知ればチャレンジしたくなる! 展示に大判プリントという選択


プリントのサイズ、気にしたことってありますか?自宅のプリンターや印画紙、あるいは用意できる額の種類だけで展示のプリントサイズを決めてはいませんか?
実はレタッチや紙の種類だけでなく、プリントでどの「サイズ」を選択にするかによっても作品や展示空間の印象は変わるものです。

佐藤祐司氏『drifting』
櫻井尚子氏『鳥-Dromaius』
プリントサイズに特徴のある展示例。※上画像クリックで拡大
左は、大きなプリントを用いて空間そのものを作品世界で覆い尽くしており、鑑賞者が写真に没入できる迫力がある。右は、大小のプリントサイズの組み合わせによりドラマチックで印象的な展示に成功した好例。どちらも新宿・エプサイトで開催された写真展の様子(佐藤祐司写真展『drifting』/櫻井尚子写真展『鳥-Dromaius』)

 
「大きくプリントする」という選択肢を持つだけで、表現の可能性が広がりそう。ということで、大判プリントにすることで体感できる魅力や、サイズが変わっても質の高いプリントにするために気をつけておきたいことを、PHaT PHOTO編集部が実際に体験してきました。

 
大判プリントを体験した場所
東京・新宿 エプサイトプライベートラボ

エプサイトにある「プライベートラボ」は、作品制作に必要な最新デジタル機器を完備したクリエイティブ・ルーム(有料)。プリント作業は利用者本人が行うが、用紙のセットやインク交換等はスタッフがサポートをしてくれるので安心!予約制なので事前に空き状況を問い合わせておこう。料金は以下でチェック。

◆エプソンイメージングギャラリー エプサイト
プライベートラボ料金表

http://www.epson.jp/katsuyou/photo/taiken/epsite/labo/pricelist.htm

引きのばすだけで変わる、1枚の存在感!

使用したのは、最大64インチ幅(1,500mm以上!)のプリントができるエプソンの大判プリンターPX-20000。身長よりも大きいプリンターのサイズにびっくりしましたが、設定やプリンタードライバーなどの使用感はSC-PX5VⅡのようなA3サイズのものと変わらないので、自宅でのプリント作業に比べてもさほど違和感なく作業ができます。


▲A1ノビ(610mm×914mm)サイズでプリント時間は約10分!

▲プリントができたら、プライベートラボ横の壁で仕上がりをチェック!
大きなプリントを置いて見ることのできる台も用意されています。

近くで見ると思っていた以上の迫力!少し離れて眺めてみても、その存在感に感動を覚えるほどです。サイズを引きのばすことで、寄りの写真ならディテールを隅々まで見ることができ、風景はまるでその場に立っているかのような臨場感ある1枚となりました。

大きくすることで変化する、見る側の「視点」


大きなプリントにしてみると、小さなサイズでは気にもとめていなかった細部の存在感が増していることに気づきます。さざ波や岩のディテール、島にある木々の緑を捉えることができました。写真の主役となる部分だけでなく、「色」や「背景」だとしか思っていなかった部分にも表情やストーリー、別の意図が読み取られ、サイズを大きくするだけで写真を見る「視点」が変化するのが実感できます。

人に見せる作品を作るなら、その撮影で何を大切にしたか、何を見てもらいたいのかをよく考えて、写真にとってちょうどよくなるサイズを見極めることがポイント。自分の写真で伝えたいことを明確にすることが、プリントサイズ選択の際の決め手になるでしょう。

★TIPS!
大きくプリントしたら画像の輪郭がカタカタになってしまった!というのはよく聞く話。原因の多くはカメラの画素数不足やスキャン時の解像度不足によるものです。
プリントしたいサイズにどの程度の画素数が必要かは、エプソンのフォトポータルサイトで事前にチェックしておこう。

◆エプソンのフォトポータル
「デジタルプリントの流れを知る」

http://www.epson.jp/katsuyou/photo/
manabu/kiwameru/theme1/p1.htm

サイズが変わると明るさが変わる!?
大きくプリントする前に知っておきたいこと

プライベートラボで実際に作業をしてみて気づいた点。
自宅で大きめプリントする場合にもあてはまる、知っておきたいポイントをまとめてみました。

1. 小さいサイズに比べて明るく見える!
 
同じ画像をA4サイズにプリントしたもの(プリンターは同じ)と比べてみると、A1ノビサイズのプリントは全体的にメリハリが弱く色味もなんだか鮮やかさが落ちているような・・・でも、設定ミスではありません。実は、同じ写真データでもプリントサイズが大きくなればコントラストが低下して明るい印象に見えることがあるのです。
大きくプリントしてから「イメージと違った!」と後悔しないためには、事前に写真の重要な部分だけを小さな用紙に等倍出力して確認し、濃度やコントラスト、シャープネスを上げるなどして調整しておくとよいでしょう。

 

▲プライベートラボを利用する場合は、自宅である程度シミュレーションしておけば当日の作業で慌てなくてすみそうです。ラボのPCでも画像調整が可能なので、差異があれば微調整して理想的な一枚に仕上げていきます。

 
2. ブレやゴミが目立つ…!
 
大きくしてディテールがよく見えるということは、同時にブレやゴミも目立ってくるということ。モニターで見ていただけでは気づかなかったゴミが見つかったり、ブレやピンボケも顕著に見えてしまいます。
ゴミやブレなどはサイズを問わず気をつけておきたい写真の基本!撮影時から基本を押さえておくことが、質の高い1枚を作る近道と言えそうです。

★TIPS!
ゴミが気になるときは、画像処理ソフトで対処しよう。Photoshopなら、【スポット修復ブラシツール】や【コピースタンプツール】などでゴミをなかったことにできるが、ゴミが付いている場所によっては処理に苦労する羽目になることも。
ブレやピントの甘さがひどい場合は、再度撮影することも検討したほうがいいでしょう。

【スポット修正ブラシツール】または【コピースタンプツール】を選択して、
ゴミと背景を馴染ませるように処理する。


◆おまけ
 
大きなプリントをしたら、取扱いにも気を使いたいもの。プライベートラボでは作業終了後にスタッフが作品の梱包をしてくれるので、持ち帰りも安心!
 
 
 

★もっと詳しく知りたいなら!
エプソンのフォトポータルでは作品制作に役立つ情報を公開中!
www.epson.jp/katsuyou/photo

★こちらもお勧め!展示におけるプリントサイズに重点を置く作家にインタビュー
「選ばれる人は何をしているのか?表現を豊かにする作品制作のルール~吉田翔太郎の場合~」

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