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フォトまち便り「Hello Local」vol.44 郡山写真部~郡山来でみだらいいばい!!~


地域写真部が綴っていく連載企画「Hello Local」。今回は郡山写真部の鈴木さんが、9月17日~19日と10月8日~10日に郡山市内で開催されたフォトフェスの内容をお届けします。年に一度の大イベント、郡山写真部員の皆さんがこれまで撮影した写真を展示し、郡山の魅力を発信します。そこで鈴木さんがフォトフェスで見たもの、感じたもの、そして写真の持つ力をお話しします。


郡山写真部の鈴木です。

写真好き、カメラ好きが集まる郡山写真部は、今年で5年目の活動に入りました。個人の撮影技術の向上を図りながら、SNSで郡山市の観光地やフォトスポットなどを#郡山写真部を付けて発信しています。そして、今年も郡山写真部の一大イベント「フォトフェス」の時期がやって来ました。

今回のHello Localはフォトフェスに参加した私視点の「郡山写真部フォトフェスー シズる郡山。ー」をお届けします。

郡山の魅力を伝えるフォトフェス『ーシズる郡山。』

今年はフォトフェスを2回開催。

場所は、多くの人で賑わう郡山駅構内の一部と隣接する「S-PAL郡山」(9月17日~19日)。もうひとつは、郡山市を代表する観光地・磐梯熱海地区の「ほっとあたみ」(10月8日~10日)で行われました。

テーマは『シズる郡山。』

S-PAL郡山でフォトフェスの開催が決まったと知ったとき、人気店が立ち並ぶショッピングモールで更に若者を中心に幅広い年齢層が利用している場所で郡山写真部を知って頂く絶好のチャンスだと思いました。そして、9月初旬に宣伝ポスターがついに完成。

(フォトフェスポスター原画 撮影者:宗形雅幸さん)

フォトフェス in S-PAL郡山

まずは9月17日から19日まで開催されていたS-PAL郡山をご紹介します。

おしゃれな雰囲気のモール内を進むと、「郡山写真部のフォトフェスを行っています!」と、ひときわ大きな声でフォトフェスの宣伝をする写真部の牧野剛さんの姿が。

隣には、郡山写真部の活動を紹介するパネルと部員が撮影した渾身の写真たちがお出迎え。

私はA1サイズに引き伸ばされた写真に引き寄せられ、一瞬にして撮影者の世界に引き込まれました。

まるで、その場所に行ったかと思うような感覚になるほど、リアルな写真ばかり。撮影者たちのありのままの一瞬を切り取った一枚に感動をしながら見させてもらいました。

また、展示をみる来場者がいると、声をかけて写真の説明している光景も。

その中に今年度の郡山写真部のサポーター、福島テレビの星浩文さんの姿がありました。

星さんこそ、『シズる、郡山。』の名付け人です。

(来場者の対応をする星浩文さん)

そして、さらに奥へいくと、小さな赤べこと、一枚一枚郡山写真部のみなさんが撮影した写真を組み合わせたモザイクアートが出迎えてくれました。実はよーく見ると郡山市(緑の部分)と猪苗代湖(青の部分)に色が分かれているんです。

来場者の中にはじっくりみる方もいました。

このモザイクアートをバックに来場記念の無料撮影会が行われています。

撮った写真はすぐにプリントされ、来場者にプレゼント。写真を見るだけでなく体験ができるんです。

私が来場者の方を撮影し、プリントをしていると星さんが「ありがとうございます!」とお声がけを。その星さんに改めて「シズる」に込めた思いを伺いました。

「被写体をより美しく、より鮮明に綺麗に演出し写真で見て楽しんでもらう。そこから色々な郡山に興味をもって、さらには足を運んで貰いたいからです。」と星さんは語って下さいました。

撮影をする来場者の中にはモデルのようにポージングをする女性や子供の撮影を見守るお母さん。沢山の方々が来場記念の撮影をされていました。

来場者インタビューをしてみた!

プリントができるまでの間、来場者にインタビューをしてみました。

-今回このフォトフェスはどのように知りましたか?

