気になる選出理由を発表!「みんなのポートレイト展2019」受賞&ノミネート作品


ポートレイトに特化した新しい写真展「みんなのポートレイト展」。
写真家の青山裕企さん、インベカヲリ★さん、テラウチマサトさん、藤代冥砂さん、「Numéro TOKYO」フォトディレクター・齋藤真紀さんが選んだレビュアー賞、ノミネート作品とその選出コメントをご紹介します。

 

青山裕企賞

平林武彦さん(プリント部門)

選出コメント

プリントや色彩、ファッション、作り込みを含め総合的な安定感が抜群でした。1枚1枚の完成度も高く、どの作品をみても平林さんの作品とわかるテイストが出せています。

ただ、展示した表情がちょっと単調かなと思います。普段は撮っているかもしれないですが、もっと、内面が映るものを見てみたいなと感じました。心と心で向き合っているかというと、そこまでは踏み込んでない為、テクニック的な上手さを脱ぎ捨てて、眼の前にある被写体と向き合うことも面白いので、そのような作品でも見てみたいです。


 

青山裕企ノミネート作品

田中太郎さん(プリント部門)

選出コメント

プリントやブックのクオリティはまだ物足りないですが、ポートレイトとして一人ひとり向き合っています。その人との向き合い方が超理系的なのも、とても独特で面白く見応えがあります。
シュールだったり、アイディア、構想が面白かったです。ただ、なぜ女性だけだったのかが気になりました。男性でもこのやり方では撮れると思いますし、もっと世代も広げていければ面白いものになるのではないかと思いました。

GENTAROABEさん(プリント部門)

選出コメント

ポートレイトを撮るときもコンセプトが大切ですが、作品コメントも見せていただきまして、明確にコンセプトと作品が一致していました。現代の曖昧な境界線を表現するために、表情を見せすぎないバランスや角度、男女を背を合わせるように配置した展示。プリント技法も曖昧さを表現するために作品としてちゃんと昇華しています。
数をたくさん撮っていけば、もっと厚みのある作品になると思います。スペースの関係で2点だけでしたが、数十点くらいで見てみたいです。


 

インベカヲリ★賞

近藤仁さん(プリント部門)

選出コメント

力強い視線と、白を基調とした幻想的な世界観とのギャップに惹きつけられます。波の動きや、首筋についた砂、メイクが落ちた目元など、同じシチュエーションの中にも抑揚があり、また、ボケをうまく使うことで情緒を感じさせる作品となっています。
タイトルやコメントもシンプルながらに力強く、作品を引き立てています。組み写真としての完成度も高く、中身の濃い作品だと思いました。


 

インベカヲリ★ノミネート作品

タカオカトモアキさん(プリント部門)

選出コメント

何気ない日常を背景とした写真でありながら、光の使い方が面白く、独自の雰囲気を感じます。決して明るくはない世界がよく表現されていて、続きが見たくなる作品です。
ただ、タイトルとコメントが、写真との間に距離を感じるので、もう少し膨らませることができたら、より良いと思います。

ウチカワショウヘイさん(プリント部門)

選出コメント

風のように舞う女性と、可憐に咲く花が、美しく幻想的に溶け合い、まさに花畑の精霊に相応しい表現です。色の配色も素晴らしく、ワンピースのほわほわ感もマッチして、撮りたいイメージが明快にあることが伝わってきます。展示では一点に絞ったことも良かったと思います。

kei hayashiさん(プリント部門)

選出コメント

荒波みのように行き交う人々と、ひとりレンズを見つめる女性の表情が、都会の一瞬を切り取ったようで心にグッときます。背景に映るTSUTAYAの看板が、現代を象徴しているようで面白い。よくある撮り方ではあるものの、どこか気になる、この女性のことをもっと知りたくなる作品です。

藤代冥砂賞

yoshitaka DAIKOさん(プリント部門)

選出コメント

重なるイメージを用いながら、先にあるもの、奥にあるものへと向かうような在り方に、独自なものがあるなあと感じました。


 

藤代冥砂ノミネート作品

echoさん(プリント部門)

選出コメント

果物が痛み始める時に放つ匂いと色のような世界が、丁寧に写されています。惹かれる世界があるというのはいいことです。

denizさん(プリント部門)

選出コメント

二つの異なる種類の写真から漂うファッション的なエッセンスは、撮影者が自前で持っているセンスを感じさせられました。


 

齋藤真紀賞

近藤仁さん(プリント部門)

選出コメント

被写体のチカラ強い眼差しや、あえて焦点をあわせないことで、揺れる気持ちのようなものが伝わってきました。さまざまな角度から被写体を捉え、作品全体を通しても統一したムードにまとまっていたのもよかったです。


 

齋藤真紀ノミネート作品

一色卓丸さん(プリント部門)

選出コメント

テーマがしっかししていて、モデルさんの個性もしっかりと引き出されていると思います。構図も統一されているので、見せ方も意識されているのは素晴らしいです。
背景も考えていると思いましたが、せっかくの原宿なので、もう少し原宿らしい背景もぼんやりとでも入っているとさらに「東京感」が出ると思いました。このままポートレートシリーズは撮り続けていただきたいです。


 

テラウチマサト賞

KENICHIさん(プリント部門)

選出コメント

何ということはない普段の場所で、玉ボケや遠近感を強調する望遠レンズ効果や、人物を中心にして広く背景を取りこむ広角レンズの効果を活かしたものではない、むしろ無作為と思えるくらいシンプルに撮ったポートレイトです。そのシンプルさのせいで、モデルの持っている眼差しの強さが浮かびあがってきました。これが撮影者の狙いだったのでしょう。印象の弱い写真になればなる程、モデルの眼差しが浮かんでくる、そんな仕掛けが面白いです。


 

テラウチマサトノミネート作品

タカオカトモアキさん(プリント部門)

選出コメント

意味ありげなタイトルと日々の時間が流れていくなかで捉えた頂点でない瞬間。ポーズを決めて撮るのでなく、どこかズラして撮る面白さ。ズレているからこそ気になるし、決まっていないからこそ、その前後を想像しました。ある瞬間をコピペしたに過ぎない写真に前後を想うとは、言葉に出来ないストーリーを感じるということ。このスタイルに深みを持ち込んでいってほしいです。


ご出展、ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。
「みんなのポートレイト展」はポートレイトを楽しみ、考え、幅広いポートレイトを提案していく写真展。来年の開催も予定しています。これからの展開をお楽しみに!

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