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HOW TO / 作品制作のヒント

PHaT PHOTO CONTEST(PPC) Vol.100座談会講評


良い写真やプリントをとことん見る

テラウチ 今回の応募作品を見て感じましたが、基本的にみなさんは直感で撮影されていると思うんですよ。

山岸 撮る方もそうだから、見る方もそうだと思うんだよね。

テラウチ 見る人によって引っかかるところが異なるので、それぞれ違う部分を見るのだと思うんです。1位の根岸豊さんの作品「鳥瞰図」で、水が流れているんでしょと山岸さんがおっしゃってたじゃないですか。とても細かなところを見ているなと思いました。

山岸 これはやっぱりいい写真だよね。いいものはとことん見るよね。どのくらいのレンズを使っているんだろうか、自分だったらこうするなとか。1位の作品だと地図のように見えたから、距離はどのくらいなんだろうか、この梯子だと何メートルの高さにいるのかなとか色々細かいところを見ちゃいますよ。

佐藤 すごく見られてますね。他人の作品を見るというのは、自分の作品とまた違う見方なのかもしれませんね。いいものは知らず知らず見ていますよね。

山岸 これだけたくさんの写真を見て記憶に残っている写真はそんなにたくさんないですよね。何点残っているか。

佐藤 絵画の名画とかでもそうですよね。いい画ってどんどんディテールを見てしまう。見ていると引き込まれていくから、気が付けば細かいところを見ています。

山岸 見ることって粗を探すことではないからね。

テラウチ 色んなタイプの写真があったと思いますが、それはいかがでしたか。

佐藤 みなさんまじめで素直だなって思いました。

山岸 デジタルでつくり込んでいるのではなくて、思ったことをちゃんと撮っているという感じがしました。

テラウチ 今回、フィルムで撮ったものが選ばれていましたが、デジタルの時代、フィルム撮影をどう思われますか。

山岸 流行りだとか、希少価値になってきたから撮っておこうというのではだめだと思います。こだわってほしいですね。

佐藤 フィルムもデジタルも表現が違うからいいと思いますよ。デジタルでしかできない表現方法やフィルムでしかできないものがあって、それぞれの良さがあります。でもいまからフィルムをやるのは印画紙やフィルムなどが少なくなってきて、色んな覚悟が必要ですね。

テラウチ フィルムで撮るからにはフィルムの良さというものをしっかり知っておいて、作品として出しておかなければならないですね。

山岸 もしフィルムで作品を撮りたいのなら、フィルムでやっている写真展はたくさん見たほうが良いと思います。

佐藤 そうですね。銀塩プリントってとてもきれいなんですよね。銀塩プリントの写真の価値が上がってきているのは、昔のように同じことができなくなってきているから。同じものは二度とできない。そういうモノを見ていただくとわかることがあるかなと思います。印刷物の良さもありますが、生のプリントを展示会で見ることが大事だと思います。私自身も最初はわからなかったのですが、いろんなプリントを見ているうちに、身に染みてわかりました。わからなくても段々わかるようになってくるので、回数を重ねて良いものを見ていくとはまっていくんじゃないかなと思います。

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