1. HOME
  2. Magazine
  3. HOW TO / 作品制作のヒント
  4. レンズ選択の幅が広がるマウントアダプターとは?―メリットと失敗しない選び方
HOW TO / 作品制作のヒント

レンズ選択の幅が広がるマウントアダプターとは?―メリットと失敗しない選び方



「求める写真に少しでも近づきたい」
「自分の写真には何かが足りない」
「表現の幅を広げたい」
写真を撮り続けていくにつれ、多くのフォトグラファーはそう思うようになるのではないでしょうか。

写真は撮り手の思いを伝えるメディア。「何をどう伝えるか」の核は撮影者自身の人となり、育んできた問題意識など、撮り手それぞれの内面やキャラクターにあるのでしょう。そのうえで、撮影の結果として実際に写し出されたイメージそのものには、ほかのさまざまな要素も複合的に関係しています。

テキスト=渡邊浩行 / 写真=吉田藍

< 目次 >
1.レンズを変えるとイメージが変わる
2.レンズ選択の幅が広がるマウントアダプターとは?
3.プロカメラマンがマウントアダプターを使う2つの理由
4.マウントアダプターの種類を知る
5.失敗しないマウントアダプターの選び方
6.プロに信頼されるメタボーンズ社製品の魅力とは?

1.レンズを変えるとイメージが変わる


使用機材もその一要素。例えば、ある被写体を撮る場合に“デジタルを使うかフィルムを使うか” “自然光で撮るかフラッシュを使って撮るか”で写真の印象は変わります。機材が写真のニュアンスに少なからず影響することを考えると、その選択も撮り手のキャラクターの表れだといえるのではないでしょうか。

写真のニュアンスに密接に関わる機材がレンズです。目の前の光を捉え一個のイメージとして切り取り、定着させる写真撮影において、レンズそれぞれの描写特性は写真の雰囲気やテイストに表れます。下の3点の写真を見てください。

使用レンズ:ソニー SEL2470Z 24-70mm F4

使用レンズ:ライカ ズミクロン 35mm F2

使用レンズ:コンタックス G35-70/3.5-5.6

これらは被写体を同じ条件で、レンズのみを変えて撮影したものです。撮影に使用したカメラはソニー製のα7s。レンズは上からソニー純正レンズ、ライカ製レンズ、そして、コンタックス製のGレンズの3種類。どれも焦点距離は35mm、絞りF4で撮影しています。色味、空気感、明暗のグラデーションなど、描写の傾向はレンズごとにそれぞれ独特です。

「テーマ」「被写体」「光のコンディション」等々、撮り手にとっての必然的な要素の選択と組み合わせの結果が写真作品だとすれば、レンズもその一部。可能な限りの選択枝の中から自分の写真に合ったものを追求するのに値するでしょう。とはいえ、通常はこの作例のように、ソニー製のカメラでライカやコンタックスのGレンズを使用することはできません。撮影できているのはマウントアダプターを使っているからです。

2.レンズ選択の幅が広がるマウントアダプターとは?


マウントアダプターとは、マウントの異なるカメラとレンズを装着するためのアダプターのこと。


マウントとはカメラとレンズの接続部分の規格を意味し、その形状はカメラメーカーによってそれぞれ違います。例えば、キヤノンのカメラにニコンのレンズを装着することができないのはマウントの規格が異なるから。そのため、キヤノンユーザーは原則的にキヤノン純正のレンズかサードパーティー製のキヤノン対応レンズを使用することになります。


ところが、マウントアダプターで変換すれば、本来装着できない異なるマウントのカメラとレンズを使用することが可能になります。このことは、使えるレンズのバリエーションが増えることを意味し、撮り手にとってレンズ選択の幅が広がることは、数多くのレンズから自分にとってベストの1本を見つけ出す機会が増えることになります。

このマウントアダプターについて、銀一スタジオショップの山田浩一さんにお話をうかがってきました。

3.プロカメラマンがマウントアダプターを使う2つの理由


銀一スタジオショップは東京・月島にある老舗の写真機材店。品揃えの点数と幅広さ、スタッフの方の持つ情報量の豊富さ、サポートやサービスの細やかさから、写真表現の最先端で活躍する多くのプロカメラマンに支持されています。

銀一スタジオショップ・山田浩一さん

山田さんによれば、カメラマンがマウントアダプターを使う理由には、大きくわけて2つあるといいます。


「1つは、カメラを別のメーカーに切り替えた際に、過去に使っていたレンズを使いたい場合です。複数のレンズの中から撮影に合ったものを仕事に応じて使い分けるプロカメラマンの場合、カメラ本体のメーカーを切り替えるとレンズも一から揃える必要が生じます。その費用は馬鹿になりません。マウントアダプターを使えば元々持っていたレンズをそのまま活用できます」

