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HOW TO / 作品制作のヒント

ステップアップのヒントに! フォトコンPPC vol.116 「もうちょっとで入選!」審査員の講評


「黄昏」宮島隆宏(東京都)


とても美しい構図の写真で、見とれました。写真の下部分の街並みをあえて切りとってしまったことで、スケール感の大きな風景に感じられます。街灯のデザインもシンプルで素敵ですね。気になったのは、空の色です。少し黄色が強いようにも感じました。街灯の光がもっと際立つように、空がもう少し、濃いブルーになってきたときに、写すのもよいかと思いました。

「一人旅」takabo(兵庫県)


ニュージーランド・北島の最北端にある砂丘でサンドスキーを楽しんでいる様子を望遠レンズで切り取りスクエアにトリミングした写真とのこと。「砂丘は大きなホリゾント(背景の幕や壁)」と語ったのは鳥取の写真家、植田正治氏ですが、まさに舞台を見つけてうまく切りとられたと思います。一人旅というタイトルはあまりマッチしなかったので、この風景に対してのタイトルをつけられるとよかったかもしれませんね。

「忘れ物」奥村幸夫(福岡県)


写真の面白さの1つは人とは違う視点からものを見ることだと思うのですが、まさにこの写真は誰も気づかない置き忘れた傘を主役に切り取っているところに惹かれました。またその時の自分の寂しい気持ちを重ね合わせているという、作者の感情が伝わってきます。いつかこの傘は誰かに拾われるのでしょうか、それともゴミとして捨てられるのでしょうか。知らない街角の傘に、思いをはせてしまう1枚でした。

「今日この場所この時間。」植田孝志(滋賀県)


光がすっと壁に当たって、すっと床に伸びた気持ちのいい写真です。何か神秘的な雰囲気も感じました。作者はこういった、再び出会えるかわからない一瞬に美しさを感じて写されたとのこと。確かに日々生活しているとき、ふと思いがけない美しい光に出合い、感動することがあります。これは、写真をやっている人だからこその感覚なのかもしれませんね。ハッとさせられました。

「乱れ髪」イトウエージ(千葉県)


なんだか不思議なポートレートです。女性の顔をツヤツヤした黒髪が覆い、右手が不自然に上がり、女性の左側には地支線がある。さらに背景から海沿いだということがわかります。顔は見えていないし、ポーズも取られていない。いわゆるモデル撮影などの写真とは真逆の写真ではありますが、手の白さや浮き出た血管、鎖骨、ツヤのある髪の毛など、ディテールから美しさを感じられる写真でした。


STORY TELLER / 写真家達の物語 vol.37

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