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HOW TO / 作品制作のヒント

新たな写真表現を模索するときにも刺激になるモニター。 BenQ SW271CをFujikawa hinanoさんがレビュー


リアルとフィクションを自由に行き交うような幻想的な世界観が魅力のFujikawa hinanoさんの写真。ポートレートから自然風景まで被写体はさまざま。これらの写真は見る人の多くを惹きつけ、Instagramでのフォロワー数は2万人以上。今もっとも注目されている写真家のひとりといえます。

今回はフィルムとデジタルを横断しながら写真を発表し続けるFujikawa hinanoさんに、カラーマネージメントモニターBenQ SW271Cを利用してもらった感想やモニターで色を合わせる重要性、そして自身の写真家としてのキャリアについて、さまざまな角度からお話しを伺いました。

SW271Cの製品はこちら 


自由に好きなものを撮っていく中で
大きく広がっていく写真世界

−Instagramなどで写真を拝見していると、淡いトーンの写真がとても印象的です。Fujikawaさんというと、フィルムで撮ることにこだわりのある写真家というイメージもあります。

Fujikawa フィルムは好きでよく使いますが、わたし自身はフィルムだけにこだわっているつもりはなくて、実際はデジタルカメラでもよく撮影を行います。フィルムに関しては、その独特のやわらかなトーンや粒子感が好きです。なんというか“曖昧・抽象的”に仕上げたいときに向いている気がします。一方で、デジタルで撮るときはクリアにメリハリをつけて仕上げたい。フィルムとデジタルはそれぞれに良さがあって、どちらも好きなんです。撮りたいものに合わせて使い分けできればいいかなと思っています。仕事では両方で撮って、あとでクライアントさんに好きなほうを選んでもらうこともあります。

▼Fujikawa hinanoさんの作品

−Fujikawaさんが写真を撮りはじめたきっかけはなんだったのですか?

Fujikawa 今振り返れば、友人から誕生日プレゼントにもらったトイカメラがきっかけだったかもしれません。6年ほど前のことです。それは写真一枚に4コマの画像が連続で記録できる4連写のフィルムカメラだったんですが、使ってみたら面白くて。それからデジタル一眼を買って、本格的に撮りはじめました。そのうちに、フィルムでもしっかり撮ってみたいと思うようになって。フィルムカメラに詳しい知り合いの方にいろいろ教えてもらって、フィルムでもデジタルでも作品をつくるようになりました。個人的にフィルムカメラは、撮る行為自体に面白さがあります。マニュアルで露出もピントも自分で合わせて、レバーを引いてシャッターを押す。写りだけでなく、その行為自体が楽しい。フィルムカメラにハマっていった理由のひとつはここにあります。

写真を本格的に撮影するようになり、Instagramなどを利用して自身の写真が世間に広まっていくことになります。こうした中で仕事のオファーも入るようになっていったそうですね。

Fujikawa わたしはポートレートを中心にした写真作品が多いのですが、実はそこにこだわりはあまりなくて、風景も撮るし、日々の生活の中にある何気ないものにもカメラを向けます。ポートレートでも、街中での自然体のカットもあれば、ヘアメイクさんやスタイリストさん、フラワーアレンジメントの方などと一緒にしっかり世界観をつくり込んでモデルさんを撮影することもあります。InstagramをはじめとしたSNSには、こうしたさまざまな写真をアップしていったのがよかったのかなと思っています。好きなものが多いから、結果的にいろんなものを撮っているから、有難いことにさまざま分野の方々からお仕事のご縁をいただけているのかもしれません。

お仕事では、どんな撮影をされているのですか?

Fujikawa Webメディアやアーティスト写真、アパレルのルックなどが多いです。映画のポスターやスチールの撮影もしています。

Fujikawa hinanoさんが撮影を担当した映画のビジュアル

フィルムで撮ったものも含めて写真は、最終的にどのようなワークフローを経て仕上げているのでしょうか?

Fujikawa フィルムで撮った写真はラボに依頼してデータをもらうか、スキャナーでデータ化してレタッチします。ただし、フィルム特有の粒子感やトーンを大事にしたいので、そこまで手を加えません。レタッチは最小限にとどめています。デジタル写真に関しては、ある意味なんでもできてしまうのですが、ここでもわたしなりのデジタルらしさを意識しながら、クリアな仕上がりを心がけてレタッチしています。そういった意味では、フィルムとデジタルではレタッチの内容は大きく違います。ちなみに、デジタルで撮ったものをフィルムっぽい仕上がりに寄せることは基本的にしません。あくまでデジタルの良さが生きるようにレタッチします。

モニターの重要性を改めて確認できた一台

Fujikawaさんに使ってもらったBenQ SW271Cは27インチ、解像度3840×2160(4K UHD)のIPSパネルに対応。色域もAdobe RGBまでをカバーし、PANTONE/CALMANの認証も取得している。

今回、カラーマネージメントモニターBenQ SW271Cを使ってもらったのですが、レタッチの際の使い心地はいかがでしたか?

