夜スナップのテクニックを学ぶ!
ニコン撮影会レポート第4回


写真家・上田晃司流
「夜のスナップ」withニコンD850

2014年から、株式会社ニコンイメージングジャパンとPHaT PHOTOがコラボして実施している撮影会。今回は、ライフワークとして世界中の街や風景を撮影する写真家の上田晃司さんがご登場!使用したカメラは、昨年9月に発売されて以来話題沸騰のニコンD850です!D850が使える撮影会はレアで、参加者のみなさんもとても興奮されていました。そんな熱気に包まれた撮影会の様子をお届けします。

「シャッターチャンスを逃してしまう」「ただ撮っただけの普通の写真になりがち…」
というスナップ撮影の悩みを解決するためにお招きしたのが、国内外で活躍の幅を広げる上田晃司先生。

今回は、銀座・東京駅・丸の内エリアで自由に散策しながらの撮影。
高画質と高速連写を両立した人気のD850を使って、街並みを生かしたストリートスナップを楽しみました。

上田先生のレクチャーからスタート!

まずは、上田先生によるニコンD850の使い方と、
スナップ撮影でおさえておきたいポイントについて教えていただきました。

レンズの特性や、背景の決め方などを丁寧に説明。
撮影に活かせるメソッドを十分に学びました。

ここで、上田先生がレクチャーの中で触れたニコンD850の魅力ポイントをご紹介!

ニコンD850のここがすごい!

1.高感度

日が暮れた夜の街を撮影して感度を上げると、画面がざらざらなんてことはありませんか?
感度を上げるとノイズが目立ってきてしまうのは、しょうがない…。
しかし、諦めることなかれ!高感度に強いD850ならそんな問題も解決。
4575万画素と高画素ながら、常用感度はISO64~25600を実現。
暗いシーンでもざらつきのないクリーンな写真が撮れます。

2.高速・高精度AF

スナップ撮影では、走り去る車や、歩行者を撮影することもありますよね。
でも、動きが早いとピントが合わないなんてことも。
スナップ撮影のシャッターチャンスはごく僅か。
1秒後には、ねらっていた被写体がいなくなってしまうかもしれません。
せっかくいい瞬間を撮ったのにピントが合っていないのは勿体ない!

そんな時に助かるのが、D850の高精度AF。
ピント合わせの精度がいいクロスセンサー99点を含んだ、フォーカスポイントが153点設けられているので、被写体にピントがぴったり合います!高い精度で捕捉できるので、動く被写体でも安心。スナップ撮影にはもってこいの嬉しい機能です。

フォーカスポイントとは?

ピントを合わせるための目印。
フォーカスポイントが多くなると、ピント合わせがしやすくなります。

≪上田先生の豆知識≫
僕のオススメは、「グループエリアAF」。
選んだ複数のフォーカスポイントにピントを合わせてくれる機能です。
人を撮影する時に、被写体をゲットしやすく、一瞬を逃しません。

3.ハイライト重点測光

暗闇の中で灯る街灯。
夜のスナップ撮影で撮りたくなるような雰囲気のあるこんな場面では、いちばん明るい部分が白飛びしてしまうことも。従来のマルチパターン測光だと、元々明るかった部分がさらに明るくなり、白飛びしてしまうのです。
でも、ハイライト重点測光で撮影すると、画面内の最も明るいところに露出を合わせてくれるので、ハイライトの白飛びを防いでくれます。

 

レクチャーの後は、いよいよ撮影開始!

最初は会場を出てからの大通りで、教えてもらったポイントを思い出しながら、みんなで一緒に肩慣らし。
その後は東京駅に移動し、各自自由に撮影を楽しみました。東京駅はもちろん、周辺の銀座や丸の内も、趣のある風景に溢れたエリア。背景も重要なスナップ写真にはぴったりの場所です。
みなさん夕暮れの寒さも忘れて、撮影に熱中していました。

今回は、上田先生が当日撮影した写真を例に挙げながら、スナップ撮影を成功させるためのコツを少しだけご紹介します!

おさえておこう!スナップ写真の基本のキ

【1】色を意識する

ニコンD850の8種類のピクチャーコントロールを使ってみよう。
自分が表現したいものに応じて使い分けると、撮りたいイメージに近い写真に仕上げることができます。

ピクチャーコントロールとは?