「もう1つは、使用するカメラにはないラインナップのレンズや今のレンズでは出せない味のあるオールドレンズなどを使う場合です。例えば使っているカメラのレンズラインナップにシフトレンズ(※)のような特殊なものがない場合に、マウントアダプターで他社製のレンズを装着することがあります。また、レンズにはメーカーごとにそれぞれ違った特性があり、型番や製造年代によっても異なります。純正品では望めない個性的な味わいを作品に活かしたい時にマウントアダプターを使用するわけです」(山田さん)

※シフトレンズ:レンズの光軸を傾けることで遠近感をコントロールすることができる特殊なレンズ。建物を撮影する際に歪みの補正などを行うことができる。

4.マウントアダプターの種類を知る

マウントアダプターには、機構面で幾つかの種類があり、対応レンズの種類にもメーカーごとの違いや傾向が見られます。


「マウントアダプターには、マウントを変換するだけのシンプルなものから、カメラ本体の設定と連動し純正レンズと同じ感覚で撮影できるもの、オートフォーカス機構を搭載したもの、APS-Cのカメラにフルサイズレンズを対応させるレンズを内蔵したものなど、いくつかの種類があります。対応マウントのバリエーションは使用するカメラごとに異なり、フランジバック(レンズの接合部分とセンサー面との距離)の短いソニーのα7シリーズやマイクロフォーサーズ規格のカメラ向けのものの方が、変換できるレンズマウントのバリエーションが多い傾向がありますね」(山田さん)

5.失敗しないマウントアダプターの選び方

そんな、数多あるマウントアダプターの中から1つを選ぶ際に、どのような点に留意すればいいのでしょうか?


「まずは単一の金属素材から削り出したもので、レンズの装着面がきちんと水平が出ている製品を選ぶこと。可能であれば、ショップで実際に装着して、平行が保たれていて片ボケがないか、最短の部分から無限遠までのピントが合うかをビューファインダー上で確認してみるといいでしょう。あまり安いものは精度面やサポートを期待できないことがあるので使わないほうが無難です。ミラーレス一眼デジカメの場合は、フィルムカメラと違って内部の反射が大きめの傾向があるのですが、高価なものの中には反射対策が取られている製品もあります。とはいえ、闇雲に高いお金を出すのももったいないので、ある程度信用できそうな、手頃なものを入手するといいでしょう」(山田さん)

①カメラとレンズの接続部分が単一の金属素材から削り出したものを選ぶ
②実際に試用して、カメラのセンサー部分との平行性やピントを確認する
③安すぎるものは避ける

この3点に留意することがマウントアダプター選びのコツのようです。

「ただし、ほとんどがカメラメーカー非公認ですから、過剰に信用せず、あくまで自己責任で選んで使用してください」(山田さん)

6.プロに信頼されるメタボーンズ社製品の魅力とは?


銀一スタジオショップで扱っている主要なマウントアダプターにメタボーンズ社の製品があります。プロユースを前提に商品を選択している銀一が、数あるメーカーのなかからメタボーンズ製品を選んでいることには何か理由があるはずです。


「プロの現場では映像撮影の際に使用するユーザーが多いという事情があります。メタボーンズ製品は映像用レンズ対応のラインナップが揃っているため、当店のお客様のニーズに合っているんです。国内に代理店があるのでまめに情報共有もでき、故障や不具合の際のサポートが的確で速いことも理由です。プロ向けは大切ですよね。その上で、品質や使い勝手がよく価格も手ごろ。マウントアダプターメーカーはたくさんありますから、すべての製品を試すことは実際には難しい。そこで、メタボーンズの製品を中心に、社内でテストしたうえで販売しているんです」(山田さん)

メタボーンズ製マウントアダプター対応表

参考までにメタボーンズ製マウントアダプターの対応レンズを調べてみると、ソニーのEマウントとマイクロフォーサーズ、フジフイルムのXマウント向けの製品では映像用レンズからオールドレンズまで幅広く対応していることがわかります。

マウントアダプターでベストな1本を

現在使っているレンズに満足していない方や、理想のイメージをより高い精度で追求したいと思っている方は、レンズを見つけるための選択肢の1つとして、マウントアダプターの利用を考えてみてはいかがでしょうか?自分の写真にとって最上の1本を見つけることができるかもしれませんよ。

SHOP info

銀一スタジオショップ

住所:東京都中央区月島1-14-9
営業時間:月曜日〜金曜日 10:00〜18:30 / 土曜日 11:00〜17:00
定休日:日曜日、祝祭日(土曜日が祝祭日の場合は休業)
TEL:03-5548-5131 / FAX:03-5548-5135
URL:www.studioshop.jp
オンラインショップ:www.ginichi.com/shop


フォトディレクターの推し写真集

まちスナ日和