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HOW TO / 作品制作のヒント

写真家・上田晃司さんに学ぶ! アングル・背景で決まる スナップ写真の撮り方 基本編


日常生活や街中で気軽に撮影できるスナップ写真。
「いつも同じような写真になってしまう…」「もっと印象的な写真に仕上げたい…」とお悩みの方も多いのでは?

国内外で活躍され、ライフワークとして世界中の街や風景を撮影している、写真家・上田晃司さんに学ぶ、スナップ写真の撮り方。基本編では、スナップ写真にこれからトライしたい人に向けたカメラの設定などを教えて頂きます。

記事のなかでご紹介する上田さんの作品は、全てニコンD850で撮影されたもの。画作りはもちろん、決定的瞬間を逃さない操作性に上田さんも信頼を置く、ニコンD850の「すごいとこ!」もあわせてお伝えします。

※本記事は、株式会社ニコンイメージングジャパンとPHaT PHOTOがコラボして実施した撮影会「‘アングル’‘背景’で決まる!春の都電荒川線 スナップ撮影会」のレクチャー内容を一部抜粋してまとめたものです。

1.カメラに任せる

カメラ任せでいいの?と思う方もいるかもしれませんが、「 スナップではカメラに任すことのできる機能は任せる」というのが上田さんの教え。
シャッターチャンスを逃さずに撮影できるように、予め設定をしておいて、カメラに任せられる準備をしておくことが大切です。

ここでは、実際に上田さんがD850で撮影するときにどんな設定をしているかをご紹介します。
D850なら、安心して任せられる!
撮影前に設定しておきたいカスタマイズ機能
1-1. AF(オートフォーカス)は「面」で捉える設定に!

スナップでおすすめのフォーカスモードは「AF-S(※)」、AFエリアモードは「シングル」または「グループエリアAF」。
なかでも上田さんがおすすめするのは「グループエリアAF」。被写体を面でとらえることができるので、ピント位置の確認がしやすく、スナップに大活躍の機能です。

<D850の「すごいとこ!」>高速・高精度のAF
ピント合わせの精度がいいクロスセンサー99点を含んだ、フォーカスポイントが153点設けられているので、被写体にピントがぴったり合います。
(※)AF-S(シングルAFサーボ):シャッターボタンを半押しして一度ピントを合わせると、半押ししている間、ピントを固定してくれるモード。
1-2.「ISO感度オート」よりも便利な設定、知ってますか?

シャッタースピードや絞りに比べて、作品に影響が少なく、カメラに任せやすい「ISO感度」。D850では「ISO感度自動制御」をONにすることで、簡単にカメラに任せることが可能です。
手ブレを防ぐ設定もできるので、ISO感度を気にすることなく撮影でき、さらに装着レンズによって設定の幅もカスタマイズできるプロ仕様。上田先生も太鼓判の機能です。

<D850の「すごいとこ!」>常用感度ISO64~25600
日中から夜まで撮影したいという方へ。D850は4575万画素と高画素ながら、常用感度はISO64~25600を実現!夜スナップにも強いのがD850の魅力のひとつです。
1-3.「露出補正」はもっと簡単に変えれる!

いつどんなシャッターチャンスがあるかわからないので、シャッターボタンからできるだけ指を離したくないのがスナップ撮影。
撮影中に細かく変えたい露出補正も、D850の場合、露出補正簡易設定を使えば、コマンドダイヤルだけで調整できるように変更できます。

2.自分好みの色を“撮る前”に簡単設定

ニコンD850に搭載されているピクチャーコントロールは「オート」・「スタンダード」・「ニュートラル」・「ポートレート」・「ビビッド」・「フラット」・「風景」・「モノクローム」の8種類。各設定からさらに、コントラストや明るさ調整もできるので、撮影場所やどんな風に撮りたいか、によって自分好みの色に設定することが可能です。

こちらは上田さんが撮影されたカラーとモノクロ写真。色が違うと印象も異なりますね。

photo:上田晃司/D850/AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED/105mm/F1.4/1/2500秒/ISO64

3.スナップ撮影の要!レンズ選び

まず、おすすめするのは単焦点レンズ。ズームの力に頼らず、被写体との距離感をつかめるようになるとスナップ写真の精度が上がります。
焦点距離50mm前後のレンズを基本に撮ってみるのが良いですが、写真がどうしても散漫な印象になってしまう…と感じている方は、画面内の情報が多すぎることも。その場合は50mmより長い焦点距離のレンズを使ってみましょう。

ここでは、数あるレンズのなかから、上田さんおすすめの単焦点レンズをお伝えします。
3-1.広角レンズ
AF-S NIKKOR 28mm f/1.4E ED
AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

AF-S NIKKOR 28mm f/1.4E ED

AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

広角レンズでも被写体にぐっと近づくことで、きれいにボカすことができます。こちらのレンズは上田さんも納得のボケ感で、28mmは広角好きな方に、35mmは広角レンズ初心者でも使いやすい画角。
3-2.標準レンズ
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
自然な遠近感で撮影でき、自分の足で被写体との距離を調整することでオールマイティに使えるレンズ。F1.4で撮るとやわらかめ、F2.2くらいからシャープな印象になり、絞り値で大きく画が変化する魔法のようなレンズ。
3-3.望遠レンズ
AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED
世の中が映画のワンシーンになるようなレンズ、と上田さんおすすめの1本。 被写体との距離があってもボケ感が出ること、被写体に近づきにくい場面でも撮影可能な焦点距離がスナップ初心者にもおすすめ。

4.何を撮っていいかわからない…

設定やレンズを選んで、いざ街中でスナップ撮影!と意気込んでも、人や乗り物、建物など…被写体となるものが多すぎて何を撮ったらいいかわからない。そんなときは、数ある被写体のなかから、「主役をひとつ決める」と撮影しやすくなります。

例えば、上田さんが撮影した都電荒川線の駅のホームでの写真。
ホームと人、電車と大きく3つの要素がありますが、主役は人、副題は電車と決めると、手前にある電車を思いきりぼかすことで、主役の人に視線を誘導させることができます。

photo:上田晃司/D850/AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED/105mm/F1.4/1/1250秒/ISO64

今回はスナップ写真の撮り方・基本編として、カメラの設定からレンズの選び方、撮影の最初に決めたいことを教えて頂きました。
次回は応用編として、前景や背景にこだわるスナップ写真の撮り方のコツを教えて頂きます。また、実際に撮影会で上田さんのレクチャーを受けたみなさんの作品もご紹介しますよ。お楽しみに!

ニコンD850

話題の人気機種。しっかり作品制作したい人へ
高性能で、最高約9コマ/秒の高速連続撮影が可能な、オールマイティに使えるニコンの人気機材。高速・高精度153点AFシステムで、動く被写体を逃さない。有効画素数4575万画素と常用感度ISO64-25600を両立。
写真家・上田晃司
米国サンフランシスコに留学し、写真と映像の勉強しながらテレビ番組、CM、ショートフィルムなどを制作。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントを経て、 フリーランスのフォトグラファーとして活動開始。人物を中心に撮影し、ライフワークとして世界中の街や風景を撮影。近年では、講演や執筆活動も行っている。主な著書は、「写真がもっと上手くなる デジタル一眼 撮影テクニック事典101」や「写真が上手くなる デジタル一眼 基本&撮影ワザ」「ニコン デジタルメニュー100%活用ガイド」などがある。www.koji-ueda.com

STORY TELLER / 写真家達の物語 vol.37

フォトディレクターの推し写真集

まちスナ日和