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HOW TO / 作品制作のヒント

30以上の海外フォトコンテストに受賞してわかった、応募の仕方とポイント


世界にたくさんある、海外フォトコンテスト。「興味はあるけど、どれに応募すればいいかわからない…」という人は多いのではないでしょうか?

今回は、そんな海外フォトコンテストについて「何に気を付ければいいのか?」「お勧めコンテスト」などについて、30以上もの海外フォトコンテスト受賞歴のある写真家の塩原真澄さんに話を聞いてみました!

塩原真澄(しおはらますみ)
1974年生まれ 。現在、⻑野県塩尻市在住。親の後を継ぎ果樹園を営む。趣味として自ら育てた果物をはじめ、様々な果実を写真作品として残す取り組みをしている。ポートフォリオサイト(LensCulture)

Masumi Shiohara, Japan, Shortlist, Open competition, Still Life, 2019 Sony World Photography Award

まず最初に、どのコンテストで受賞したか?です。こちらは受賞経歴。応募はもっとたくさんあるとのこと。

[フォトコンテスト名/塩原さんの受賞名 ]

■2019年(計6、5月時点)
FAPA(FINE PHOTOGRAPHY AWARDS)/HONORABLE MENTION
PINK LADY FOOD PHOTOGRAPHER OF THE YEAR 2019/Shortlist
SONY World Photography Awards 2019 /Open Shortlist Still Life
ONE EYELAND AWARDS 2018 /Silver×7 Bronze×2
Monochrome Awards /HONORABLE MENTION
TIFA2018(TOKYO INTERNATIONAL FOTO AWARDS2018)/ Gold

■2018年(計18)
CHROMATIC AWARDS/3rd Place
ND Awards HONORABLE MENTIONS
Spider Awards Nominee
PDN Perspectives – PhotoPlus Expo 2018 /Contest 1st Place
IPA(INTERNATIONAL PHOTOGRAPHY AWARDS) /1st Place
IPA Philippines 3rd Place
PDN TASTE Personal Work 1st place
MONOVISIONS PHOTOGRAPHY AWARDS, 2018 /HONORABLE MENTIONS
Photographer’s Forum Magazine Best of Photography Contest /HONORABLE MENTIONS
The FENCE 2018 Food winner
PDN Exposure Photography Award Winner
MIFA(MOSCOW INTERNATIONAL FOTO AWARDS)/New Talent of the Year Award
TIFA2017(TOKYO INTERNATIONAL FOTO AWARDS2017) /1st place
SONY World Photography Awards 2018 Open Shortlist Still Life
FAPA(FINE ART PHOTOGRAPHY AWARDS ) /Nominee
ONE EYELAND AWARDS 2017 /Silver×7 Bronze×1
IGPOTY competition11 Portfolio : Highly Commended
IPOTY 2017 /Honorable Mentions

■2017年(計6)
ND AWARDS 2017 /3rd place
IPA /One-Shot:Harmony Honorable Mention
PDN TASTE 2017 /1st place
IPA 2017 /1st Prize Winner – Food Category
MIFA 2017 /Non-Professional
Category Winner Advertising  3rd Place
PX3 2017 Silver Winner – Monograph Category

■2016(計1)
TIFA (Tokyo International Foto Awards) /1st Place Science

以上、31ものコンテストで受賞してきました。
さて早速塩原さんに質問をしていきましょう!

――塩原さんが海外フォトコンテストに応募したきっかけは?

塩原 はじめは、国内のコンテストへ応募していました。カメラのキタムラ、デジタルカメラマガジン、キヤノン、エプソン、ピクトリコ、PHaT PHOTOなどのフォトコンテストで賞をいただくなか、「御苗場」でグランプリを受賞してから海外のコンテストへ挑戦しました。

――応募するコンテストはどうやって探しましたか?

塩原 インターネットで「international photo contest awards」と検索して出てきたものに応募しました。受賞後に作品がどのように使われるか調べて作品の権利が保護されていそうな物を選びました。

――塩原さんは英語ができないそうですが、どうやって応募していますか?

