛びがちな明るい部分の描写力もよかったです。自分の写真が本来持ち合わせている質感がしっかり把握できるのは本当にありがたいです。

仕事では、一日にモデルの方々を50カットほど同じトーンで撮らなくてはいけないこともあるんです。自然光ベースで撮影を行う場合、色みや明るさを撮影後に整える必要があるのですが、そういったときにも、微妙なトーンの違いが正確に把握できてとても作業しやすかったです。

あと、個人的には遮光フードが付属でついているのがうれしかったです。画像編集を行う部屋には窓があって自然光が入るのですが、どうしても部屋の中で明るさが変化するんです。通常はカーテンを閉めるのですが、遮光フードを使えば気軽に作業ができます。組み立ても簡単で、取り付けた後も勝手に外れてしまうようなこともありませんでした。モニターを置く台も安定感があって、高さも変えやすかったです。このあたりもとても大事なポイントですね。
プリントの色を確認するかくたさん。本製品はPantoneおよびCalMAN認証も取得している。

−かくたさんはフィルムでの作品も印象的です。色合わせにもこだわりがあるのではないかなと思います。

かくた 写真を人に見せるときに、思い通りの色や明るさで仕上がっていないと、とてもストレスになるんです。それは昔から同じ。フィルムの時代は、それを解決するために暗室ワークを覚えたほど。

デジタルではそれをモニター上で行うイメージですよね。ただ、機械音痴なこともあって、デジタルに移行したばかりの頃は慣れなくて。モニターとプリントの色がなかなか合わなくて苦労しました。色見本が必要なときは、プロラボでプリントしてもらって、色が外れてなければOKというような(苦笑)。知り合いのカメラマンからキャリブレーションすればいいんだよって言われても謎で(笑)。

−BenQ SW271Cはハードウェアキャリブレーション対応で、操作しやすのも魅力ですね。

かくた そうです! とても簡単な操作でキャリブレーションができました。キャリブレーションは、モニターを扱う際に最初につまずきやすい事柄だと思うのですが、BenQ SW271Cであれば安心だと思います。WebからアプリケーションソフトPalette Master Elementをダウンロードして、画面表示に従って操作するだけです。機械音痴のわたしでもできました(笑)
キャリブレーション中の風景。対応するキャリブレーターを用いることで簡単に色合わせが行える。

−27インチというモニターのサイズ感はどうですか?

かくた わたしにはちょうどよかったです。作業しやすいサイズですよね。27インチでもフードをつけると存在感が出るので、一般的な広さの室内で使う場合も、このくらいのサイズがちょうどいいと思いました。

−付属のホットキーパックG2はいかがでしたか?

かくた 使用頻度の高い機能を割り当てられるのは便利ですね。いろいろな使い方のアイデアが浮かんできそうなアイテムです。BenQ SW271Cにはモノクロを3種類からプレビューできる機能も搭載されていて、モノクロ好きな方々はそういう機能を割り当てても面白いと思います。

ホットキーパックG2を操作するかくたさん。

−かくたさんはモノクロも?

かくた 時々(笑)。それほど多くはないですが、仕事ではクライアントさんからモノクロで使いたいとリクエストされることはあります。そんなときにモノクロの仕上げ方をどうしていくか、モノクロの機能があればイメージしやすいと思いました。

−そのほか気になったところはありますか?

かくた とにかくあらゆるスペックを網羅している印象でした。仕事で写真を扱う場合、リクエストのいただき方は千差万別。このモニターには、そのすべてをきちんと真正面から受け止めて処理してくれる万能性を感じます。それが仕事では信頼感に繋がるけど、作品づくりでもこれはいっしょです。フィルムでも撮っていきますが、これからはデジタルでの作品づくりにも少しずつ挑戦していきたい。実際にデジタルで撮っているものもあるんですよ。ですから、こういうしっかりしたモニターは自分にとっても必須になりますね。

−デジタルではどんな作品を?

かくた フィルムでは撮ることが物理的に難しい被写体などです。例えば、最近動物を撮る機会があって。動物の撮影では圧倒的にデジタルのほうが機動力もあって便利です。こういう被写体は、デジタルで撮りたいなと。余談ですが、その中に半目になっている動物の写真があって(笑)。人の写真ではすぐに外してしまうようなカットですが、動物の場合これがかわいい(笑)。なんか寝ている動物の写真を集めてまとめてみたり、そういうのも面白いかなと最近思っています。

BenQ SW271C

主な仕様

●Adobe RGB99%対応写真・映像編集向けカラーマネージメントモニター
●27インチ4K UHD(3840×2160)の解像度のISPパネル採用
●正確な色再現を可能にする「AQCOLOR」技術採用
●Adobe RGB99%、sRGB/Rec.709 100%、DCI-P3/Display P3色域 90%までカバー
●スムーズなカラーグラデーションを可能にする10bit色深度
●ムラ補正技術により、均一なユニフォミティを実現
●ハードウェアキャリブレーション対応
●キャリブレーションソフトPalette Master Element(付属)が利用可能
●カラー写真をモノクロでブレビューできる3段階のモノクロモード
●異なる色空間の映像を左右に並べて同時に表示できる「Gamu Duo」機能
●Pantone認証、CalMAN認証を取得
●HDR10(PQ方式)・HLG方式対応
●60W給電可能なUSB Type-C搭載
●モニター(遮光)フード標準搭載
●3年間保証/修理期間中に代替機貸出できる「センドバックサポート」対象製品

SW271Cの製品はこちら

かくたみほ
1977年三重県鈴鹿市生まれ。スタジオLOFTスタジオマンを経て、写真家小林幹幸に師事後独立。雑誌やCDジャケット、ファッションブランドカタログなどの撮影と並行し、光とトーンを活かした作風で活動中。ライフワークでは、フィルムカメラを愛用して旅をベースに光・暮らし・自然・対なるものに重きを置いて制作。全国でグループ展・個展も多数行っている。仕事では国内外様々な場所を旅しながら、作風を生かした撮影依頼を受けることが多い。写真集に『あふるる』、『光の粒子』、『MOI MOI そばにいる』がある。www.mihokakuta.com


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