「ここ(S-PAL)に来て知りました。駅の構内にも写真が展示されているのを見て、面白そうだな思って、立ち寄りました。そしたら郡山写真部の皆さんに撮影してもらえるイベントもあって、楽しかったです。」

-無料で撮影ができるのも魅力的ですよね。実は背景になったパネルですが、モザイクアートになっているんです。緑の部分が郡山市の形、青の部分が猪苗代湖になっていました。

「えーー‼‼こんな形をしていたんですね!」

-展示の写真はご覧になりました?

「結構インパクトがある写真が多くて、色合いも綺麗で素敵な写真ばかりだなぁっと思いました。お友達とまたフォトフェスに行きたいです!」

逆インタビュー!?来場者との会話で生まれる出会い

ある一枚の写真に目が留まった二人の男性。写真部の松田達也さんのSNSの宣伝をみて訪れたそう。

(男性たちが目に留まった写真。撮影場所:舟津公園 撮影者:松田達也さん)

来場者「この写真、景色も女性もとてもきれいに写っていますね。」

その写真は松田さんが撮影したものでした。

来場者「パソコンで使っている現像ソフトは何ですか?」

松田さん「Lightroom Classic(ライトルーム クラッシック)使っています。」

来場者「カメラのメーカーはなんですか?」

松田さん「キヤノンです。」

なんと、逆インタビューがはじまったのです!

そこから男性たちの様々な質問に一つひとつ丁寧に答える松田さん。話を聞いているとお二人はカメラに詳しい様子でした。

最後にお二人に

「郡山写真部に興味ありますか?」と聞いてみました。すると

「はい!活動に興味があるので、来年入ってみようと思います。」と嬉しい返答がありました!

私たちは普段、SNSを通じて郡山の魅力を発信することが活動のメインです。けれども今回のようなイベントを通じて来場者とコミュニケーションを取ることの大切さに改めて感じさせられました。

(質問をする男性と回答する松田さん)

S-PAL郡山のフォトフェスは赤ちゃんからご年配の方々と幅広く、3日間で1500人以上と沢山の方々にご来場頂きました。

大盛況、大成功のフォトフェス第一弾が終わりました。S-PAL郡山のフォトフェスの作品を見て、昨年に続き開催される磐梯熱海ではどんな作品に出合えるのか。とても楽しみになりました。

フォトフェス in 磐梯熱海

そして10月8日から10日に開催された磐梯熱海のフォトフェスです。

会期中はあいにくの空模様。。。

しかし、会場に入ると来場者で賑わっていました。

今回のフォトフェスは郡山市内を12の地域に区切り、撮った写真を観光用のポスターに仕立てて展示されていました。

作品を鑑賞して、まだまだ見たことがない郡山がたくさんありました。同じ場所でも撮り方によって、見せる表情が全く違うので見る写真一つ一つにワクワクが止まりませんでした。

また、来場者は「いいね!」と心打たれた作品に投票ができ、その結果は10月29日㈯の福島テレビの「サタふく」と言う番組で紹介されます。1位に輝いた作品は果たして…!放送日が楽しみだ。