塩原 タイトルも説明もすべて英語なので、英語ができない私は「翻訳ソフト」や「翻訳業者」で英訳してもらっています。後者はお金がかかります。金額は 数千円程度。
メールのやり取り程度の簡単な文は翻訳サイト、専門性の高い文は依頼、という風に使い分けていますね。

業者への依頼は、翻訳レベルのランクが3段階ほどあります。ランクは標準でいいと思います。翻訳に納得いかない時もありますので、原文を分かりやすく短く区切って書けば問題なく翻訳されると思います。
あまり専門性が高かったり詩的表現を求めるようなものは断られる事がありますね。

――実際に応募しみての反応は?

塩原 思ったより高く評価されました。複数カテゴリーで受賞することもあります。

応募前は海外でオンラインでの応募ということで、写真画像が二次利用されないかなど心配でしたが、それ以上に有名になってこの画像は誰が見ても「塩原の作品だ」と言われるようになればいいと考えるようになりましたね。

――いちばん大きかった賞金は?

塩原 去年モスクワインターナショナルフォトアワードで新人賞をいただき、2000ドルの賞金を得ました。それを別のフォトコンテスト応募費用の原資にして、数々の応募をしています。既に枯渇していますが…。

――賞金以外の特典はどのようなものがあるのですか?

塩原 高く評価されると海外のギャラリーなどで展示されることもあります。外国人(海外の方々)が自分の写真を見入っている画像を見るとうれしくなりますね。ただ、受賞したからと言ってその作品がたくさん売れることはありません。

――受賞後、実際に作品が売れたことは?

塩原 コンテストで受賞した作品を欲しいと言われたのは、私の場合は過去に1作品だけ。あるフォトコンテストで授賞し、プリント作品を販売できるサイトにも乗せてもらいましたが、そこでは1枚も売れませんでした。

思い返すと、写真コンテストで受賞しはじめたころは購入のオファーも何件かあり、次第に作品が売れるようになるだろうと思っていましたが、販売についてはさっぱりでした。
アマチュア部門で応募しているからかもしれませんが、アート写真を販売するだけで食ってくなんてほんとにとても大変なことだと実感しています。

――応募に際して困ったことはありますか?

塩原 受賞しても、賞金がなかなか振り込まれないことはあります。催促しないといけないときが何度かありました。受賞トロフィーも授賞式に行かないともらえません。送ってはもらえませんしね。

コンテストで認めてもらえることは確かに嬉しいですが、「作品を購入したい」と言われることにはまだまだなっていませんので、引き続き頑張らないといけませんね。

――日本のコンテストの違いや特徴は?

塩原 国内のコンテストでは認められないことが多いですが、二重応募ができるのは海外フォトコンテストの特徴ですね。だから数を応募できる。

あとは、コンテストにもよりますが、大きく加工した画像も受け入れてもらえる感がある。むしろアート加工した作品が受け入れられやすいような気がします。

また、カテゴリーが多い(国内コンテストだと自由部門とひとくくりですが細分化されている)佳作も含めると受賞者数が多いので海外の作家の作風が見られて面白い。

――応募するときに気を付けた方が良いことや、ポイントは?

塩原 応募は基本的に有料です。複数カテゴリーに応募できますが追加割引があります。

「早割り」もあるコンテストも。賞金はプロの方が高いですが、アマチュア部門の方が応募費は安いです。応募料の支払いと、賞金の受け取りにPayPalのアカウントが必要な場合があります。

それと、締め切り期日がきても延長になることが度々ありますので、こまめにチェックすることが重要。

――お勧めのフォトコンテストはありますか?

塩原 上記には記載していませんが、レンズカルチャーでは何度も応募を続けていますが受賞には至っていません。

ただ、レンズカルチャーは応募すれば「ポートフォリオアカウント」をもらえるのでそれをホームページの代わりにしていますし、レンズカルチャーは作品のレビューが付いてきますので制作の参考になりますよ。

――――

いまの海外フォトコンテストへの応募の目的は、「制作した自分の作品を評価していただく事が第一で、受賞したらオンラインギャラリーで広く作品を知ってもらうこととして活動を続けています」と語る塩原さん。

「英語」のハードルもWebサイトや外注でクリアし、自分の作品を知ってもらうために、コンテスト応募に挑戦しているようです。塩原さんが応募したコンテストなども参考にしながら、ぜひトライしてみてくださいね!

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