ニコンD850で撮る日本橋の「街」
上田晃司さんに学ぶスナップ撮影の極意


photo:上田晃司/D850/105mm/F1.6/1/3200秒

日本の豊かな文化が息づく街、「日本橋」。
その日本橋を舞台に、「PHaT PHOTO」が株式会社ニコンイメージングジャパン、マンダリン オリエンタル 東京、三井不動産株式会社とコラボし、撮影会を開催しました!

本記事では、「街」コース、スナップ撮影会の様子をお届けします。
講師は、ライフワークとして世界中の街や風景を撮影している、写真家・上田晃司さん。東京の起点となった日本橋や平安時代から日本橋の真ん中に鎮座する「福徳神社」などを周り、街の歴史を感じながらスナップ撮影を楽しみました。

上田先生には、以前も「夜スナップ撮影会」や「都電荒川線スナップ撮影会」にご登場いただいています。今回は、「日本橋フォトガレリア」撮影会でのレクチャー内容と、前回の記事もあわせておさらい!上田晃司流スナップ撮影の極意をまとめてご紹介します。

上田晃司流・スナップ撮影の極意

1.断捨離すべし!

スナップ撮影ではスピードが命。撮影に集中するために、必要のないことは全て取り除いてしまおうというのが上田先生の考え。
貴重なシャッターチャンスをしっかり捉えるためには、予め画づくりのための設定をしておく事前準備が大切です。ここでは、上田先生が日頃行っている撮影方法や設定をご紹介します。

1-1.フォーカスモードはカメラ任せ!

瞬間的な動きや表情を切りとるスナップでは、タイミングを逃してしまったら「もう1回」とはいきません。せっかくいい場面をとらえても、ピントがずれてしまっていたらもったいない。

一瞬を逃さないために上田先生がいつも活用しているのは、「グループエリアAF」。ピントを合わせるためのエリアが広く、被写体を瞬時に捉えることができます。

<D850の「ここがすごい!」>高速・高精度153点のAFシステム
ピント合わせの精度がいいクロスセンサー99点を含んだ、フォーカスポイントが153点設けられているので、高い精度で被写体にピントが合います。車や自転車など動く被写体でも安心。スナップ撮影に大活躍の嬉しい機能です。

1-2.ISO感度だってカメラ任せ!

AFシステムに加えて、上田先生がカメラに任せているのは「ISO感度」。ISO感度は上げると光を捉える能力は向上しますが、ノイズが出て画質が下がってしまうというデメリットが。
そんなISO感度を気にすることなく撮影できる便利な機能が「ISO感度自動制御」です。
ISO感度が高くなり過ぎないように、上限感度を設定できるので過剰なノイズが出てしまう心配もありません。

<D850 の「ここがすごい!」>高感度
D850は4575万画素と高画質ながら、常用感度はISO64~25600を実現!日が暮れたシーンでも、ざらつきのないクリーンな写真に。

2.モノクロに挑戦すべし!

色は写真の印象を大きく変える大切なポイント。ニコンD850には「オート」・「スタンダード」・「ニュートラル」・「ポートレート」・「ビビッド」・「フラット」・「風景」・「モノクローム」の8種類のピクチャーコントロールがあり、自分の好みに合わせて設定ができます。

その中で、上田先生のお勧めは「モノクローム」。
モノクロにして色の情報を制限することによって、いちばん見せたい部分に目がいきやすくなります。
それぞれの設定から、コントラストや明るさの調整も可能。ふだんはカラーで撮っているところを、モノクロで挑戦してみると新たな表現が発見できるかもしれません。

photo:上田晃司/D850/105mm/F2/1/2500秒

3.レンズを決める!

スナップ撮影では、レンズ選びが重要。
いい瞬間を見つけたら、カメラを構えた瞬間にシャッターを押せるのが理想です。
シャッターチャンスを逃さないために上田先生がお勧めするのは、焦点距離が50㎜前後の単焦点レンズ。ズームの力に頼らず、自分で動く癖がつくので、スナップ撮影において重要な距離感や画角をマスターすることができます。

基本は単焦点レンズをお勧めしますが、持っていないという方は焦点距離を50mmに固定すればOK。広角や望遠など、それぞれのレンズには特徴があるので、色々と試してみて、自分の好みや撮りたい作品に合ったレンズ選びをしましょう。

<D850にお勧めの単焦点レンズ>
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
自然な遠近感で撮影でき、自分の足で被写体との距離を調整することでオールマイティに使えるレンズ。不自然な輪郭のない、とろっとしたボケ味が美しく、街の空気感をうまく表現することができます。

photo:上田晃司/D850/28mm/F6.3/1/1000秒

4.背景を決めて待つ!

より印象的なスナップ写真をねらうには、前景や背景にも気を配ることを忘れてはいけません。主役がしっかりしていても背景が雑…というのは残念。
いいなと思う景色を見つけたら、被写体が現れるまで待ってみるというのが上田先生のこだわりです。
背景がきっちり決まっていれば、あとは通りがかる被写体の動きに集中すればいいだけ。決めた画角の中で、ばっちりと決まった1枚が撮れます。

photo:上田晃司/D850/105mm/F2/1/2000秒

photo:上田晃司/D850/105mm/F2/1/800秒

その時に気を付けたいのは、「カメラを構えて待たない」ということ。構えていると、道を通る人がカメラを避けて移動してしまうので、いい瞬間に巡り合えなくなってしまうそう。シャッターチャンスが訪れるまではカメラを構えず、その瞬間を待ってみましょう。

5.主役はあえて小さく、街を表現!

せっかく街中でスナップを撮るなら、被写体に寄り過ぎず、街の様子を入れて撮ってみましょう。あえて主役を小さくすることで、その街の雰囲気や生活を伝えることができます。

photo:上田晃司/D850/105mm/F1.4/1/6400秒

傘やスカートなどのアイテムは、シルエットが印象的なので、小さくいれてもインパクトがあります。人物に寄り過ぎずに距離感を意識してみると、その街の空気感を表現できる写真になるはず。

撮影を終え、講評タイムへ。
休日ということもあり浴衣を着た人も多く、被写体として選んだ方も多かったよう。
伝統ある街並みと訪れる人を切りとった写真は、しっかりと上田先生の撮影ポイントを抑えられたものばかりでした。

モノクロ設定や、フォーカスモードの設定など、上田先生が教えてくださったことは、すぐに実践できそうですね。今回のポイントをしっかり覚えて、今週末はスナップ撮影に出かけてみてはいかがでしょうか。

参加者のみなさんの作品

photo:toshichan66

photo:Sayuri.O

photo:ひろおき

photo:starfield1117

photo:にこぽん

photo:kattun

ニコンD850

話題の人気機種。しっかり作品制作したい人へ

高性能で、最高約9コマ/秒の高速連続撮影が可能な、オールマイティに使えるニコンの人気機材。高速・高精度153点AFシステムで、動く被写体を逃さない。有効画素数4575万画素と常用感度ISO64-25600を両立。

写真家・上田晃司

米国サンフランシスコに留学し、写真と映像を学びながらテレビ番組、CM、ショートフィルムなどを作成。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントを経て、フォトグラファーとして活動を開始。雑誌、広告を中心に、ライフワークとして世界中の街や風景を撮影。 近年は、講演や執筆活動も展開。主な著書に『写真が上手くなるデジタル一眼基本&撮影ワザ』、『写真がもっと上手くなる デジタル一眼 撮影テクニック事典101』『オールドレンズの奇跡』などがある。 ニコンカレッジの講師も務める。