どんな日でも、毎日景色が違う。写真家が語る 裏磐梯の魅力
裏磐梯を撮りはじめて40年。写真家として活躍し、裏磐梯観光協会事務局長も務める、河井康夫さん。長年、森の変化を見続けてきた裏磐梯の案内人に、この地の魅力を聞きました。
写真家/裏磐梯観光協会事務局長・河井康夫さん
「裏磐梯にのめりこむきっかけは、前職の転勤でした。当時は、写真を撮るために住んでいた郡山市内と裏磐梯を毎日2往復していました。4時に起きて裏磐梯へ行き、撮影をして郡山に戻り、仕事が終わりまた裏磐梯へ…という生活。さすがに1日2往復は疲れるなと思い(笑)、住み始めました。今は起きて5分で撮影できますからね」
10月、秋の西吾妻スカイバレーから見下ろした檜原湖の風景
そう笑顔で語る河井さんが感じる裏磐梯の魅力は、「どんな日でも、毎日景色が違うこと」。裏磐梯は、森の再生が始まり130年しか経っていない、成長途中の森なのだと言います。
雪が積もる2月の小野川湖。朝焼けを浴びる水面の靄が幻想的
「今日と明日、同じ時間に同じ場所に行っても、天気や気温で刻々と景色が変わります。それが、未だに飽きず撮影し続けられる理由ですね。私がここへ越してきたときからも、森の風景はがらりと変わりましたよ」
日々撮影をする中での、河井さんのお勧めスポットを聞いてみました。
「私がよく撮るのは曽原湖周辺。湖の北側から南を向いて撮影すると、湖と磐梯山が綺麗に写りますし、形の美しい樹木も多い。五色沼は人気がありますが森の中なので、陽が射すのに時間がかかります。だから朝日を撮りたい方には、曽原湖をお勧めしますね」
7月早朝、霧が晴れていく檜原湖。空と湖面の美しいグラデーション
日々更新されている裏磐梯観光協会のHPの写真は、ほとんど河井さんの写真。良い撮影地は「自分だけのもの」にしたくなりそうなものだが、河井さんはすべて公開し、観光客にも事細かに情報提供しているそうだ。
「良い撮影場所を見つけたら、すぐHPに載せていますね。それを見て『この写真はどこで撮影したのですか?』と聞かれたら、場所も時間も、すべてお伝えします。それで『いい写真が撮れた』と言ってもらえると、とても嬉しいです。この裏磐梯でいい写真を撮って、笑顔で帰ってもらえたなら、それで幸せですね」
10月の毘沙門沼は、探勝路入り口の高台からこの景色が見える
そして、裏磐梯にはまだまだ手つかずの自然がたくさんある、と河井さん。
「新しいフォトスポットを見つけるのは本当に楽しいですね。今年も桜の良い撮影地を見つけました。まだきっと誰も撮ってない!HPに載せるので、楽しみにしていてください」
河井さんは、満面の笑みでそう答えてくれました。
裏磐梯観光協会
観光パンフレットも豊富に設置され、情報収集のために最初に訪れると便利。
〒969-2701 福島県耶麻郡北塩原村大字桧原剣ケ峯1093-1055/☎0241-32-2349/www.urabandai-inf.com
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