鉄道写真の王道を学ぶ! ニコン撮影会レポート第3回
鉄道写真家・助川康史流
「鉄道写真の撮り方」withニコンD7500
2014年から、株式会社ニコンイメージングジャパンとPHaT PHOTOがコラボして実施している撮影会。今回は、JR時刻表・鉄道雑誌の表紙や鉄道会社のポスターにカレンダー撮影など、鉄道を中心に幅広く活躍する鉄道写真家の助川康史さんがご登場!熱気にあふれた撮影会の様子をお届けします。
1.鉄板の「編成写真」
2.ドラマチックな「鉄道風景写真」
3.自由な発想の「イメージ写真」
4.鉄道撮影に必須!絶対おさえておきたい「流し撮り」
・ニコンD7500のすごいところ
・助川康史さんプロフィール
・次回の撮影会予告
「今まで鉄道写真を撮ったことがない」
「どうしてもいい瞬間を逃してしまう」
という鉄道写真の初心者にもわかりやすくレクチャーしてもらうために、今回お招きしたのが、多くの鉄道ファンを魅了する、助川康史先生。
今回は、さまざまなテクニックやバリエーションに挑戦できる、とってもお得な欲張りプランをご用意。小型・軽量ボディに、D500で採用した本格派の機能を詰め込んだD7500をお供に、秋晴れの中、鉄道写真撮影を楽しみました。
助川先生のレクチャーからスタート!
まずは、助川先生にニコンD7500の魅力と、
鉄道写真のノウハウを丁寧にレクチャーしていただきました。
先生が撮影した写真を紹介しながら、鉄道写真の種類やポイントなどをわかりやすく説明。
撮影に向かう準備は万端です。
今回は、レンズも豊富にご用意。
広角や超望遠など、シーン別にさまざまな撮影ができます。
AF Nikkor 14/F2.8D ED
AF-P DX 10-20/F4.5-5.6G VR
AF-S DX 10-24/F3.5-4.5G ED
AF-S DX 18-300 /F3.5-5.6G ED
AF-P 70-300/F4.5-5.6E ED
AF-P DX 70-300 /F4.5-6.3G ED
AF-S 80-400 /F4.5-5.6G ED
AF-S 200-500 /F5.6E ED
AF-S 105 /F1.4E ED
AF-S 300 /F4E PF
レクチャー後は、いよいよ撮影へ!
この日の撮影地は、助川先生もふだん通っているという、JR総武本線佐倉駅と物井駅の中間。あたり一面畑に囲まれ、周囲にはビルや高い建物がありません。思う存分鉄道撮影が楽しめる、絶好の鉄道撮影スポットです。
天候にも恵まれ、撮影場所へ向かうみなさんの足取りも軽く見えました。
走ってくる鉄道を前に、早速撮影開始です。
今回は、助川先生が撮影した写真を例に、参加者のみなさんが挑戦した鉄道撮影のテクニックを少しだけご紹介します!
【1】鉄板の「編成写真」
編成写真とは?
鉄道写真でよく見る、王道の写真。
列車の頭から最後尾まで、車体の全てを切らずに画面におさえたもの。
photo:助川康史
D7500/AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR/150mm/f6.3/1/2000秒/ISO400
(編成写真は、以前同場所で撮影のものを掲載)
編成写真のポイント!
◆列車の顔の横には電柱を置かない
◆ピントはAFで合わせる
◆シャッター速度は1/1600~1/3200秒以上の高速に
列車の顔の横に電柱を置いてしまうと、画面自体が狭く感じられるのでNG。今回は、鉄道の顔を右に寄せて、先頭から最後尾まできちんと収まるように構図をつくりました。シャッター速度は、高速シャッターに設定。向かってくる列車もブレずに、迫力満点に写しとれます。
特徴的な顔の成田エクスプレス(NEX)も度々走ってくるので、大興奮。
短い時間で列車がどんどん来るので、参加者のみなさんもチャンスを逃さないように真剣でした。
[ニコンD7500のここがすごい!]
鉄道写真は一瞬が大切。そんな時に活躍するのが、コンティニュアスAFサーボ(AF-C)。
高性能なAFが、向かってくる電車に常にピントを合わせて、自動で追いかけてくれます。連写で撮影した写真を見てみると…どれもしっかり正確にピントが合っている!
列車のように動く被写体には大活躍です。
【2】ドラマチックな「鉄道風景写真」
鉄道風景写真とは?
沿線の風景を主題に撮影したもの。
風景の中を走る鉄道を撮影するが、あくまでも列車は副題なので小さくても構わない。
photo:助川康史/D7500/AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED/14mm/f8.0/1/1000秒/ISO400
◆4分割構図を意識
◆列車を画面の真ん中に置かない
◆置きピンをする
,
置きピンって?
あらかじめ被写体がくる場所にピントを合わせておくこと。速く走る列車にピントを合わせようとすると、焦ってしまって、せっかくのシャッターチャンスを逃してしまうかも。慌てて、最高の瞬間を逃さないためにも置きピンはマスト!
鉄道風景写真の主役は「風景」。画面を縦・横に分割した、「4分割構図」を意識して、列車は分割した一部におさめるように配置すると、全体のバランスがよくなります。さらに、失敗しないためには、あらかじめピントを線路に合わせておくと安心。列車が来てから慌ててピントを合わせる必要がなく、大切なシャッターチャンスを逃しません。
逆光の場合はホワイトバランスを曇天にすると、少し赤みがかった色味になり、どこか郷愁を誘うようなイメージに。
[ニコンD7500のここがすごい!]
