会いに行きたい!富山人-つくる人編


「地域×写真」をテーマに、週末に写真を撮りに出かけたくなる地域の魅力を紹介している「Have a nice PHOTO!」vol.30の特集をPHaT PHOTO Webマガジンでもお届けします!

今回の特集は、これまで何度も取り上げてきた富山市の「AMAZING TOYAMA写真部」が、カメラを片手に自分たちで取材を敢行しました。

50代で豆腐屋をはじめた人、代々続く店の歴史を守り続ける人、富山を世界に広めるべく活動する人など取材先は「会いにいきたい!」と思える人ばかり。「つくる」「守る」「広める」の視点で見つめる、富山の人々による、富山の特集です。

会いに行きたい!富山人 つくる人編

その人しか生み出せない商品を生む、熱い想いを持った、富山の職人たち。そのつくり手たちに話を伺いました。

 

マカロン・フランス菓子専門店 ムッシュー・ジー
ジョスラン・ランボさん

一流菓子職人のマカロンをお土産に

まちの中心地、総曲輪(そうがわ)に佇むフランス菓子店。フランス人パティシエのジョスラン・ランボさんと、富山市出身の妻、のりこさんで営むのが、ここムッシュー・ジーです。

お店いちばんのお勧め、色とりどりのマカロン。ご褒美やおもてなし、お土産にも人気。全国各地から注文が入り、冬の時期は1ヶ月待ちになることもあるそう。

16歳でパティシエを目指し、フランスの菓子文化を伝えるために、イタリア、デンマーク、カナダ、タヒチを渡り歩いたジョスランさん。タヒチでのりこさんに出会い、その後富山でお店を開くことに。確かな腕から生まれる菓子の美しさはまさに芸術品です。

真剣な表情でクイニーアマンを焼くジョスランさん。店内には甘い香りがいっぱいに漂う。「海も山も近く、身近に自然に触れ合えるところが好きですね」と富山の魅力を語る。

彼のパティシエとしての信念は「最高の材料を使い、高い品質のお菓子をお客様に提供する」こと。地元の素材を活用しながら、フレンチと日本との融合を目指してお菓子づくりをしています。
「常にアンテナを立てて新しい素材を追及し、味の〝マリアージュ〟を工夫するのがパティシエの仕事」と、お菓子をつくる目はとても楽しそう。

店内にはフィナンシェやカップケーキなどさまざまなお菓子が。季節の素材を使ったマカロンや焼き菓子がお勧め商品で、今はバリの有機栽培カカオを使ったチョコレート菓子を考案中。

見た目の華やかさだけではなく、本場フランス菓子の美味しさを伝えたい、という思いをもつジョスランさんのお菓子を、ぜひご賞味ください。

洋菓子店 ムッシュー・ジー

[住]富山市総曲輪4-10-9 ☎076-461-5242 [営]10:00~18:00 [休]月曜、火曜 [アクセス]富山駅より市電にて「丸の内」駅下車。徒歩5分 [その他]マカロンの他、ケーキ、クッキーなど多数のお菓子を取り揃えている。マカロン3個入りギフト1,200円等
[Web]www.monsieurj-patisserie.com

(AMAZING TOYAMA写真部 取材メンバー:石原志朗、倉谷さち子、金川はるみ、河内由美)

陶芸作家
釋永岳(しゃくなががく)さん

伝統と革新で唯一無二の器を目指す

富山駅から電車で約30分、廻船問屋が立ち並ぶ歴史的まち並みが残る岩瀬地区。ここで作家活動を行うのが、陶芸作家の釋永岳さんです。

日本酒をより美味く飲むために生まれた「呑みすぎる杯」。お酒のゆらぎが見えるほどに薄く、重さは40g以下。薄い吞み口の舌ざわりはとても良く、つい「吞みすぎ」てしまうそう。

富山は「ガラス美術館」があるほどガラス工芸が盛んな街ですが、歴史ある陶芸の窯元も存在し、越中瀬戸焼「庄楽窯」は釋永さんの実家。姉と父親も陶芸家として活躍しています。釋永さんは独立し岩瀬で作家活動をはじめ、今年で13年目になります。
お客の多くは料理人だという釋永さん。富山だけでなく日本各地、さらには器の美しさが評判を呼び、海外の料理人の問い合わせも増えているそう。

釋永さんの代表的作品、「アージュ(ÁGE)」。まるで年輪のような曲線があり茶色が際立つ荒々しい風合いの平皿。常に「焼き物らしくない焼き物」を意識してつくられている。

焼き上げた後、陶器を砂利で削ったり、磨いたりと、タブーとされているような手法も積極的に取り組むのが釋永流です。「人と同じものをつくらない」「他には無いものを」ということを大切に、制作に熱を注ぐ釋永さん。

ギャラリーにずらりと並ぶ作品。釋永さんが陶芸に使う土は世界中から集めていて、器によっては6か所の産地、約十種類の土をブレンドしてつくることも。

事前に連絡をすればこのギャラリーで創作意欲溢れる作品を見て、購入することができるので、岩瀬地区に足を運ぶ前にはぜひチェックを。

ギャラリー岳

[住]富山市東岩瀬町146 ☎090-6812-9549 [営]10:00~18:00 [アクセス]富山駅北口より富山ライトレールで「東岩瀬」駅下車。徒歩約10分/富山駅より車で約20分 [その他]ギャラリーにて作品を直接見たい場合は、HPを確認のうえ事前連絡が必須
[Web]www.gaku-shakunaga.com