写真の仕上がりを調節する機能のこと。
被写体に合わせて、コントラストや色の鮮やかさなどを、自分の好みに設定できる。
ニコンD850では、「オート」・「スタンダード」・「ニュートラル」・「ポートレート」・「ビビッド」・「フラット」・「風景」・「モノクローム」の8種類があります。

 

少し色鮮やかに、シャープに街を切りとりたいなら、「ビビッド」
やわらかい雰囲気を出したいなら、「ポートレート」や「ニュートラル」がおすすめ。
困ったら、シーンを選ばずに使える「オート」・「スタンダード」が役立ちます!
さらに、明瞭度やコントラストなど細かな設定も可能。
撮りたいイメージをつくって、自分だけの1枚を撮影してみましょう。

上田先生が撮影されたカラーとモノクロ写真の比較。
色が違うだけで雰囲気が変わりますね。

 

photo:上田晃司/D850/AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED/105mm/F1.4/1/250秒/ISO4500

【2】レンズを決める

スナップ撮影では、レンズ選びが重要。
いい場面を見つけたなと思ったら、カメラを構えた瞬間にシャッターを押せる状態であることがベスト!
ズームレンズは便利ですが、距離を定めるまでに時間がかかってしまうという難点も。

基本は焦点距離50mm前後の単焦点レンズを使うのがオススメ!
単焦点レンズがない場合は、焦点距離を50mmに固定しておけばOK。
構図を決める時も、ズームの力に頼りきらずに自分で動く癖がつきます。
一度基準の50mmで撮ってみて、もう少し広い画面がいいのか狭い画面がいいのか、自分の好みを見つけてみよう。

それぞれのレンズの特徴を少しだけご紹介!

≪広角レンズ≫

魅力① 広い範囲を写すことができる
魅力② 遠近感を強調できる

広角レンズは斜めから被写体にアプローチするのが得意。
例えば路地などでは、壁際から撮ってみると、遠近感が出て奥行きも表現できます!

photo:中林克夫さん/D850/AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED/20mm/F4.5/1/8秒/ISO500

≪標準レンズ≫

魅力① 自然な遠近感で撮影できる
魅力② 被写体との距離により望遠的にも広角的にも使える

標準レンズは目で見た感じに近いので、遠近感を気にしない撮影が可能。
さらに、被写体にぐっと寄れば望遠的に見え、引けば広角的に写ってくれるので、
オールマイティでどんな場面でも使いやすい。

photo:有山聡子さん/D850/AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G/50mm/F1.4/1/1000秒/ISO320

≪望遠レンズ≫

魅力① 遠くの被写体を大きく撮影できる
魅力② ボケ感を得られやすい

望遠レンズは、被写体を圧倒的に際立たせることができます。
ただ、ある程度距離をとらなければいけないので、慣れが必要。
上田先生のお気に入りは、105mm。
離れた距離から、人のシルエットを美しく切りとってくれます。

photo:綿貫智樹さん/D850/AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G/85mm/F2.0/1/100秒/ISO5600

今回は、たくさんのレンズをご用意。
みなさん、自分の撮りたいイメージに合わせてレンズを使い分けていました。

AF-S 20/F1.8G ED
AF-S 24/F1.4G ED
AF-S 24/F1.8G ED
AF-S 28/F1.4E ED
AF-S 28/F1.8G
AF-S 35/F1.4G
AF-S 50/F1.4G
AF-S 58/F1.4G
AF-S 85/F1.4G
AF-S 85/F1.8G
AF-S 105/F1.4E ED

上田晃司のワンステップアドバイス その1
完成度の高いスナップは背景から決める

スナップ写真では、せっかくいい被写体を撮っても背景が雑になりがち。
完成度を高めるには、背景にも気を配りたい。
そんな時は、最初に背景を決めてしまおう!