鉄道風景写真で、空を広く入れて撮影するときには、空が白飛びしたり、逆光で列車が真っ黒に潰れてしまうことも。でも、D7500の広いダイナミックレンジ(最も明るい部分と暗い部分の範囲)なら、白飛びや黒つぶれを防ぎ、見た目に近い自然な仕上がりに。
【3】自由な発想の「イメージ写真」
イメージ写真とは?
自分の表現したいものを自由に撮影するもの。
スローシャッターなど、ふだんと違う表現を追求してみるのもよし。
photo:助川康史/D7500/AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED/14mm/f5.0/1/13秒/ISO3200
電車をブラし、超低速での流し撮り。
[ニコンD7500のここがすごい!]
日が暮れて光が少なくなると、高感度での撮影が必要。
でも感度を上げると、ノイズが出るのでは?と心配になってしまう…。
しかし、D7500なら、そんな今までのジレンマも解決。
高感度で撮影しても、画質のざらつきを気にせず、美しく風景を捉えることができます。暗いシーンでの撮影もこれで安心!
【4】鉄道撮影に必須!絶対おさえておきたい「流し撮り」
流し撮りとは?
列車のスピード感を表現するもの。列車は止まり、背景は流れて見える。
photo:助川康史/D7500/AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR/280mm/f8.0/1/30秒/ISO800
photo:助川康史/D7500/AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR/240mm/f6.3/1/60秒/ISO800
流し撮りのポイント!
◆シャッタースピードに注意
◆列車の動いている方向に合わせてカメラを動かす
◆置きピンをする
流し撮りは、シャッタースピードが重要。1/60秒前後が成功しやすく、背景も綺麗に流れます。速すぎると、背景があまり流れず失敗なんてことも。格好いい流し撮りのためには、シャッター速度を調整しながら、練習あるのみ。
[ニコンD7500のここがすごい!]
D7500は、最高約8コマ/秒の高速連写が可能!
列車が通り過ぎるのは本当に一瞬。
高速連続撮影で絶対に逃したくない瞬間もしっかり写しとってくれます。
鉄道撮影を満喫していたら、あっという間に夕暮れに。
もう一度、会場に戻り、今日撮った中でのお気に入りの1枚をそれぞれプリントして、講評タイムへ。教わったテクニックを活かした、素敵な写真ばかりが並びます。はじめて鉄道撮影をしたという方の、完成度の高い作品に助川先生も拍手。D7500ならではの細部まで美しい写真に、みなさん驚かれていました。
今まで鉄道写真を撮ったことがないという方も、今回の撮影会を経て、鉄道写真の魅力にすっかり虜になってしまったよう。私もはじめて鉄道写真を撮ってみたのですが、ハマる理由がよくわかりました。一瞬で通り過ぎてしまう電車をおさえるのは、難しい部分もあったのですが、だからこそ綺麗に撮れた時の喜びもひとしお。一瞬に懸ける鉄道写真だからこその楽しみを味わうことができました。
ぜひ、みなさんも鉄道写真に挑戦してみてください!
参加されたみなさんの撮影写真
photo:田中樹里亜さん
D7500/AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR/10mm/F8.0/1/1000秒/ISO400
photo:犬飼恵子さん
D7500/AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR/240mm/f5.6/1/30秒/ISO800
photo:笹川博登さん
D7500/AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR/300mm/f5.6/1/1600秒/ISO640
photo:松廣真美さん
D7500/AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-4.5G ED/10mm/f4.5/1/15秒/ISO3200
参加者の声
・カメラの使い勝手がよく、たくさんのレンズも試すことができたことがよかった。
・愛知から来て良かったです。
・できれば購入したい程、カメラもレンズも素晴らしかった。D7500のグリップが深く使いやすかった。
・参加者のみなさんからの笑顔もあり、とてもリラックスした空気の中、撮影や講義を受けることができた。
・レンズが良かった。特に望遠レンズが欲しくなりました。
・具体的でわかりやすく、ユーモアもあり楽しく学べました。
・機能のすごさにびっくりした!色のきれいさが良かった。
・とてもきれいにとれて感動しました。普段のカメラよりもドラマティックな表現ができたように思いました。
ニコンD7500
最高約8コマ/秒の高速連続撮影が可能で、大切な瞬間を逃さない。D500と同じ画像処理エンジンを搭載し、暗い場所でも安心。
・約8.0コマ/秒の高速連続撮影
・高密度51点AFシステム
助川康史さんプロフィール
1975年生まれ
秋田経済法科大学法学部卒業
東京ビジュアルアーツ写真学科卒業後、鉄道写真家の真島満秀氏を師事。(有)マシマ・レイルウェイ・ピクチャーズ所属。鉄道車両が持つ魅力だけでなく、鉄道を取りまく風土やそこに生きる人々の美しさを伝えることをモットーに日本各地の線路際をカメラ片手に奮闘中。鉄道ジャーナル(鉄道ジャーナル社)や鉄道ダイヤ情報(交通新聞社)などの鉄道趣味誌や旅行誌の取材をはじめ、JTB時刻表(JTBパブリッシング)やJR時刻表(交通新聞社)の表紙写真を手掛ける。またJR東日本などの鉄道会社のポスターの撮影も精力的に行っている。公益社団法人日本鉄道写真作家協会(JRPS)理事。sukeyasu2450.blog.fc2.com/
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次回の撮影会予告
大都会をシャープに切り取る 夜のスナップ撮影会 with Nikon
日時:2018年1月14日(日)
場所:銀座・東京駅・丸の内周辺
講師:上田晃司
明るいビルの光や、鮮やかなネオンが溢れるエリアへ。写真家の上田晃司さんを講師にお招きし、夜の街をきれいに切りとるための撮影テクニックをレクチャーします!
【お申込み締切:2018年1月4日(木)】詳細・お申込はコチラ!