Fujikawa これまで写真専用のカラーマネージメントモニターを使ったことがなかったのですが、モニターで正確な色が再現できるということが、どれだけ写真をつくり上げていく上で重要なことか改めて確認できました。例えば、レタッチをしていて、「ここだ!」と思う微妙な色合いやトーンが、写真をプリントした際にもきちんと再現されている。これはとても心強いです。モニターで見ているものと異なる仕上がりでプリントが出てきたりすると、何度もレタッチし直すことになります。こうなると本当に気持ちが萎えるんですよね。

BenQ SW271Cはハイライトやシャドウの見え方もすごく正確でよかったです。とくにデジタル写真は白飛びや黒つぶれが生じやすいと思うのですが、微妙なトーンのところもきちんと確認しながらレタッチできました。

モニターとプリントを見比べるFujikawaさん。BenQ SW271Cには正確な色再現を実現するAQCOLORの技術が生かされている。

色や階調の再現が正確だと、作業効率が上がりますね。写真のつくり方にも大きく影響するのではないでしょうか。

Fujikawa 単に作業時間の短縮に繋がるだけでなく、心配が減るので気持ち的な面でもメリットは大きいです。こうした信頼できるアイテムがあると、それだけでテンションが上がるというか、写真づくりの刺激になります。BenQ SW271Cを通じて、写真がより楽しくなっていくような、そんな予感がありました。

それからBenQ SW271Cは扱いやすさも魅力だなと思いました。USB Type-C対応なので、ノートパソコンとの接続がシンプルで簡単です。さらにそのまま60Wで給電できる。この機能は地味にいいです(笑)。わたしが写真制作で使っているMacBookはUSBポートの数が少ないので大変助かります。

モニター回りの付属品も扱いやすくて便利

付属のホットキーパック(OSDコントローラー)も重宝したと伺いました。これはモニターの詳細設定をワンタッチで切り替えできるアイテムなのですが、どんな場面で利便性を感じましたか?

付属品として利用できるホットキーパックG2。

Fujikawa ホットキーパックはとても便利でした。デフォルトではカラーモードが3種類設定されているのですが(Adobe RGB、sRGB、モノクロ)、切り替えを瞬時に行えるのでストレスがありません。わたしの場合、レタッチはAdobe RGBでやりたくてもWeb上での見え方はやはりsRGBでチェックしたい。モニターについているボタンからでも切り替えはできるのですが、ホットキーパックを使えば、直感的に操作できて圧倒的に効率がいいです。

それから、付属品という部分では遮光フードも標準搭載なんですよね。普通、別売りになるアイテムです。これには驚きました。わたしの仕事部屋は時間帯によって日が強く入り込むので、通常はその都度カーテンを開閉して対応していますが、遮光フードがあったのでその心配が要りませんでした。モニター表面がノングレアで反射が少ないのもいいですよね。部屋の照明が多少強くても気にせず画面が見やすいですから。

−27インチのサイズについては?

Fujikawa レタッチの作業がしやすいちょうどいいサイズなのではないでしょうか。4K UHDの解像度も目を見張ります。ものすごく映りがシャープで、それも快適なレタッチ環境をつくる重要な要素なんだなと実感しました。

少し贅沢な注文をするならば、このスペックでもうワンサイズ小さなものがあっても便利だなと思いました。27インチは汎用性に優れていますが、小さな部屋で作業する人にはやや大きく感じるかもしれません。

−BenQ SW271Cでは常に正確な色再現ができるようにハードウェアキャリブレーションに対応しています。実際操作してみていかがでしたか?

Fujikawa わたしはどちらかというと機械音痴なところがあるのですが、とてもスムーズにキャリブレーション操作ができました。ハードウェアキャリブレーションソフト「Palette Master Element」をBenQのホームページからダウンロードし、画面の指示に従って操作するだけ。キャリブレーション操作は敷居が高い印象を持っていましたが、これなら面倒臭がらず(笑)、自分でも定期的に行えそうです。

BenQ SW271Cはハードウェアキャリブレーションに対応。利用できる測定器の幅も広い。

ほかに気になった点などはありますか?

Fujikawa とにかく高スペックでおすすめの一台だと思います。先ほども写真づくりの刺激になるといいましたが、表現に幅ができてクリエイティブな発想がどんどん生まれてきそうな、そんな魅力を持つアイテムなのではないでしょうか。

今、わたしは写真を撮る行為だけでなく、撮った写真をどう見せていくかということにも興味があるんです。例えば、いくつかの写真をコラージュしてみたり、余白を大きく取って飾ってみたりというように。こうした画づくりを行う場面でも、当然ながらモニターが果たす役割は大きい。色再現が正確なモニターを使うことで、より最終系のイメージが手繰り寄せやすくなります。そういった意味では写真を仕上げる際には欠かせない、相棒のような存在ですね。実際に多くの人に触って使ってみてもらいたいモニターです。

BenQ SW271C

主な仕様

●Adobe RGB99%対応写真・映像編集向けカラーマネージメントモニター
●27インチ4K UHD(3840×2160)の解像度のIPSパネル採用
●正確な色再現を可能にする「AQCOLOR」技術採用
●Adobe RGB99%、sRGB/Rec.709 100%、DCI-P3/Display P3色域 90%までカバー
●スムーズなカラーグラデーションを可能にする10bit色深度
●ムラ補正技術により、均一なユニフォミティを実現
●ハードウェアキャリブレーション対応
●キャリブレーションソフトPalette Master Element(付属)が利用可能
●カラー写真をモノクロでプレビューできる3段階のモノクロモード
●異なる色空間の映像を左右に並べて同時に表示できる「GamutDuo」機能
●Pantone認証、CalMAN認証を取得
●HDR10(PQ方式)・HLG方式対応
●60W給電可能なUSB Type-C搭載
●モニター(遮光)フード標準搭載
●3年間保証/修理期間中に代替機貸出できる「センドバックサポート」対象製品
センドバックサポートの利用についてはこちら

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Fujikawa hinano / 写真家

東京生まれの写真家。WEBメディアでの撮影・ライター、
ブランドルック、スチール、アーティスト撮影など幅広く活動を行う。
「日常と非日常の中にある曖昧さ、そして感情を丁寧に表現したい」と思っています。


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