(高架下を通る人を5~10分待って撮影したもの)
photo:上田晃司/D850/AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED/105mm/F1.4/1/250秒/ISO2000

いい背景を見つけたら、こういうものがあったらいいんじゃないか、
こういうことが起こったら面白そうだなと想像しながら、その瞬間を待ってみよう。
でもずっと待つというのはリスキーな部分も。10~15分待っても、思い通りの写真が撮れなさそうだったら一旦離れてみる決断も大切。
背景がしっかりしているだけで、いつものスナップよりもドラマチックなものになること間違いなし!

上田晃司のワンステップアドバイス その2
アングルを変えてみる

スナップ写真を撮るといつも同じような写真になりがちという人は、少しアングルを変えてみよう。いつもアイレベル(立った状態での目の当たりの高さ)でばかり撮っていると、単調な写真になってしまいます。
思い切って地上10cmまでカメラを下げてみると、違った印象に。
地面が近づくと前ボケになり、視線誘導効果が出ます。雨の日などは、地面に反射が写ってさらにドラマチックに仕上がります。

photo:上田晃司/D850/AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED/105mm/F1.4/1/125秒/ISO6400

 

みなさん時間いっぱいまで自由に散策していただき、もう一度会場へ集合。
撮影してきた中から1枚をセレクトして、講評タイムへ。
ローアングルから撮影したものや、ボケ感を演出したものなど、上田先生のアドバイスを取り入れた作品は見ごたえたっぷり。D850が写しとる鮮やかな夜の街並みに、みなさん感動していました。

同じ街を巡っても、切りとる瞬間や角度によって全く違う印象になるスナップ写真。
それぞれの視点が反映された写真はバリエーション豊かで、とても面白かったです。
街中で撮影していると人の目が気になる…という方もいるのではないでしょうか。参加者の方も、最初は少し緊張した様子で撮影されていましたが、だんだん大胆に。最終的には地面に近い低い位置から撮影を試みたりして、思いっきりスナップを楽しまれていました。
1度外に出て挑戦してみると、その楽しさにきっと夢中になってしまいますよ。

みなさんもぜひスナップ撮影に挑戦してみてくださいね。

参加されたみなさんの作品

photo:鮎川由佳さん/D850/AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G/35mmF1.4/1/8秒/ISO80

photo:川瀬まり子さん/D850/AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G/24mm/F4.0/1/25秒/ISO2200

photo:田邉学さん/D850/AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G/35mm/F1.4/1/60秒/ISO160

photo:益田由里さん/D850/AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G/85mm/F1.4/1/100秒/ISO160

photo:佐野久信さん/D850/AF-S NIKKOR 105mm f/1.4G/105mm/F1.4/1/125秒/ISO2500

photo:高橋謙治さん/D850/AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G/85mm/F7.1/1/8秒/ISO1600

photo:井出愛彦さん/D850/AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G/58mm/F1.4/1/8秒/ISO80

photo:山崎佳代さん/D850/AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED/24mm/F1.8/1/25秒/ISO80

参加者の声

・D850のお試しができてよかったです。
・レンズの使い分け(広角、標準等)や、背景から決めるなど、勉強になった。
・高精細できちんとピントが合うので使いやすかったです。重さも思っていたほど重たくなかったので最後まで疲れずに使えました。
・D850の特性を身をもって体感したのでいつ入手するか検討です。
・とても分かりやすく作品例なども沢山見ることができ、勉強になりました。
・細部までくっきりきれいに写り、おどろきました。
・D850は非常に使いやすく、夜でも撮影ができることに満足しています。

ニコンD850

 

高性能で、最高約9コマ/秒の高速連続撮影が可能な、オールマイティに使えるニコンの人気機材。
高速・高精度153点AFシステムで、動く被写体を逃さない。

・有効画素数4575万画素
・最高約9コマ/秒の高速連写性能

 

上田晃司さんプロフィール

米国サンフランシスコに留学し、写真と映像の勉強しながらテレビ番組、CM、ショートフィルムなどを制作。
帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントを経て、 フリーランスのフォトグラファーとして活動開始。人物を中心に撮影し、ライフワークとして世界中の街や風景を撮影。近年では、講演や執筆活動も行っている。主な著書は、「写真がもっと上手くなる デジタル一眼 撮影テクニック事典101」や「写真が上手くなる デジタル一眼 基本&撮影ワザ」「ニコン デジタルメニュー100%活用ガイド」などがある。 www.koji-ueda.com

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