押さえておきたいポートレート・撮り方のコツ!「アングル」編
ポートレート写真(人物写真)、「何気なく」「なんとなく」撮っていませんか?
伝えたいイメージ、見せたい表情を瞬時に見つけるコツを、
『「プロワザ」が身につくストロボライティング基本講座』の著者である河野鉄平さんの写真でご紹介します。
※この記事は、PHaT PHOTOvol.75「変わる!私のポートレイト」を参照し、制作しています。
アングル編
この記事では、ポートレイト撮影でも重要な「アングル」について解説します。
1.撮影位置、カメラの高さ
ポートレイトでよく使われるのは、下の写真のように、目線よりも少し下からの位置で撮影するアングルです。
特徴は、対峙したそのままの自然な雰囲気を出しやすいこと。
他のアングルについいても、それぞれ見ていきましょう。
▼上から
上から撮影するハイアングルは、顔に焦点を当てて撮影するアングルで、表情をより印象的に描写することができます。
▼アイレベル(目線の位置)
目線の位置は、近しい距離感で親密な雰囲気に。
▼下から
ローアングルから撮ると上に空間ができるので、望遠レンズで背景をぼかせば解放感のある写真に。
また広角レンズを使えば、小顔で足長に写すこともできますよ。
2.顔の向き
次は、「顔の向き」について考えます。下の図と写真を一緒に見ていきましょう。
顔の向きを決めるとき、わかりやすいポイントは髪の毛の“分け目”です。
たとえば番号②は分け目が右側にあるので、顔の右側がきれいに見えます。
逆に⑦は髪の毛が顔にかかりきれいに見えない場合があります。
自分の顔で好きな向きのある人は、大体この分け目と一致していることが多いです。
また、顔が左右対称の人はほとんどいません。
特に差が出やすいのは目。
他にも鼻や口などのバランスを見て、きれいに見える向きを探りましょう。
▼①
▼②
▼③
▼④
▼⑤
▼⑥
▼⑦
3.ポートレイトの構図
ポートレイトで使いやすい構図は、3分割構図と日の丸構図です。
3分割構図とは、 縦や横に3分割したライン上に被写体を置く構図のこと。
空間ができるので、安定感のある構図がつくりやすいのが特徴です。
▼3分割構図
上の写真は、3 分割構図に柵と道路で構成した斜線構図の組合せ。
空間や線を使えば構図に奥行きがでて、背景を活かしたポートレイトを撮ることができます。
日の丸構図は被写体の魅力がストレートに伝わるのが特徴。
注意点は、背景をよりシンプルにすることです。
▼日の丸構図
少しの意識で大きく変わる、人物撮影。
今回の記事と合わせて、「光の見方」編も公開(5月28日正午にUP!)していますので、合わせてごらんください!
1976年東京都生まれ。1999年明治学院大学卒業後、株式会社CMSに入社。テラウチマサトに師事。写真雑誌「PHaT PHOTO」 を経て2003年よりフリーとして活動。現在さまざまな書籍や雑誌で 撮影と執筆活動を行っている。
近著に、『「プロワザ」が身につくストロボライティング基本講座』(玄光社)