フォトまち便り「Hello Local」vol.41 郡山写真部~ペグマタイト鉱石が繋ぐ過去から現代の人の繋がり~
紀南、富山、郡山、下田の地域写真部が綴っていく連載企画「フォトまち便りHello Local」。
日本には古来から岩石を御神体として崇める信仰(磐座/いわくら)があります。郡山市内にある鹿島大神宮も同じペグマタイト鉱石を大切にされてきました。今回、郡山写真部の松田さんは鹿島大神宮に訪れ、その土地や人に出会い、何を感じ、考えたのでしょうか。
こんにちは。郡山写真部の松田 達也です。
今回は、鹿島大神宮のペグマタイト鉱石についての記事となります。
鹿島大神宮は個人的に気になっていたスポットの一つで、神社にとても大きな鉱石があり神秘的なスポットです。パワースポットでマイナスイオンに溢れているスポットと噂も耳にした事はあります。
そんな鹿島大神宮内のお話を聞くために、神主の渡辺雅子さんにインタビューをしてきました。
ペグマタイト鉱石と鹿島大神宮について
まず「ペグマタイト鉱石って何?」って疑問に思う方もいると思うので、簡単な説明を!!
ペグマタイト鉱石とは、大きな結晶からなる深成岩の総称です。工業用品(ガラスや光学レンズ)の原料としても使用されています。鹿島大神宮にある鉱石は、とても大きな鉱石で神様として祀られています。
ペグマタイト鉱石がお祀りされている神宮内に向かうために、鳥居をくぐって石段を登ろうとすると大きな杉の木が。その大きさに圧倒されながらカメラのシャッターを切りました。樹齢は400年です。そこには神秘的な力が宿る大きな門という印象を受けました。
石段を一歩一歩、登りながら「この先にペグマタイト鉱石がある」。
そう思うととてもわくわくして興奮を抑えられませんでした。
石段を登り終えると、大きな社殿と鉱石が見えてきました。鹿島大神宮のペグマタイト鉱石は、神社の大神様をお祀りしたもので、神様がお鎮りされる御神体として昔から信仰されています。
鉱石を拝見しましたが、本来こんなに大きな鉱石が地表に露出している事は珍しいとの事で大昔の地殻変動で露出したそうです。
ただこの時、私には自然現象で事実を呑み込めず、鉱石に神秘的な力が備わっていて地表に出たのでは?とふと思いました。それほどに圧倒的な大きさと森と鉱石という組み合わせはとても神秘的な力に溢れていたのです。
また、昭和10年から昭和30年前半は、大きな鉱山が有り採掘産業としても栄えていましたが、現在は採掘し終えて鉱山は存在しておりません。
撮影した時期は、7月の中旬でちょうど大きな百合の花が鉱石周辺に咲いていました。
ここまで大きく美しい百合は見た事がありません。ペグマタイト鉱石の神秘的な力の片鱗により、御神体に咲いているのかな?とふと思いました。
また、近くに白く光るペグマタイト鉱石がありました。
鉱石には触れる事ができ、白く綺麗な部分は参拝された方々が多く触った箇所で、昔~現代の様々な方達が触れてる証でありパワーを感じました。近くで見てみると触れている・触れていない部分で色の差が違う印象をもちました。
勿論、私もペグマタイト鉱石の白い箇所に触れてパワーを頂いてきました。
この日は、暑い日でした。触れてみるとひんやり冷たかったです。
神主さんの取り組み
神主の渡辺雅子さんからペグマタイト鉱石のお話を一通り聞いた所で、神主さん自身が取り組んでいるお話を聞きました。
渡辺さんは、参拝者や地域の方と交流する事が大好きです。
最近では、鹿島大神宮内で「神社で行き合おう」という、神社に来た人達が交流するイベントが企画されました。
このイベント企画は、去年に郡山市が主催する「こおりやま街の学校2021」のプロジェクトに渡辺さんが参加し、そこで知り合った仲間と共に企画をしたのが「神社で行き合おう」です。
この数年は、コロナ渦により人と会って交流する事が難しく、笑顔で話し合う場が遠くなりつつある事が寂しく思われていたそうです。こんな情勢だからこそ感染防止に努めながら、人と人が楽しく交流できる場所を作りたいという事で企画されたそうです。
神社は古くから人と人とが交流する場所、歴史上の人達・昔の人達の気持ちが残ってる。
神社内で現代の人達が出会いそして交流する事によって、次元を超えて昔の人の思いと現代の人の思いが交錯する事が大変嬉しいと笑顔で話されていました。
私はこの言葉を聞いた時に、今日のインタビューも鹿島大神宮内の人の記憶として残っていくのだろうとインタビューに更に気合が入りました。
当日は、思った以上の来場者があったそうで、郡山市小原田にある里守カフェさんが出張カフェで提供された数量限定のスパイスチキンカレーもすぐに売り切れになったとの事です。
仲間達と企画をしたが、来てくれた参加者皆さんがとても楽しんでくれたから、また来年も企画したいと仰っていました。
私が感じたこと。
インタビュー中、終始笑顔で楽しくお話をされてました。
「神社で行き合おう」の企画も、ペグマタイト鉱石の人を結びつける神秘的な力と神主さんの人との関りを大事にする謙虚さから、企画に賛同してくれる仲間が集まり成功に繋がり、人と人が集まる場になっているのではないかとは思いました。
今回のインタビューを終了後に私なりに思った事があります。
コロナ情勢で人との関わりを持つ機会が減少していますが、イベントを企画している方たちを尊敬しています。私ができる事は写真で表現をしたり、フォトまち便りの記事を執筆して全力で応援する事が素晴らしい事だと思いました。
来年、「神社で行き合おう」のイベントが企画された時は、私も参加してイベントを楽しみたいと思います。
神秘的な力がある巨大なペグマタイト鉱石が祀られている鹿島大神宮はとても素敵なスポットです。読んでいる読者さんも一度行ってみてはどうでしょうか。
松田達也
1986年生まれ。郡山市生まれ郡山市育ち。
郡山写真部は2期生として入部。春夏秋冬問わず、地元の街並みにシャッターを切っている。
郡山に住む写真好きの仲間が集まり、2018年から活動をしている「郡山写真部」。
郡山のまち、人の魅力を「写真」を通じて見つめ直し、「#郡山写真部」で発信しています。
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