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フォトまちだより「Hello Local」vol.27 紀南フィルム ~写真で広がる地域の輪~

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連載企画「Hello Local」27話目は紀南フィルムの久保利さんによるフォトエッセイ。生まれも育ちも紀南という久保利さんが、カメラと出合い、SNSで写真を発信するようになって気づいたこと、とは?


はじめまして
紀南フィルムの久保利 大輔です。

私は和歌山県南部にある新宮市で生まれました。高校を卒業してすぐに地元企業で勤め、今日に至るまでの27年間、地元から離れて暮らしたことがない生粋の紀南っ子です。

そのため、今暮らしているこの紀南の景色は自分の中では当たり前のものとしてあり続けました。良く言えば安心感や温かさ。悪く言えば新鮮味がない。

当たり前だと思っていた日常風景を写真に撮り、SNSで発信する。そんな姿は、カメラを始める前の自分からしたら想像がつかなかったと思います。

カメラを始めたきっかけ

昔から私は旅行が好きでした。休日になると車で出かけてはスマホで風景や町並みをパシャパシャと撮影。

いつからか本格的なカメラが欲しいなと思い始めて、インターネットや家電量販店に行ってはカメラを見ることが習慣になってました。けど、カメラって高いですよね。

「いや、スマホで十分!」「でも、きれいな画質で撮りたいなあ・・・」って複雑な気持ちは今でも覚えています(笑)

カメラが欲しいと思って購入するまで、半年近く経っていたと思います。


写真から始まった、地域への密着

私が、勤務する太地町は紀伊半島の東海岸に位置する人口約3,000人の小さな町です。

およそ400年の歴史がある捕鯨の地として知られ、鯨やイルカを捕って栄えてきた日本の古式捕鯨発祥の地と言われています。

太地町の入り口には町のシンボルともいえる、二頭の「くじらのモニュメント」が
空を泳ぎ、町へ来る人を歓迎しています。

毎日、車で通勤している私は、横を通る度に時間があれば車を止めカメラを構えて写真を撮っています。

地元の人からも
「おにいちゃん、今日も写真撮ってるね~」と声かけてもらう事も。(笑)

私が趣味で写真を撮っていることが、少しづつ町の人からも認知され始めると、地域で行われるイベントやお祭りの時に声をかけてもらえるようになりました。

撮影を任されることもあり、地域の一員として溶け込めた気がして嬉しかったの覚えています。

(写真は、太地町で行われた防災イベントの様子)

紀南エリアの伝統行事としてよく知られる新宮市の「御燈祭り」や、那智勝浦町の「那智の扇祭り」など、熊野では綿々と受け継がれてきた歴史あるお祭りを見ることができます。

私の住む町でも、毎年10月になると御神酒を入れた大樽・小樽の神輿を担いで町内を練り歩き、鯨の大漁を感謝し豊漁を願うという伝統的なお祭りがあります。


この日だけは町のあちこちの家庭で提灯が灯され、町全体でこのお祭りを盛り上げます。
その中を神輿が駆け巡る姿を、絶対に写真に残したいと、私はカメラ片手に無我夢中で追いかけました。


そんな私の姿を見た地元の人が
「もうじき、こっち通るからおいで~」
と教えてくれたりすると、この町の人々の優しさを感じることができます。

太地町という町が400年以上もの長い間クジラと共に生きることに誇りを持ってきた歴史。お祭りには、その重さが凝縮されているように見えました。

星空にカメラを向けると思い出すこと

上の写真は太地町の燈明崎から見る天の川です。

古式捕鯨を行う際の大事な役割である見張り台があった場所から撮影した1枚。奥にはのろし跡や、山見台、燈明灯台などが再現されています。灯台の明かりには日本ではじめて鯨油がつかわれていたそうです。

日中の明るい時なら太平洋を一望することができますし、夜には太地の空いっぱいに広がる星空を楽しむことができます。

私もカメラを始めてすぐに、この星空を撮影したいと仕事帰りに立ち寄っては夢中で写真を撮っていました。海の波音と虫の音で紀南の自然の偉大さを感じました。

私が本格的なカメラを買いたいと思った理由も、この星空を撮影したいという事でもありました。

ファインダーで覗いてみた紀南の景色

紀南にはまだまだ魅力あふれる景色や文化があり、それをより多くの人に知って欲しいという気持ちがあります。でも、一人ではその全てを伝えきることができません。

紀南フィルムという、紀南に対して熱い気持ちを持っている写真部メンバーの一員になって魅力を発信する事は、その想いを実現する方法であり、何より凄く楽しいです。

(上から順に「熊野古道 大門坂」「光泉寺の大銀杏」「串本町大島」)


冒頭に書いた当たり前だった紀南の景色を、多くの方に向けて発信していく事を、今では誇らしく感じています。それは、
その町でしか知ることのできない歴史のある文化や風景、人々の暮らしを直に触れることができることだからです。

今この瞬間の日常を大事にして、それを未来へ残していきたいと思います。

では、カメラを片手に今日も行ってきます。

久保利大輔(くぼりだいすけ)

1994年和歌山県生まれ高校を卒業後に地元で就職。
2018年に念願のカメラを購入し写真に没頭していく。
カメラを始めたきっかけで地域の魅力に気づき、それをSNSで発信する事に楽しさを感じた。紀南の景色、暮らしの様子を今後もキリトリたい。



 




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