(AMAZING TOYAMA写真部 取材メンバー:澤田修平、金井琴美、金川はるみ、砺波範之、野島浩二)

川上鱒寿し店
川上弥(わたる)さん

「鱒寿し」文化を発信する三代目

富山の土産物のテッパン、「鱒寿し」。十数件の鱒寿し屋が富山にあるなかで、肉厚で歯ごたえたっぷり、品の良い香りとほどよい甘さが特徴の鱒寿しをつくるのが「川上鱒寿し店」。富山城址公園の西側にお店を構える、1923年の創業から95年続く老舗です。

代々の味を守り続けつつ、時代に合わせて進化を続ける川上鱒寿し店の鱒寿し。8人の手によって1日約100個の鱒寿しをつくる。店舗での購入時は、予約しておくのがお勧め。

 

家業を継ぐ前は、富山の卸売市場で働き魚の目利きや捌き方の修業をしていた三代目の川上弥さん。自身の店舗の鱒寿しへのこだわりはもちろん、鱒寿しの普及活動にも積極的で、手づくり体験講座を開いたり、食べ方・製造工程などを記した英語のフリーペーパーの取材協力もしているとのこと。

できたてを食べてもらうことに強いこだわりがあり、その日つくった分しか販売をしないのだそう。1重は1,600円、写真の2重は3,100円、小さいハーフサイズなどもある。

 

バックパッカーとしての旅の経験が今の活動の原動力になっているよう。知らない土地で人々と触れあったときの温かい気持ちを「恩返し」するつもりで、今は観光客におもてなししていると川上さん。

店内には歴史を物語る写真などさまざまなディスプレイが。著名人のサインも多数。天井からは鱒寿しを括るテープが垂れていて、鱒寿し屋特有の風景も面白い。

自分のお店だけではなく、「鱒寿し」という富山の文化づくりも意識した川上さんの活動は、まちの人々も注目。これからも目が離せません。

川上鱒寿し店

[住]富山市丸の内1丁目2-6 ☎076-432-5129 [営]6:30~18:30(売り切れ次第終了) [アクセス]富山駅より市電にて「県庁前」もしくは「丸の内」下車。徒歩2分 [その他]1段、2段の他にも、特選鱒寿し1段3,000円等も。必ず欲しい場合は予約を
[Web]www.toyamasu.com

(AMAZING TOYAMA写真部 取材メンバー:池上陽久、河内由美、澤田修平、戸田美香)

長江屋豆富店
長枝春一さん・美千子さん

55歳からはじめたこだわりの豆腐

富山の伝統的なお祭り「越中おわら風の盆」でも有名な八尾町。古い町並みが残るこの町で、丹精込めた美味しい豆腐をつくるお店があります。

店主の長枝春一さんが長江屋豆富店を開業したのは、なんと50歳を過ぎてから。「TV番組で紹介された豆腐づくりに惹かれ、その豆腐店を訪問。豆腐を食べて、それをきっかけに第二の人生を確信した」と春一さん。

柔和そうな外見からは想像もできない意志の強さと行動力を感じた、ご主人の春一さん。その場でいただいた豆乳の味には、外見そのままの優しい人柄が滲み出ていた。

 
江戸時代末期、先祖が興した商いの「長江屋」という屋号を復活させ、店舗は明治の時代の大火をくぐり抜けた由緒ある建物を再生し店舗として活用。さまざまな想いが込められています。

こだわりが詰まった豆腐。お勧めは炭火で焼き上げた「炭火焼き豆腐『ふくら雀』」。わさび醬油につけて食べるも良し、味噌をつけて田楽風に食べるも良しとご主人。11月~3月限定。

 
もちろん豆腐にもこだわりがあり、地元富山県産の甘みの強い品種の大豆、能登の天然にがりなど、天然素材だけを使うことを大切にしています。手間はかかるが素材の良さを引き出す「生搾り」という製法にもこだわって、豆腐づくりを行っています。

長枝さんの生まれ故郷でもある八尾町。古い町並み、石垣づくりの裏通り。お店が面している昔から変わらぬ道幅の諏訪町本通りは、八尾の優雅さを感じることができる場所。

 
八尾の風情ある町並みを楽しんだら、想いが詰まった長枝さんの優しい豆腐で小腹を満たすのも良さそう!

長江屋豆富店

[住]富山市八尾町諏訪町2617-1 ☎076-454-7372 [営]11:00〜17:30 [休]火曜(祝日は営業、翌水曜休) [アクセス]JR越中八尾駅下車。徒歩約30分 [その他]城々山(ぽったり木綿豆腐)300円。別荘山(滑らか絹豆腐)300円。淡雪豆腐(200円、300円、500円)等
[Web]www.nagaeya-tofu.com

(AMAZING TOYAMA写真部 取材メンバー:石原志朗、 岡本和宏 、 亀井栄二、丹治浩美、山田利郎)