出会いに感謝。地域の方とお話しをしてみて

作品を見終えるとモザイクアートをじっと見る三つ編みの可愛いご婦人と目があいました。

とっさに「こちらで無料の撮影会をしていて、よかったらいかがですか?」と声をかけると、

「友達が昨日、撮ってもらったって嬉しそうに話していたのよ。新聞にも掲載されていたから、気になって見に来たのよ〜」と気さくに答えてくださいました。

少しやり取りすると生まれも育ちも磐梯熱海だと言うことが判明。ご婦人の生活には温泉が必要不可欠だったといいます。磐梯熱海は風情のある温泉街です。

ご自宅の近所には「元湯」という共同湯があり、アトピーの改善に期待できる温泉があります。

ご婦人は幼少期は元湯に通っており、その当時からアトピーや皮膚病を治すために県内外から多くの人が訪れていたようです。

元湯は開湯280年、温泉施設としては来年で105年の長い歴史を持ちます。レトロな雰囲気で昔ながらの銭湯は中々ないような気がします。

興味深かったのは、磐梯熱海の温泉は同じ源泉にも関わらず、湯の質感が違うと言うことを教えてくれました。ご婦人も「不思議だなぁ」と話していました。

地元愛を沢山感じながら、ほかにも地元ならではのおすすめのスポットを伺うと、

すかさず「ケヤキの森」と「丸守発電所」だと答えてくれました。

紅葉シーズンはうっとりしてしまうほど見ごたえがあるといいます。

磐梯熱海は気候に左右されやすく、毎年葉の色づき方が違うのも、ここならではの楽しみだとおっしゃっていました。

丸守発電所は、猪苗代湖の水を通す水力発電所。昨年運転開始から100年を迎えました。通常は丸守発電所敷地内は立ち入り禁止ですが、入り口付近や近くの橋から見ることができます。色とりどりの木々に囲まれた丸守発電所はとても綺麗だそうです。

(運転開始100周年記念行事の際に敷地内を撮影したもの 撮影者:田島沙織さん)

ケヤキの森には樹齢300年のケヤキがあります。遊歩道になっており、ケヤキの群生地を一望できるようです。ケヤキの森の入り口には足湯があるので、紅葉を散策した後ゆっくり、くつろぐのもおすすめとのこと。

贅沢な過ごし方は、ケヤキの森の近くの旅館にある天井風呂に入りながら紅葉を眺めることだそうです。「あれは絶景よ‼」と推しのスポットを教えてくれました。

紅葉の見ごろは10月下旬〜11月上旬。そろそろ紅葉シーズンをむかえます。今年の紅葉狩りはケヤキの森と丸守発電所で決まりだ。

話した内容を記事にさせて欲しい旨と伝えると「通りすがりのおばあちゃんだから〜(照)」と言いながら最後にご婦人は、「体感してみると、熱海の良いところがもっと見えてくるよ」とおっしゃっていました。

大盛況の撮影会

ぬいぐるみやお面などを写真部員が持ち寄って、撮影を来場者に楽しんでもらう工夫がされていました。

それらのアイテムを使ったお陰で、終始笑顔で、そしてあたたかい時間が流れていました。

友達と夫婦、家族、ちょっと緊張気味の表情も微笑む表情、決めポーズ、幸せの時間がありました。

(来場者の撮影をする天倉利美さんと佐久間蓮美さん)

数枚の写真からも心がほっこりする、見ている側も微笑んでしまうような、写真ばかり。

あいにくの天気にも関わらず、来場者は3日間で900人近くいらっしゃったようです。来場者の多くが、何度もぐるぐる回り、じっくりと鑑賞し楽しく過ごされていました。

すれ違ったご家族は、現像された写真を眺めながら、「綺麗に撮って貰えた~。」「よく撮れてるね。」「この写真、飾ろうかしら!」という会話を耳にしました。

こういう会話を聞く中で、写真という存在は、未来にも記憶にも残る思い出になると改めて感じました。

磐梯熱海のフォトフェスも大成功で幕を閉じました。

イベント終了し、当日シフトに入っていた写真部員は晴れやかな顔をしていて、それぞれを称えあっていました。こういった発表の場は目標にもなり、刺激になると思いました。写真部員たちもまた、楽しいフォトフェスだったことがうかがえました。

表現一つで魅力を一気に引き出すことができる、自由な気持ち、それぞれの感性、視点を大切にありのままに撮影した写真は見る側の心を動かす。これぞ、写真が持つ力だと思いました。

美味しい食べ物、料理、情緒溢れる風景、街並みの郡山を「シズる」が存分に出たフォトフェス。私自身、撮影スポットに行きたいと思いました。そして、郡山がますます好きになりました。

いかがでしたか?魅力があふれ出ている郡山、きてみませんか?(^▽^)

(郡山来でみだらいいばい!!)


鈴木陽子
1992年生まれ。福島県白河市出身。
2021年結婚を機に郡山市に移住。
同年、郡山写真部に入部。
2012年、大学進学を機に写真と出会ってから、ありのままの姿、日常、風景を中心に写真を撮っている。

郡山に住む写真好きの仲間が集まり、2018年から活動をしている「郡山写真部」。

郡山のまち、人の魅力を「写真」を通じて見つめ直し、「#郡山写真部」で発信しています。

郡山写真部が取材・記事を書いて作ったデジタルフォトマップ「郡山フォトスポットガイド」コチラ

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