ステップアップのヒントに! フォトコンPPC vol.116 「もうちょっとで入選!」審査員の講評
「思い出に残るということ」カワナカシンペイ(東京都)
小さな子供たち2人が寄り添って座っている姿、そして左に何か被写体があるのでしょうか、大人2人も、夢中になって写真を撮ろうとしている様子がほほえましいです。子どもたちは目で見て風景を心にとどめ、大人は一生懸命写真を撮ろうとしている。その対比をとらえたとのことでしたが、子ども、大人に関わらず、その一瞬をそれぞれの方法で大切に思っている様子がいいなと思いました。
「夢遊手」Arki(茨城県)
写真を見て、どんな状況の写真だったんだろう、この手は誰なんだろうと思っていたら、「空港で夜を明かしていた時、目の前のベンチで寝そべっている老婆が、突然、動き出した」とあり、意外でした。背景をすっきりとさせて、豪華なアクセサリーと手のしわと形にフォーカスしていたから、いろんな想像ができたのかもしれません。写真の色味がもう少し仕上がっていたら、もっと良くなっていたと思います。
「神様は現れるか?」畠山雄一郎(宮城県)
黄泉の国へ繋がっているような、この世とあの世の境目の階段のように見えて少し怖さを感じる写真です。夜の真っ暗な稲荷神社で、キツネの像をiPhoneでフラッシュを使って撮影したら、スマホケースの内側で反射した光でフレアが出たとのこと。きれいに撮った写真とはまた違う、心を揺さぶられる写真でした。この失敗を逆にルールにして撮影しても面白いかもしれませんね。
「CATERPILLAR」水池葉子(兵庫県)
廃スキー場にあった重機のキャタピラーの、存在の違和感と物寂しさを捉えて撮影したという1枚。通常見る地面に足をつけている形ではなく、縦にポツンと置かれているところが、面白いです。重機が横に倒れたのだろうか、という想像や、別のオブジェにも見えてきます。ただ、背景とのバランスの工夫で、もっと不思議な写真にも見せることができたような気もしました。
「雲のある風景」今村修(埼玉県)
青い空、白い雲、土手の緑とヌッと伸びた街灯。そこに自転車に乗ったお母さんと子供の姿。風景と人物の大きさの対比がとても面白い作品ですね。きっとこのお母さんはお子さんを乗せた自転車を必死にこいでいて、周りの風景を見ている余裕などなく、帰り道を急いでいるだけなのだと思います。でもこうやって広い視点でとらえるとまた違う景色に見えるのが写真の面白さだなあと思いました。