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【写真展】傷つく女性の”居場所”から考える。岡原功祐写真展「Ibasyo」

Event, 写真展情報


ここが見どころ!
☑書籍の内容が写真展となった、東京で初開催となる注目作家の個展
☑話題書『Ibasyo 自傷する少女たち“存在の証明”』も会場にて販売
☑会期中、作家本人による『Ibasyo』プロジェクトのプレゼンテーションも

「私には居場所がない」

きっかけは大学の後輩のこの一言でした。

「展覧会によせて」の冒頭が、そんなひとことではじまる本展。
岡原功祐写真展「Ibasyo 自傷する少女たち”存在の証明“」は、
自分で自分の身体を傷つけてしまう「自傷行為」をテーマにした作品展だ。

本展は、2018年3月30日に工作舎より出版された
Ibasyo 自傷する少女たち“存在の証明”』の本の世界を表現している。
神戸の Mirage Galleryで4月に行われた写真展の、東京での初展示となる。

このプロジェクトを通して見えてきたのは、貧困や家庭内暴力、レイプ、いじめなど、存在を傷つけられるような経験だったと岡原氏は語る。
自らの価値を認識できず「価値がない(と思い込んでいる)自分」を傷つけることで、自らの存在を肯定しようとするのだという。
しかし、その傷を見ては「してはいけないことをしてしまった」と自己嫌悪に陥ってしまうもの。
本作はそんな悪循環で苦しむ、10代~20代の6名の女性に長い歳月をかけ、迫った作品だ。

この作者の作品には、実はこんな物語がある。

彼女たちが自尊心を回復する過程で何かできないかと思い、彼女たちの人数分6冊の写真集を作り、世界中の人に貸し出してメッセージをもらうというプロジェクトをはじめました。

3年半が経ち、30カ国で300人以上が彼女たちに「あなたは大切な存在ですよ」とメッセージを書き込んでくれ、先日それを無事被写体となった彼女たちに届けることができました。

ただ、この試みが彼女たちの助けになったのかというと、正直分かりません。
それでも、社会の中に存在するいたわりのようなものが彼女たちのストーリーの周りに存在する、そんな気持ちにさせられました。

撮影開始から14年が経った今、被写体となってくれた女の子たちは皆立ち直り、今は元気に生活をしています。

(写真展リリースより一部抜粋)

「息苦しさ」が蔓延する社会の中で、私たちの想像を超えて苦しむ人々がいる。
本展は、被写体となった彼女たちの「見えない苦しみ」に想いを馳せ、そこに寄り添うきっかけになる写真展だ。

写真展タイトル:岡原功祐展「Ibasyo 自傷する少女たち”存在の証明“」
開催日程:2018 年 6 月 6 日(水)~7 月 1 日(日)
開催場所:TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHY 72Gallery
東京都中央区京橋 3-6-6 エクスアートビル 1F
開館時間:水~日 12:00~19:00 / 最終日は 17:00 まで休 館:月・火曜日
WEB: https://tip.or.jp/イベント:6 月 9 日(土)18:00~19:30
岡原功祐による『Ibasyo』プロジェクトのプレゼンテーションを実施関連書籍:Ibasyo 自傷する少女たち“存在の証明”(工作舎刊)※会場で販売いたします
【作者プロフィール】
岡原功祐
1980年東京都出身。早稲田大学卒。南アフリカWITS大学大学院中退。人の居場所を主なテーマに撮影を続け、これまでに『Contact#1』『消逝的世界』『Almost Paradise』『Fukushima Fragments』の4冊の写真集を上梓。
2008年度文化庁新進芸術家海外研修制度研修員。2009年には世界報道写真財団が世界中の若手写真家から12人を選ぶ Joop Swart Masterclass に日本人として初選出。Photo District Newsが選ぶ世界の若手写真家30人にも選ばれる。
また2010年には、『Ibasyo』でW.ユージン・スミス・フェローシップを受賞。
2012年、原発事故後の福島を撮影した作品でゲッティー・グラント、2014年にはコロンビアの作品でピエール&アレクサンドラ・ブーラ賞を受賞。同作品は、ライカ社100周年記念巡回展にも選出された。
これまでに東京都写真美術館、クンスタール(ロッテルダム)、ケブランリー美術館(パリ)、C/Oベルリン(ベルリン)、ダイヒトールハーレン(ハンブルク)、バイエルン州立図書館(ミュンヘン)、アネンベルク写真センター(ロサンゼルス)、アパーチャー(ニューヨーク)など、各国の美術館やギャラリーでも作品が展示されている。
Polka Galerie 契約作家
www.kosukeokahara.com

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