1. HOME
  2. Magazine
  3. IZU PHOTO MUSEUM「星野道夫の旅」展レポート
Magazine

IZU PHOTO MUSEUM「星野道夫の旅」展レポート

Magazine, レポート


前回の記事でご紹介した「星野道夫の旅」を改めてご案内いたします。
星野道夫さんの没後20周年の特別展として、全国各地を巡回していましたが、このIZU PHOTO MUSEUMの展示で巡回は最後。会期終了の9月30日(日)までに、必ず行くべし!

本展示は撮影禁止です。ご注意ください。
全ての写真におけるクレジット「撮影:星野道夫(c) Naoko Hoshino

この展示は下記5つのスペースで構成。
アラスカを目指すきっかけとなる写真集や手紙を見られる「アラスカとの出会い」
・ありのままの自然の姿が写し取られた「マスターピース」
・過酷な環境下で脈々と続く「生命のつながり」
・極北に暮らす人々の精神性が見出された「神話の世界」
・当時使用したカメラや貴重な記録映像など「星野道夫の部屋」

では早速見ていきましょう。
入り口にはカリブーの写真と共に、星野さんが実際に使用していたカヤックがどんと展示。
今回の展覧会では、こうした星野さんが実際に撮影で使っていた貴重な道具も合わせて展示されています。

こちらは、星野さんが世界中を旅するきっかけとなった手紙。
ナショナルジオグラフィックで見た写真の村に星野さんが手紙を送り、その手紙に返信がきたのです。
その実際にやりとりをしたときの手紙が展示されています。とっても貴重!
もちろん、星野さんが見たナショナルジオグラフィックの写真集『Alaska』も併せて展示されています。

展示会場には、写真に合わせてさまざまな書籍や雑誌に掲載された星野さんの言葉がちりばめられています。
大自然を体験しているからこそ語れる、説得力のある言葉たちが、私たちの胸を打ちます。

こちらの下の写真、何に見えますでしょうか?

これ、大群で季節移動をする「カリブー(トナカイ)」なんです。
カリブーは、星野さんが長年追いかけた重要なテーマのひとつ。

もちろんドローンも何もなかった時代。地元のパイロットと親しくなって、空撮をしていたのだそうです。
さらには撮影場所に連れていってもらった後、「2週間後に同じ場所に迎えに来てもらう」ことを約束をして撮影を続けることもあったとか…。すごすぎます。

そんなふうに、私たちの想像をはるかに超える大自然がとらえられています。

そして「星野道夫の部屋」スペースでは、ポジフィルムがずらりと展示。
フィルムが数コマに渡り見ることができ、星野さんのシャッターを切る息づかいが感じられそうです。
そして何より、写っている動物たちが本当に可愛らしい…!

NHKが取材したけれど、放映されずお蔵入りになった貴重な映像も上映。
撮影の様子や、動物達と向き合う写真家としての姿勢をとてもよく感じられる映像です。

星野さんがアラスカの厳しい自然で使用していた道具や撮影機材も展示
写真と言葉、道具も合わせて、星野道夫の写真家としての考え方だけではなく、
人としての生き方も各所に散りばめられた充実の展示内容でした。

そして展示最後には、星野道夫さんが残された言葉が壁に添えられています。
本当に素敵な言葉。ぜひみなさんの目で確かめてください。

星野道夫という写真家について、地球の雄大さ、動物の息遣い、
人間の営みに至るまで、たくさんの発見と驚きがある写真展でした。

もう一度言いますが本展の巡回はこのIZU PHOTO MUSEUMが最後。
見逃さないように!

さらに、併設のショップでは星野道夫グッズも多数取り扱われているので(可愛い…!)、
ショップにもお立ち寄りくださいね~!


STORY TELLER / 写真家達の物語 vol.37

フォトディレクターの推し写真集

まちスナ日和