1. HOME
  2. Magazine
  3. フォトまち便り「Hello Local」vol.40 下田写真部~下田だから撮れたもの~
Magazine

フォトまち便り「Hello Local」vol.40 下田写真部~下田だから撮れたもの~


紀南、富山、郡山、下田の4つの地域写真部が綴っていく連載企画「フォトまち便りHello Local」。今回は、下田写真部の渡邊ちひろさんによる投稿です。実はポートレート撮影が苦手だという渡邊さんが、今、自信をもってカメラを構えられる理由。それは”場所”にあるといいます。下田だから撮れた素敵なポートレートをお楽しみください!


下田だから撮れたもの

私はポートレート撮影が苦手だ。
と言うより、得意な撮影方法は特にないのだけれど、とりわけポートレートが苦手である。

本業は接客業なので人と話すことは好きなのだけど、撮影となるとまた別で、難しい。
一眼レフカメラという、ガチカメラなのも理由のひとつなのかもしれない。
被写体になってくれる人同様、こちらも構えてしまうからだ。
(カメラも気も構えている。笑)

ポートレートが苦手な私でも、何となく良く撮れてしまう場所がある。
それが”下田”なのだと、写真部の活動をしていて実感していくことになった。

何となく、というのが合っている言葉か分からないけれど(カメラの設定はいじっているので何となくではないか)、何枚か自分が撮ったポートレートで自信のあるもの、そして下田だから撮れたものたちを見ていただきたい!

「natsu」

こちらは白浜の大浜海水浴場。
下田と言えば海!だとは思うけれど、晴天の中のTHE海!だけではない。

海はもちろん青くてきれいだけれど、それに加えてこの空!マジックアワー!最高!
電線や鳥たちがいなかったのもばっちりで、でもとにかく空が!

よって被写体の彼女も、初デートの終わり際、な雰囲気が出ていてすごくよかった…

「プロポーズ大作戦-1」

 「プロポーズ大作戦-2」

海で言うとこちらも。
こちらは記念に撮らせていただいたショットだけれど、1枚目はその青さ、2枚目は水のきれいさ!

良すぎた…

ちなみに場所は爪木崎の九十浜海水浴場。

下田は海水浴場だけ(砂浜だけ)ではなく、ジオ的地形で岩や石もたくさんあるのがいいところ。

「ぼくはつよい」

記念写真繋がりで、こちらは七五三を撮らせていただいたもの。
羽織袴の色と海・空の色が絶妙だった。

「やっぱりママが好き」

こんなオフショットも、この場所だからこそ。
背景に神殿が写るこの参道が、良い…
反対側から撮らない限りは絶対に写る配置。

神社は神社でも、神殿じゃない場所でも良いところがある。

「私たちはここで育ったー1」

「私たちはここで育ったー2」

トトロのような世界観…!

自然がたくさんの神社だからこそ撮れた写真だったと思う。
ちなみに蓮台寺の天神神社。

いい雰囲気が出るのは神社だけではない。
町の中でだって!

「今日から大人」

成人式の日に撮らせていただいたもの。
着付けてすぐだったため朝の早い時間で、周りに人がいないのも功を奏した。

後ろ姿だけれど、振袖とまちの陰影と、陽の光がマッチしている。
周りの建物の色もばっちり合っていた。

こちらは1丁目のPARAISOさんの近く。

「イベント仕様で失礼します」

コロナ禍前の黒船祭にて、仮装をしていたふたり。
下田にとっては特別なイベントだから、その日は特別なことをしている人も多い。
がっつりな仮装や、普段着ない着物を着ているところをおさめられるのもイベントのいいところ。

「いらっしゃ~い」

町の中と言えば、のお店の前も!こちらは羽衣さん。
2階に泊まることもできるし、1階では雑貨販売、そしてマッサージもしてもらえる場所。
のれんがいい仕事をしている。

「タバコ屋のマリコ」

こちらはもう閉めてしまっているけれどタバコ屋さんの前。
閉まっているのにこんなに”いい感じ”のところある!?となったので並んでもらった。
(なおこちらは蓮台寺)

「かわいいなら撮る」

お店の赤がよく効いている1枚。
こちらは白浜にあるカフェだけれど、白浜は海の青だけじゃないのを伝えられる…
前に立つだけでかわいいのは反則だと思う。

「ここだけの世界最高」

うって変わって山の中のコテージも。
そう、本当に、海だけではないのだ。

静かに過ごしたい人にはうってつけ。
木造のコテージと周りの緑、のびのび過ごせるのがよく分かる。

「シャクナゲ女子」

自然と言えばこちらも。
シャクナゲが満開よ!と聞いて撮りに行ったときの一枚。
自宅で一輪、とかではなく、背景全部がそれになる、なんてことは、自然界でないと起こらない。

といった感じで、渾身の一枚が選べないくらいには、良きポートレートが撮れている(と思う。どうか調子に乗らせて…!)。

それはもちろん被写体の人との連携も大事だけれど(そしてカメラの性能がいいに越したことはない)、場所選びがもっと大事だと私は思っていて、そのふたつが合致したときに最高の一枚が撮れると思う。

どこでもいいわけではない。

海だからよかったし、山の中、緑の中だからよかったし、下田のまちの雰囲気の中だからよかったし、下田のお店の前だからよかった。

ポートレートは苦手だけれど、この場所だったから撮れた。
下田だから撮れたのだ。

私はこれからもきっとポートレートは苦手だと思うけれど、”下田で撮るなら大丈夫”な気がしている。


渡邉 ちひろ

下田生まれ下田育ち、根っからの祭りっ子。
大学進学をきっかけに上京し、都内雑貨店勤務を経て、自分のお店”文房具・雑貨moi”を開くためUターン。現在は念願の第一子育休中。

文房具・雑貨 moi Instagram:https://www.instagram.com/moispice

下岡蓮杖の生誕地、伊豆下田で、写真好きな仲間が日々の暮らしを発信したり、高校生とのフォトツアーなどを開催しながら「写真のまち」を目指して活動中。現在、部員13名。
下田写真部公式Facebook https://www.facebook.com/shimoda.photo
下田写真部公式Instagram https://www.instagram.com/shimoda_photoclub


STORY TELLER / 写真家達の物語 vol.37

フォトディレクターの推し写真集

まちスナ日和