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HOW TO / 作品制作のヒント

花撮影・応用編【光の使い方と背景選びのコツ】


きれいな花を見つけると、写真を撮りたくなりますよね。
でも、なかなか鮮やかに映らなかったり、
いつも同じような写真になりがち…とお困りの方も多いのではないでしょうか。

そんな方のために、今回はPHaT PHOTO写真教室講師の松本友希先生が、
美しい花写真を撮るためのコツを伝授します!
応用編では、光の取り入れ方や背景選びのポイントをご紹介。
自分らしい写真の撮り方をマスターして、いつもとは違う花写真を撮ってみましょう!

\今回ご登場いただく先生はこちら!/

松本友希(まつもとゆき)
PHaT PHOTO写真教室での講師も務め、ビギナークラスからプレミアムクラスまでの全カリキュラムを担当。他、大手企業の写真教室や、撮影会、ワークショップの講師などでも活動している。
詳しいプロフィールは下部へ。

【POINT1】 鮮やかな花が映える画面の埋め方

魅力的だと感じる花を見つけたら、その花がいちばん映える写真を撮りたいもの。
方法のひとつとして、とにかく画面構成をシンプルにすることが挙げられます。余計なものが写り込まない角度を探したり、思い切って背景をぼかし、花だけにピントを合わせて撮影しても良いでしょう。色味も、2色~ 3色程度で構成できれば画面がすっきりとし、鮮やかな花の色が引き立ちます。

82㎜/ F5.6 /1/80/ISO400

*先生の撮影帳*
“ボケ”を使って背景を活かす

綺麗な花を見つけたけれど、路地裏や街中などでいい背景が見つからない、という場合は、背景を活かす方法を考えましょう。上の椿の写真のかすかに青い背景は、実は自動販売機。大きくボカし、色味として加えることで写真のアクセントにすることができました。

50㎜/ F5.6 /1/125/ISO160 /露出補正+1.0

【POINT2】 伝えたいことでアングルを変える

同じ花でも、見る角度で雰囲気が大きく変わります。
たとえば花と同じ目線で撮ることで、花そのものにあるストーリーを想像させるような写真に。見下ろしたアングルは花よりも撮影者の目線の方が強くなり、撮り手の気持ちを表す写真になります。見上げた1枚は花が生き生きと伸び生命感が強く出るので、希望や未来が感じられます。

<同じ目線>

<見下ろす>

<見上げる>

【POINT3】 風景を写すときの自然光の見方

風景を写すときは自然光の取り入れ方が大切です。
同じ花を撮っても、見下ろした方(2)は光がなく寒々しさがある一方、しゃがんで撮影した方(1)は光が射し込み温かい感じがします。
たとえば逆光で露出をオーバー気味に撮れば、色のきれいさや透明感、ツヤ感がよく出ます。
花を見る角度や露出を変え、撮りたいものや伝えたいことにふさわしい光と露出の組み合わせを見つけましょう。

(1)50㎜/ F8 / 1/30 / ISO400

(2)50㎜/ F8 / 1/30 / ISO400

*先生の撮影帳*
同じ花でも3カット以上は撮るのが鉄則!

光の入り方や背景が変わると、写真から受ける印象も違ってきます。1枚目で「これで良し!」と思っても、別の目線でより良いものが見つかるかもしれません。撮りたいと思ったシーンとの出合いは1度きり。色々な視点を持って、3カット以上は撮ってみましょう。

【POINT4】 シーンに花を添えて物語をつくる

花のほかに何かポイントを入れると、花にまつわるストーリーを切りとったような写真になります。一緒に写っているもののイメージを、花で演出してみましょう。
たとえば、背景にカップルがいるこの写真は、花が紫色なので大人っぽい、落ち着いた印象があります。ピンクだったら仲睦まじい雰囲気が強まったでしょう。写っている花やその色によって、新たなイメージや物語が生まれてきます。

66㎜/ F7.1 / 1/30 / ISO100 /露出補正+1.3

≪今回のまとめ≫

「撮りたい!」と思える花に出合えたら、まずは心を動かされたひとつに主役を定めましょう。ぱっと見て1枚撮って満足せず、背景や光のとらえ方も考えて、色々な角度や距離から花を見るのが重要です。いちばんきれいだと思うから、傷みがあるけどそこが味だと感じるから、など主役の選び方は人それぞれですが、自分が良いと思う花の魅力を引き出すには、さまざまな視点からじっくり向き合うのが大切です。

松本友希さんプロフィール

旅行会社勤務を経て写真の道へ。
2000年に日本写真芸術専門学校報道芸術科を卒業。

2007年に写真雑誌「PHaT PHOTO」の契約作家となり、誌面の企画撮影や書籍の装丁写真、広告媒体への作品提供などを行う。2009年からは「PHaT PHOTO」写真教室での講師も務め、ビギナークラスからプレミアムクラスまでの全カリキュラムを担当。他、大手企業の写真教室や、撮影会、ワークショップの講師などでも活動している。自身の作品では、主に街中や日常に潜む小さな世界を撮り続けている。写真学校で学び、仕事で活かされている技術力と、自身の作家活動で培った表現力の両面において信頼できる講師のひとり。yukidaruma.info

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