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HOW TO / 作品制作のヒント

もう一歩先の作品づくりを目指したい人へ強くおすすめしたいアイテムとは?
小澤太一さんがカラーマネジメントモニターBenQ SW271Cをレビュー


ライフワークは「世界中の子ども達の撮影」、世界各国を回りながら作品制作をしている写真家、小澤太一さんに、カラーマネージメントモニターBenQ SW271Cを使用していただき、レビューしていただきました。


text:小澤太一

デジタルカメラで作品をつくっていく過程において、モニターというのはとても重要なアイテムの一つです。そして、その価値がなかなか多くの人に伝わりにくいアイテムであるとも感じています。カメラやレンズにはすごくこだわるのに、そこから生み出す作品を制作する時に使うアイテムにも、もっと目を向けてもいいのではないかと常々思っています。そんな中で、今回はBenQ SW271Cを使ってみたのですが、『あ、これはいいな』と思う部分が多々あり、ぜひみなさんに紹介します。

作業効率を上げてくれるアイテム

僕がモニターに求めたいことは2点あります。
①『作業を効率よく進められること』
②『正確な色が見られること』

僕は普段、27インチのiMacをデスクトップマシンとして活用していますが、そこにモニターをもう一つ繋げて、デュアルモニターとして使用しています。今回はSW271Cを繋げてみました。どちらも27インチのモニターですが、ミラーリングとして同じものを出力するのではなく、デュアルモニターにしているので、当然作業の画面は2倍になるわけです。こうすることで、例えばキヤノンDPPを使ってセレクトやRAW現像しながら、細かい調整部分はPhotoshopを使って画像を追い込んでいく、というような複数のソフトを使い分けしながら作業する時にも、広い画面にいくつも画像を並べながら作業ができるので快適です。また、最近よくやるのですが、一つの画面にYouTubeでソフトの使い方を流しつつ、もう一つの画面で実際に操作をしながら学ぶ…そんな使い方ができるのも、広く作業できる画面があるからこそ!モノを作ることにおいて、作業をするテーブルが大きいに越したことはないと思うので、パソコンでの作業画面も大きい方がいいと考えています。

SW271Cを使うことで作業効率がアップする部分が他にもあります。まずは60W給電可能USB Type-C端子を搭載していることで、ノートパソコンと接続した場合にも、『出力と電源』を一つのコードだけで済ますことができます。僕の場合、外での作業用にSurface Book3を使ったりするのですが、仕事から戻ってきてSurface Book3でそのまま作業する時にも、Type-Cコードを挿すだけで大きなモニターで作業を進められるし、電源周りも気にしないでいいのでスッキリします。

USB Type-Cで接続して給電しながら作業できる

また、モニターの背面にはSDカードのスロットやUSBのポートが2つ付いているのも便利です。後述しますが、キャリブレーターもここにつければいいわけです。ハブを用いずコードの少ない作業環境は、きっと気持ちよく仕事ができるはずです。

モニター背面のSDならびにUSBポート周り

付属のホットキーパック(OSDコントローラー)は、SW271Cの使い勝手をさらに快適にしてくれるアイテムです。モニター前面には操作するボタンも付いていますが、ホットキーパックを使って操作した方が圧倒的に早いし、直感的に操作できる点も見逃せないです。例えば、コントローラキーにカラーモードを割り当てて、1はAdobe RGB、2はsRGB、3はモノクロと設定しておくだけで、あとはボタンを押せばモニターの表示が瞬時に切り替わるのです。

作業効率を上げてくれるホットキーパック

僕はカラーとモノクロ、どちらも同じくらい作品を撮る時に使っています。これまでだとRAWを使ってカラーで撮影しておき、後から『モノクロだとどうなるのかな?』と思うような時も、RAWデータを調整画面で<カラー→モノクロ>に変えてみることで、やっとモノクロのイメージを実際に見て確認していたのですが、当然手間や時間がかかるわけです。そんな作業をごく、たま〜に…するだけならば特に気にならないかもしれませんが、頻繁にモノクロに変えたりするとなると、できるだけ手間は減らしたい。そんな時にホットキーパックを使うことで、カラーとモノクロを簡単に切り替えられるので、仕事もスピーディーに進められます。

コントローラキーに割り当てるモードをカスタマイズできる

モニターに求められる『正確な色再現性』

そして、カラーにおいてもAdobe RGB99%をカバーしている点は、ギリギリの色再現にこだわって作業する上では重要な部分ですし、仕事ということにおいては、汎用性のあるsRGBでの見え方も常に意識しておきたい部分です。その2つをボタンで瞬時に切り替えて表示できることは当然便利なわけです。目的に合わせてどんな見え具合になるのかを実際に確認しつつ作業をすることで、微妙な判断を求められる色を、よりうまく扱えるようになるわけです。ホットキーパックの快適な操作性が、それを手助けしてくれるのを実感しました。

色の表示といえば、面白い機能が備わっています。GamutDuoという機能で、1台のパソコンから異なる色空間の写真を2枚同時に並べてその違いを見ることができたり、2台のパソコンから別々に画像を出力して、ひとつのモニター画面で確認することができます。

