ヴォーグ イタリアが主催するフォトフェスティバル「Photo Vogue Festival」が作品募集中! 日本人写真家にとってチャンスな理由とは?
テキスト=速水惟広(T3 PHOTO FESTIVAL TOKYOファウンダー)
世界的ハイ・ファッション誌「Vogue(ヴォーグ)」。その中でも、こと写真に関して言えば「Vogue Italia」がトップに君臨すると、かつてNew Yorkに住む友人のアーティストに言われたことがある。
だから、「Vogue Italia」を率いる同誌ブランド・ヴィジュアルディレクターのアレッシア・グラヴィアーノが、「Photo Vogue Festival」を手掛けていると聞いたとき、「どんなフェスティバルなんだろう?」と素直に興味を持ったのを思い出す。
“多様性を認める” Photo Vogue Festival
「Vogue」の名前がついた写真祭。そう聞くと、「ファッションフォト」のイベントを想像するかもしれない。(それはそれでかなり興味深いし、世界中のファッション関係者が集まる派手なイベントになる気もする)。けれど実際はちょっと違う。
世界中でフォトフェスティバルが多数行われている中で、それぞれにユニークネスが求められているが、「Vogue」の場合、その中心に「フェミニズム」や「ジェンダー」といった「多様性を認めること」を添えているのが特徴だ。
第4回目のテーマは「システムの中のグリッチ、固定観念の脱構築」
そんな中で、今年第4回目となる「Photo Vogue Festival」が11月にイタリア・ミラノで開催される。テーマは、「システムの中のグリッチ、固定観念の脱構築(A Glitch in the System, deconstructing stereotypes)」だ。なんだか小難しそうに聞こえるが、ここでいう「システム」とは、政治、経済、社会などにおける「制度や体制」のこと。「グリッチ」とは、欠陥、故障、バグといった意味になる。
社会における「グリッチ(異端)」の存在こそ、固定観念から脱するために必要なものではないか?私たちの無意識に問いかけるような作品を展示したいという思いが現れたテーマだと思う。
日本の写真家にとってチャンスな理由
現在、「Vogue Italia」では7月末まで、上述のテーマで世界中の写真家を対象に作品を募集している。アレッシア・グラヴィアーノをはじめとした、国際色(かつ多様な人種、ジェンダー)豊かな33名の審査員によって選ばれた作品は「Photo Vogue Festival」にて展示される。
実は、これ、日本の写真家にとっては、相当のチャンスではないだろうか?とこの文章を書きながら私は思っている。なぜなら、西洋以外のエリアの写真家からの「投げかけ」こそ、まさにテーマそのものの「グリッチ」になり得るからだ。
応募は「Photo Vogue」のサイトから写真をアップロードするだけなので、興味はある方はぜひトライしてほしい。
*「Photo Vogue」は世界中から写真を募集しており、審査を通った作品は「Vogue Italia」のWebサイトでプロフィールとともに掲載される。「Photo Vogue Festival」での展示作品は、7月末までに「Photo Vogue」を通じて応募された写真のなかから選ばれる。
応募方法を日本語訳付きで解説!
応募は、「Photo Vogue」のサイトで基本情報の登録と写真をアップロードする。こちらの記事では日本語訳付きで詳細を解説しているので、ぜひチェックを。
Photo Vogue Festival
対象 年齢、国籍、プロ、アマチュア問わず
選考委員 アレッシア・グラヴィアーノほか33名の審査員
応募枚数 1枚から応募可
応募費用 無料
応募方法 「Photo Vogue」のサイトから写真をアップロード。※PHaT PHOTO Webサイトで「Photo Vogue」でのアップロード方法を解説しています。
応募締切 2019年7月31日(水)※写真のアップロードはイタリア時間の月~水の午前8時~午後8時になりますのでお気をつけください。
Webサイト www.vogue.it/fotografia/article/la-giuria-photo-vogue-festival-2019