GamutDuoでAdobe RGB(左)とsRGB(右)を比較

さて、モニターという製品でもっとも重要な部分は、『正確な色の再現性』なのは言うまでもないでしょう。せっかくこだわり抜いて綺麗な色で撮影していたとしても、正確な色表示ができるモニターで見ないとそれがわからないし、画像を調整するにしてもモニターが正しい色を表示していないと、何を頼りに画像調整していいのか判断できません。SW271Cは正確な色再現やキャリブレーションにこだわったAQCOLOR技術を採用。これはBenQ独自のもので、色精度に対するこだわりを感じられる部分でもあります。またCalMAN認証およびPANTONEカラー認証取得をしていることで、幅広い視野で品質保証もされていて安心です。

実際にSW271Cのモニターを見ながら画像を調整し、プリントしてみましたが、モニターとプリントがほとんど同じ見え方をしています。当然、モニターは透過光で見るし、プリントは反射光で見るので、厳密な意味での完全一致というわけにはいきませんが、ほぼモニターで見た通りのプリントといっても過言ではないでしょう。多くの人がよく言う『モニターで見ているのと、出力したプリントの色味が全然違う』という悩みは、このモニターを使っている限りは心配ないでしょう。もちろん紙のロスや手間をかける時間も減るし、色合わせで悩むストレスも減って、いいことだらけです。

モニターとプリント(A4)を比較

それに加えて、ハードキャリブレーションにも対応しています。別売りにはなりますが、キャリブレーターを使うことで、より間違いない色の管理ができるわけです。実際にi1Display Proを使って試してみましたが、無料提供されている専用ソフト『Palette Master Element』を使うことで、簡単に確実な色管理ができることを実感しました。作業時間も『簡易』を選んでやってみたのですが、トータル作業時間がたった7分ほどで、特に難しい作業も必要とせず待っているだけでした。

ハードキャリブレーションをしている様子

モニターには立派な遮光フードを標準装備しているのも見逃せません。組み立ても簡単で、遮光効果も高いです。また、モニターを通常の横使いか、またポートレート用として縦使いするかで遮光フードの使い方も変わるのですが、縦横それぞれにしっかりパーツが用意され対応しています。遮光フードの中央上部分にはキャリブレーターを通す開閉式の穴も開いていて、キャリブレーションの時には便利です。

標準装備の遮光フード

キャリブレーターを通す穴があり、とても便利

さらに、モニター自体の見え具合もとても高精細で、写真の微妙な階調などもしっかり再現されていて見えやすいです。反射を最小限まで抑えた液晶パネルは、いわゆるモニターっぽいギラギラ感がなく、変な言い方ですが、まるでプリントを見ているようです。画像調整やプリント作業は気がつくと長時間になっていることも多く、この目に優しいモニターのありがたさをより感じることになるでしょう。

モニターというアイテムは、作品制作の過程においてはゴール部分…つまりアウトプットされるプリントにより近い部分にあります。ある意味、色を管理するということでは、カメラやレンズ以上に重要なアイテムといっても過言ではありません。

今までパソコンのモニターの見え具合や色管理に不満を持っている人がいたら…また作品づくりにおいてもう一歩先を目指したい人がいたら…BenQ SW271Cを使ってみてください、と強くおすすめしたいです。スペックや機能面においても、色再現性においても、写真編集用モニターの実力をしっかり体験できるはずです。また、大きなモニター画面での作業の快適さを一度味わってしまうことで、もう元には戻れないと思うでしょう。そしてきっとこう感じるはずです…『もっと早く使っておけばよかった』と。

BenQ SW271C

主な仕様

●Adobe RGB99%対応写真・映像編集向けカラーマネージメントモニター
●27インチ4K UHD(3840×2160)の解像度のIPSパネル採用
●正確な色再現を可能にする「AQCOLOR」技術採用
●Adobe RGB99%、sRGB/Rec.709 100%、DCI-P3/Display P3色域 90%までカバー
●スムーズなカラーグラデーションを可能にする10bit色深度
●ムラ補正技術により、均一なユニフォミティを実現
●ハードウェアキャリブレーション対応
●キャリブレーションソフトPalette Master Element(付属)が利用可能
●カラー写真をモノクロでプレビューできる3段階のモノクロモード
●異なる色空間の映像を左右に並べて同時に表示できる「GamutDuo」機能
●Pantone認証、CalMAN認証を取得
●HDR10(PQ方式)・HLG方式対応
●60W給電可能なUSB Type-C搭載
●モニター(遮光)フード標準搭載
●3年間保証/修理期間中に代替機貸出できる「センドバックサポート」対象製品

SW271Cの製品はこちら

小澤太一

1975年名古屋生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、写真家・河野英喜氏のアシスタントを経て2000年独立。雑誌や広告を中心に、子どもからアーティストや女優まで、幅広く人物撮影が活動のメイン。写真雑誌での執筆や撮影会の講師・講演など、活動の範囲は多岐にわたる。ライフワークは「世界中の子どもたちの撮影」で、年に数回は海外まで撮影旅行に出かけ、写真展も多数開催している。キヤノンEOS学園東京校講師。公益社団法人 日本写真家協会会員。身長156cm 体重39kgの小さな写真家である。https://www.kozawataichi.com/


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